神を喰った柴犬の話
2040年、8月15日、7時32分
日本ー京都ー暁市ー2丁ー3番ー12ー3
プルルルル プルルルル ガチャ
「はい、喫茶卯月で…」
「人殺し!」
ガチャン!……プープープー
「はぁ、どうして…」
この頃、訳の分からないクレームと暴言が喫茶卯月堂を襲っていた。
「はぁ、どうして…」
連日続きのクレーム、暴言、売り上げ0、が店主 夜桜奈月を苦しませていた。
奈月は気落ちしているだろう顔をシャキッとするために、洗面台へ移動した。
鏡には予想通り、気落ちしてションボリとした顔が映っている。
桜の髪飾りをもう一度ちょっと強めに結いつけて
顔を水でパシャっと洗った。
メイクは落ちてしまったが、すっきりした気分になり「嫌な事なんか忘れてしまえ」ともう一人の自分に言ってみた
もう一人の自分がすこし笑い、自分は少し安心した。
どうしてこんな事になったのだろう⁇
自分はこの店を受け継いでから売り上げを倍以上上げて、一ヵ月前は喜んでいたはずだ
どうして⁇…
―――――――――――――――――ー――――――――–ー「わんっ!」うちの招き犬(願望)小豆がやって来た
「あぁ、おはよう小豆」最中
「クーン」この甘えたような感じ…さてはお腹が減っているな
「お腹減った?」
「わんっ!」予想通り、小豆は考えている事が分かりやすくて助かる、
ドッグフードの皿を手に取ってさらさらとドッグフードを注いだ
そしてそれを小豆が食べやすいところに置いた。
プルルルルプルルルル 店内の空気が硬直した。
またか……お客様かどうかわからないので手に取るのを躊躇しているうちに音は止んでしまった。
小豆は電話なんか気にせず、ドッグフードをガツガツ食べている
カリカリムシャムシャ
一人と一匹しかいない店内でドッグフードの咀嚼音がいくらか空気を和らげたようだった。
「おいしかった?」
「フンっ!」と頷きまだ口をもごもごしているのを微笑ましく思い、
そして日課の最中を作り始めた……
……………………………………―……………………………………
「ウーワンワンワン!」
小豆が私に向かって吠えた、
何か様子がおかしい、
最中わ作る手を止めると
小豆が私の袖に噛み付いたそしてぐいぐいと外の方へ引っ張ろうとしている。
慌てて小豆が宙吊りにならないように中腰になる
小豆は何かを警戒し何かに対して敵意を向けている。
「グルルル、グルルル」
「どしたの?」少しこわくなって小豆に聞いてみた
でも小豆は外に向かって引っ張るだけ……
一度、小豆が言う通り?外に出ようとした
バタン‼︎ ガラガラ、ガシャン!
「え?」
扉とシャッターが閉まった、勝手に、
「ッ!!」
後ろになにかいる‼︎‼︎
小豆のうなり声が一層低く大きくなる。
「誰¿」
声が震える、恐怖で体が震えて思考が停止してしまった。
「………」
返事はなかった…
頭の中に黒い光が弾ける…
小豆のうなり声がワンワンと言う吠え声が遠のいていった。
―――――――――――――――――――――――――――――初投稿です♪
これからも宜しくお願いします。