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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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すっかり忘れておりました。

 指輪を渡してから、フェリチータたんがおかしい。


「タカ様、行ってまいります」


 必ずお出かけ前に首もとにスリスリしてほっぺにちゅーをする。その後気絶したらしく、部屋で寝ている。


「タカ様、ただいま戻りました!」


 必ず帰ってくると勢いよく抱きついてくる。ひ弱な拙者だが、この世の至宝で萌えの女神であるフェリチータたんを落とす選択肢はないので、耐える。


 しかし、ほっぺにちゅーをするため気がついたら部屋で寝ている。

※シーザ君が運搬してくれたらしい。


「タカ様、隣………いいですか?」


「え?は、はい。ドーゾ??」


 あの、距離が近くないかな?エド君とシーザ君は何故慈愛に満ちた表情なの??注意しないの??気になるんだけど!


「タカ様、あーん」


 よくわからないが、かいがいしく食事介助をされる。自分で食べれると言うとフェリチータたんがショボンとするため、できない。






「どう考えても、おかしい」


 しかし、態度が変わったのは指輪を渡した翌日から。拙者が寝ている間に何かあったのだろうか。エド君とシーザ君に聞いてみた。


「「知らないっす」」


 次に、アイリス殿に聞こうとして、気がついた。







 アイリス殿、指輪の意味知ってるじゃん!!







 冷や汗がどっと噴き出した。いや、うん。まだ『そう』と決まったわけではない。アイリス殿はデリカシーがある女性だから、他人の恋心を勝手に明かしたりはしないに違いないと信じたい。

 アイリス殿と大切な話があるからとゴルダ殿には席をはずしていただいた。少し渋ったが、結局はオッケーしてくれた。


「え?聞かれたから教えたわよ。タカさんもやるじゃない!」

「んのおおおおおおおお!!」


 拙者の恋心は秘められていなかった。第三者から説明されていた。つ、つまり………つまり………?いや、まだセーフかもしれない。


「な、なんて説明したんでござるか?」


「え?普通にフェリチータから、指輪をもらった。お互い薬指に嵌めたけど何か意味があるのかって聞かれて……普通左の薬指に嵌めるのは恋人か婚約者か既婚者だって言ったけど………なんかまずかった?」

「おぎゃああああああああああああああ!!」


 アウトおおおお!!完璧な説明でござったああああああ!!完全に取り乱した拙者は、アイリス殿に状況を説明した。




「………んんん、でもさあ、それ酷くない?フェリチータはコクったんでしょ?それなのに、自己完結して自己満足って酷くない?あたしだったら嫌だな。いつか離ればなれになるリスクなんて、別離以外で死ぬ場合もあるじゃん?せめて、ちゃんと相談してあげなよ。フェリチータがタカさんと恋人になったら不幸になるとか、勝手に決めつけないでよ。幸せも不幸も、タカさんじゃなくフェリチータが決めることだよ。フェリチータの幸せは、フェリチータにしかわかんないよ!二人で決めた道なら、あたしも応援するし………タカさんなら二つの世界を行き来できるモノを作れるんじゃない?」


「あ…………」


 目からウロコがドバドバ落ちていた。結局拙者は言い訳をして、逃げていたんだ。アイリス殿の言う通り、酷い。とても取り返しがつかないぐらい酷いことをするところだった。異世界とか関係なく、別離する可能性があるのだ。


「そうで、ござるな。ありがとう、アイリス殿。今夜のデザートは期待してくだされ」


「マジ!?クレープ食べたい!」


「承知した」




 フェリチータたんに夕食後、話があると呼び出した。そして、キチンと事の顛末を話して謝罪した。


「………つまり、タカ様は私に応えるおつもりではなかったのですね?」


「うう……ゆ、指輪を渡した時点では、そうでござる」


「でも、この指輪はそういう………タカ様の想いなのですね?」


「は、はい」


「私を娶ってはいただけないのですね?」


「現時点では、不確定要素が多すぎる。ただ、アイリス殿に言われたのでござる。フェリチータ殿の幸せも不幸も、決めるのはフェリチータ殿でござる。拙者が勝手に決めつけないでくれと。フェリチータ殿が望むなら………拙者はできる限り叶えたい」


「………………」


 フェリチータたんは何かを考えているようだった。


「正直、私は事故物件です。タカ様の薬で傷痕は消えましたが、また傷痕が残る怪我をするでしょう」


 反論しようとしたが、最後まで聞いてほしいと言われた。


「忠誠は、姫様に。この身体も、姫様の盾です。唯一差し上げられるのは………この心だけ。それでも私を………貴方の伴侶に選んでいただけますか?」


「その心を得られるのなら………いや、その心こそが欲しい」


 気がついたら、フェリチータたんに抱きつかれていた。


「ならば、私を………タカ様の」

「ちょっと待って。タカ=レイターは偽名でござる。フェリチータたんの心の対価に、真名を預ける。拙者の真名は、小田郡貴文。こちら風に言うと、貴文=小田郡でござるな。どうか、二人きりの時に呼んでほしい。この世界では、幼馴染みのポーン殿しか呼んでくれぬでござる」


「たかふみ、様?」


「そう。貴文。様はいらぬよ」


「たかふみ…………さん」


 ごめんなさい、そろそろ拙者の何かが弾けて飛び散りそうです。とどめを刺さないでいただきたいの


「わ、私もフェリチータ殿ではなく………フェル………と」


「フェル……殿?」


「いえ。フェル、とお呼びください」


 いや、あの、うん。ハードル高い。そんな期待した瞳をされては………言うしかない。


「フェル………」


「はい、貴文さん。大好きです」


 勢いよくキスをされ、拙者の何かが弾けて飛び散りました。そうです、気絶です。人は可愛さで人を殺せると思います。フェリチータたんの可愛さは凶器です。拙者はいつかきっと、フェリチータたんの可愛さと萌えで死にます。

 うちの恋人が可愛すぎて辛いです。


 追伸・またシーザ君が運搬してくれたらしいです。クレープサービスしました。

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