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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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色々やってみた

 よく考えてみたら、シーザ殿の教会だけでなく他の教会も襲撃の危険がある。ハナタカ=ダッカーのまま転移できる範囲にある教会はすべて補修し、ついでに拙者オリジナルの『ヤられたら五倍返し』という魔法陣を刻んでおいた。バカは滅ぶがよいでござる。


「ご主人様」


「はい」


「またやらかしましたね?」


「いや、してないでござる。拙者、ナニも悪さはしてないでござる!」


「でしょうね。カルマ値が七十五になりましたよ。そろそろ人類かが怪しくなってきました」


「ななじゅうご………!?」


 何故上がった!?そうホイホイ上がらないんじゃなかったっけ!?


「神の家を守ったよね」

「流石は私達が守護を命じられた聖男だよね」

「だから神に感謝されたよね」


 天使達が口々に囁く。


「ふはははははははははは」


『きゃああああああああああ!?』


 そして、アイリス殿により追い払われた。天使を泣かさなくても……うるさかったからいいけど。


「それから、派手に邪神の力を削いだからじゃない?」


「ああ、なるほど」


 それはあるかも。でも、神様達は拙者を肯定していいの?自分達だって歪まされる危険性があるのにね。


 シーザ殿は教会に泊まってもらい、拙者達は宿に戻る。あの軽快なディスピーをディスる歌がどこかから聞こえてくる。あと、ハナタカ=ダッカー(笑)

 何が流行るかわからんでござるなあ。夢でパルス殿にマナシを発つと伝えた。




 翌朝、宿で朝食を摂ってからシーザ殿と合流。あれ?背後にめっっちゃ人がいるよ?


「タカ!また来いよ!」

「タカ、また呑もうぜ!」

「またな!」

「タカさああああん!私、ラウビウのぬいぐるみをマナシで流行らせますから!」

「最後にモフモフさせて!」


 たくさんの人が見送りに来てくれていた。シルヴァさんやグレイさん、冒険者の人達やギルドの職員が声をかけてくれた。アカネさんやノア君は絶対にまた来てねと泣いていた。


「うふふ、タカ様………最低限の躾はいたしましたわ。それから、コレを」


 奴隷商館の店主殿から封筒を渡された。


「紹介状ですわ。タカ様の………あら?隷属が外れたのに側にいるのね。うふふ、そこの元奴隷娘のご主人様が売られる闇オークションの紹介状………うふふふ。また、お会いしましょうね。約束ですわよ、タカ様」


「!??」


 フェリチータたんが真っ青になった。フェリチータたんのお姫様は、既に捕まっているらしい。


「それから、こちらは闇オークションの招待状です。また、必要なものをリストにいたしました」


「かたじけない」


「俺が預かります。出先で揃うもの、優先して作ってもらうモノを考えますから」


 素直にエド君へリストを渡した。お願いします。さて、奴隷二人は……?


「「ご主人様、申し訳ありませんでした。今後は誠心誠意お仕えさせていただきます」」


 ふーん、二人同時に頭を下げた。なんとか表面だけは奴隷らしくなったようでござるなぁ。奴隷契約をその場で行い、代金を支払った。まだ躾が完璧ではないからとかなり格安だった。


「よかった!間に合ったわね!!これ、アタシ達から、餞別よ!」

「……本当に、感謝してもしきれない。何かあれば力になろう」


 二人のギルドマスターが駆けつけてくれた。


「かたじけない。何かあれば、遠慮なくお願いします。マカロン殿、この包みは?」


 かなり重たい。マカロン殿はにっこり笑って中身を説明してくれた。稀少な薬草や素材を詰めこみまくったそうだ。後で中身を確認しよう。ありがたや~。


「では、いつかまた!」


 拙者達は大勢の人に見送られ、マナシを出発した。









「……………ハァハァ」


「……………ハァハァ、ハァハァ」


 そして、すぐ体力が尽きたオタクと元王子。オタクはね、いくら痩せて筋肉がついてもオタクだから貧弱なんですよ。でも、元王子はどうなのよ。体力無さすぎ。強化したオタクと同レベルって微妙でしょ。


「きゅ、休憩………」


「予定の半分もいってないですが、仕方ないですね。少し早いですが、昼食にしましょう」


 エド君はテキパキと指示を出し、拙者がぐったりしている間に準備をしてくれた。皆それぞれ水を汲みに行ったり、狩りに行ったので拙者と元王子、ラビルビだけが残った。

 拙者はラビルビを枕にしてウトウトしていたが、チリッとした感覚があった。ラビルビも警戒している。


「………………」


 元王子が近づいてくる。これが殺気という奴なのでござるな。元王子が何かを振り上げたところで、激しい音がした。


「貴様、ご主人様に何をしている?」


「かはっ………」


 どうやらエド君が元王子を蹴り飛ばしたらしい。


「役立たずなだけでなく、ご主人様を害そうとするとはいい度胸だ」


 エド君がガチギレしていらっしゃる。いや、フェリチータたんやユージェニスたん、シーザ殿……全員だね。


「貴様、王子になんという事を!」


「もう王子じゃねぇだろ。いい加減そのクソの役にも立たねぇプライドを捨てろよ!そのせいで損してるだろ!お前もお前だ!こいつが元王子だって知れて良いことなんざ、現段階で一つもない!せいぜい売るときにプレミアがつくぐらいだ。少しは頭を使えや、クソ共が!!」


 辛辣だが、正論だねぇ。エド君の意見に、拙者も同感。


「まあ、予想通りでござるなぁ。フェリチータ」


「…………はい」


「拙者も無理。彼らは信用できない」


「…………はい」


 フェリチータたんの願いはできるだけ叶えてやりたいが、この二人は拙者だけでなくフェリチータたんも危険にさらす可能性がある。


「こ、殺す気か!?」


「いや、奴隷から解放して放逐する」


 ため息を吐きながら説明してやった。


「拙者はわけあって奴隷を買っていたが、奴隷を奴隷として扱うつもりはなかった。君達もちゃんと仕事をしてくれるなら、衣食住を保証して……国を取り返す手伝いもするつもりだったよ」


 二人の奴隷契約を破棄した。


「だが、流石に拙者の命を狙う相手を庇護してやろうとも思えない。まあ、無一文で放り出すのは酷だから、武器と当面の生活費ぐらいは渡すよ。フェリチータ、いいね?」


「…………はい、充分です。ありがとうございます」


 呆然とする二人にどうにか確認して、扱える武器を聞き出して渡した。


「な、何故そこまでする!?我らがのたれ死のうが、お前には関係ないだろう!!」


「フェリチータが望んだから。関係ないだろうけど、見殺しにするのは精神衛生上よくないってのもある。じゃあ、元気でね」


「ま、待て!」


 歩き出そうとしたら、元王子に呼び止められた。


「お前の名前は?」


「タカ=レイター。そちらは名乗らなくていい。興味がないからね」


 今度こそ、ふり返らずに歩きだす。


「タカ=レイター!いつか、絶対に私の名を聞いておけばよかったって後悔させてやるからな!!」


 流石は刺し違えてでも拙者を倒そうとした王子様。苦笑しながら、返事だけはした。


「楽しみにしているよ!」


 願わくば、この先……ずっと未来で成長した彼らに会えますように。小さく祈り、先へ進んだ。

今回、ちょっとシリアス先輩がでばってた上に駆け足でしたね。


ようやく旅立ちました(笑)


いい加減放置してたアレも回収しないとね。

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