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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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探されてみた

 昨日は、なんだか素敵な夢を見た気がする。フェリチータたんが隷属から解放されたら、性格もモフリル様そっくりで可愛かったなぁ………。いつものフェリチータたんも素直で可愛いけど、やっぱりモフリル様の真面目でドジな性格が萌えなんだよ。


「皆、おはよう」


「おはようみう~」

『みうう~』

「わふ(うむ、おはよう)」

「わん!」


 可愛いモフモフ達に挨拶とナデモフをして、身なりを整えて自分の客室を出た。出てすぐの位置で、女神が眠っていた。とりあえず拝む拙者。ありがたや~。


 いやいや、違うね。うん。


「フェリチータ殿、こんなところで眠ったらダメでござるよ」


「ん………申し訳ありません!ご主人様の警護をしていたのですが……」


 そんなことしなくていい、と言おうとしたのでござるが………。


「あの痴女がしつこくご主人様に夜這いをかけようと画策しておりまして、ほぼ一晩戦っておりました」


「ありがとう。今夜からは結界で誰も入れないようにするでござるよ」


「ええ、そうなさった方がよろしいかと思います」


 そんなやりとりをしていたら、寝起きらしいエド君がスゴい顔をしていた。イケメン台無しよ、エド君。


「お前、フェリチータじゃないな!?」


 気持ちはわかるが、エド君たら地味にひどい。


「エド、私は思考を制限されていたのです」


 二人の会話を耳にしつつ、拙者は己の視界の隅で猛アピールするアイコンが気になっていた。


【弓の勇者・フェリチータとの契約が可能になりました】


 やっぱりフェリチータたんは弓の勇者だったのでござるなぁ。なんとなーくわかってた。フェリチータたん、弓の技術がおかしいもん。


【弓の勇者との絆値が規定値を越えています。契約(エンゲージ)することで、複合スキルが使えます】


 契約……どうしよう。エド君と契約したときは、まったく猶予がなかった。少しでもエド君の力になるならと考えずに契約した。


【弓の勇者は、契約をしています。契約スキル『弓の勇者の弦なき弓に羽抜け鳥』が可能になります。承認しますか?】


 なにそれ。きーにーなーるー。でも、軽々しく契約はできないなぁ。


「ところで、ご主人様の荷物はなんですか?」


 おお、よくぞ聞いてくれたでござるな!拙者はエド君に自慢のテントについて語った。そうしたら、怒られた。解せぬ。いいじゃん、高性能なのは悪くないと思うの。




 今日の拙者は、薬作りと縫い物をひたすらやることにした。エド君とフェリチータたんは鍛練、ユージェニス殿はお買い物。


 ラウビウ達と作業していたら、冒険者ギルドのマスターが血相を変えて飛び込んできた。


「今すぐ町を出た方がいい!王城で動きがあった!『タカ=レイターを手厚く保護せよ。見つけたものには多額の報酬を出す。地位も金も惜しまない』と連絡があった!」


「……………ふむ」


 タカ=レイターを名乗っているので、まずいやも知れぬな。しかし、今ごろになって何故?何があった??


「冒険者ギルドのカードは氏名変更ができますかな?」


「へ?あ、ああ……できるが……お前の情報は秘匿されている。たとえ一国の王であっても開示には国家予算並みの金がかかる」


 つまり、実質不可能である、と。この町は城に近い。知り合いが来たらアウトでござるな。いや……激痩せしたから大丈夫?まあ、念のために離れるべきだろう。


「ギルドマスター殿、お世話になりました」


「ああ。今なら………アイアの町がいいだろう。あそこへ新たに着任したギルドマスターは、ちいとクセがあるんだが……不正を嫌うカタブツだ。紹介状を書いてやる」


「ありがとうございました」


「……いや、こっちが礼を言いたいぐらいだ。また何かあれば、マナシへ来い」


 そんな会話をして、ギルドマスターは退室した。そっかぁ。まだ宿を改造したり、たくさんやりたいことがあったけど……行かなきゃ。フェリチータたんのお姫様も助けなきゃいけないし、やることが山積みだ。


「………うん」


 この町でやる、最後の大仕事を決めた。すでに用意はできている。実行する時期が、大幅に早まっただけだ。退室したギルドマスターに、話を持ちかけたら呆れた顔をされたものの、好きにしていいといわれた。マカロン殿はノリノリで協力を申し出てくれた。拙者の計画に賛成らしい。


 エド君は呆れながらも好きにしていい、と言ってくれた。フェリチータたんはビックリして、ユージェニス殿は『流石マイダーリン』と抱きつこうとした。なので、エド君とフェリチータたんから叩かれた。とにかく、計画決行でござるよ!!

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