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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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難しいお使いしてみた

エド君視点になります。時間も少し戻ります。

 愚姉と商人ギルドへ行き、さっきも会ったマカロン(笑)氏に面会を求めた。タカ=レイターの使者だと言えばあっさり通され、マカロン(笑)氏にがっかりされた。ご主人様じゃなくて悪かったな。


「こちらに目を通してください」


「ええ………こ、これは………!?」


 マカロン(笑)氏が完全に男になった。雰囲気がガラリと変わり、瞳もギラギラしている。


「以前にも申し上げましたが、俺達にこだわりはありません。ただ、何度か取引をした結果、貴殿が信用できると思いました。いい返事を期待しています」

「呑むわ」


 めっちゃ返事が早かった。だが、当然だな。俺が同じ立場なら、即決する。莫大な利益が間違いなく出る。


「では、話し合いをしましょうか」





 うちの姉はビッチでどうしようもないが、頭はいい。こういった場で補佐につかせるとよくわかる。足りない部分を補ってくれる。ご主人様の事を諦めてくれるなら、ついてきてもいいんだがな。ご主人様と兄弟になるのは悪くないが、友人のように調教されてしまうのは避けたい。いや、させない。無理。絶対無理。

 幸いなことに、ご主人様はフェリチータを好きみたいだから、真剣に応援する。しかも、男なら大概がグラッとくる姉に食いつかず恋人以外とはしないと身持ちが固い。男色でもない。理想の主だ。ご主人様自身も尻も俺が守ると決めた。

 真面目な話をしつつ、そんなどうでもいい事を考えていた。


「霊薬や特級を安くする理由は?」


「敵が霊薬や特級を売りさばいているのは間違いないですからね。格安になったら、あちらは大打撃でしょうね。しかも、ハナタカ印の瓶は時間停止魔法付与。むしろ瓶の価値が高い。だから、瓶を返却させることで中身を安く売る事ができる。瓶のおかげで劣化しないから、大量にストックできる。さらに、ご主人様でなくとも大量生産が可能になるスキルの取得方法と製法を教えます」


「こっちが乗るのは決定だ。理由も納得した。仲介料も口止め込みだな?適正な額だ。なんの文句もない。しかし、こんなにポンポン次から次へとアイディアが出るってスゲーな。あいつの頭はどうなってんだ?」


 フカフカした生き物達に囲まれて、幸せそうにヘラヘラしているご主人様を思い出す。うん、あっちが素だよな。


「やらざるをえないからやってるだけで、本人はフカフカした生き物とフェリチータが居れば幸せですよ……多分ね」


 今回、莫大な利益が間違いなく出るのに、ほとんどを放棄しようとしている。必要としていないからだろうなぁ。


「ああ、なんだかわかる気がするな」


「ですわねぇ……じゅるり」


 舌なめずりをするビッチ姉。お前だけはなにがあろうとおすすめしない。


「………………お前もタカを狙ってんのか。……じゃあ俺も」

「狙うな。大体、アンタ冒険者ギルドのギルマスが好きなんだろ」


「いやああああああん!もお!デリカシーが無さすぎですわ、愚弟!!」


 咄嗟に受け身をとったが、愚姉の蹴りは威力がある。最悪、骨が折れてたかもな。


「お前にデリカシーがどうのとか、言われたくないわ!空気は読めない、見た目だけ!料理下手でワガママ!!おまけに凶暴ときたもんだ!お前に比べたら、フェリチータの方が万倍ましだね!!」


「キイイイイ!!なんですってぇ!?」


 ご主人様(と尻)は俺が守る!そう再び決意した。ちなみに、エキサイトした愚姉は盾スキルを応用して拘束した。謝罪するまで放置してやる。




「え、えーと………あ、そうだ。こないだの、アイアンアント素材の代金支払わなきゃね!」


「ああ。そうですね」


 代理で受領しても問題ないだろう。空気を変えようとギルマスが話しかけてきた。


「オークションでもんのすごーくバカ売れなんだけど、まだ全部は売ってないのよ」


「まだ売れてない分は商人ギルドの口座に入れておいてください」


 金貨もジャラジャラ重いし、白金貨や大金貨は大きな都市でないと換金できない。なら、どうするか。ギルドに預けるのだ。ギルドカードは身分証であり、財布なのだ。ちなみに冒険者ギルドと商人ギルドは提携しているので、冒険者ギルドカードがあればどちらにも預け入れが可能だ。


「ラウビウ」


「にゃ」


 ご主人様のギルドカードを出してもらい、商人ギルド登録もしてもらった。今後商人ギルドのネットワークを使うなら必要だろう。


「どうせなら、何か買っていかない?」


「では、魔力伝導率が高い素材を中心に見せてください」


 金属ならオリハルコン、ミスリル、ヒヒイロカネ。黒鋼は魔力伝導率は良くないが、強度が高いので購入。使い物にならなくなったガラスも大量に買った。

 糸は魔力伝導率が良いものといえば、やはり魔物素材だろう。そこで、ふと狩りまくってしまいっぱなしの蜘蛛を思い出した。高級食材なんだけど、絶対食べないってご主人様が泣いたから、アイアの町で蜘蛛鍋作って俺達だけで食べたっけ。海老とか蟹みたいな味なんだよな。


「そういや、高級食材を狩ってきたんですが、買いますか?ラウビウ、出せ」


 丁度倉庫だからと一体出してやった。アイアンアントには劣るが、外殻は防具素材になる。無駄なく使える人気素材だ。


「これは………ダークウィドゥ?いえ!ダークネスウィドゥ!!Aランクの魔物よ!?」


「うげ」


 マジか。そりゃ、Bランクが束になっても敵わないはずだわ。そもそも敵戦力を見誤っていたわけか。


「しかも、傷一つない。どうやってこんな……」


 うちのご主人様が異世界知識で駆除しました。説明は受けたんだが……正直よくわからんかった。ええと……蜘蛛は鼻的な部分に水が入らないよう油がガードしてるけど、それを溶かして溺れさせたんだっけか?うろ覚えなんでうまく説明できる気がしない。


「まあ、企業秘密よね」


 幸いできる商人であるギルマスは、詮索せずに蜘蛛の半分と卵を買い取った。流石に他人に産み付けられてた卵は俺も食べたくない。知らぬが花だ。卵はすでに茹でたから、孵化しない。蜘蛛は凍らせて長期保存も可能だから、人気の食材なのだ。もう半分は冒険者ギルドに売ろう。あ、討伐部位………まぁいいや。ご主人様はランクに興味ないだろう。あまり上がりすぎて指名が来ても面倒だ。


「………そっすね」


 適当に相槌を売って布・皮と糸を買いまくった。金に糸目をつけず、上質・丈夫・魔力伝導率がいい物を大量に。蜘蛛の金もあるし、今後またご主人様が使うだろう。かなりお高い上質な裁縫セットもいくつか買った。今の奴は使いにくかろう。ラウビウ達も使うからな。


「か、買うわね……」


 豪快な買いっぷりに、ギルマスと姉がドン引きしていた。愚姉も落ち着いたので解放してやった。なんかブツブツ言ってるけど、無視。


「必要物資ですから」


 これから、何があるかわからない。ご主人様から許可はもらっているので、問題ない。むしろ買い占めてもいいと言われている。


「あ、食材も買います」


「「まだ買うの!??」」


「もう少しでこの町を出ますし、ここが一番品揃えがいいでしょ?ここで買うのが効率的ですよ」


 多分虫魔物は嫌がるから………あと、ラウビウも避けよう。精肉されてたらわかんないかもだけど、きっと泣く。それからスパイスをたくさん買っておいた。


「山篭もりでもする気なの!?」


「なんか……うちのご主人様は変なトラブルに巻き込まれるので買える時に買いだめしておくべきかと。それに、これだけ買うんだから、当然割引かオマケしてくれますよね?」


「しっかりしてるわねー」


「それが俺の仕事ですから。あ、薬草買い占めます」


「「まだ買うの!?」」


 冒険者ギルドは今俺達のせいで忙しいから、保険については商人ギルドから説明してもらうことになった。ご主人様の所に戻ったら、フェリチータに汗を拭いてもらってデレデレしていた………のはまぁいい。

 山積みにされた霊薬や特級回復薬を見て呟いた。


「あんた、本当に人間ですか?」


「エド君酷い!!」


 天使かなんだったとしても、驚かないどころか納得できる気がする。買ったものを報告したら、目をキラキラさせながらお礼を言われた。うちのご主人様、本当にいい主だよなあ。仕事にやりがいがあるんだよ。


 でも買ったもので何か作らせると夕飯が食えなくなる気がしたので、やめさせた。

 それはそれって奴だな。

タカ、人外疑惑www

エド君も貴文の扱いに慣れてきたようです。ちょっとやそっとじゃ驚かなくなる……かも?

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