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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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皆に協力要請してみた

 エド君はさらにギルドマスターへ拙者の復讐計画について説明してくれた。ギルドマスターは呆れながらも協力を約束してくれた。煮え湯を飲まされたのだから、当然の報復なんだそうだ。


「しかし、よくもまあ……そんな事を思いつくもんだ」


「誉め言葉だと思っておくでござるよ。ギルドマスター、情報が欲しい。最近、教会の襲撃事件が増えているのでは?」


「!??何故、それを?」


「拙者が真の魔王だったら、そうするからでござるよ」


「どういう事だ?」


「真の魔王は神に近い……または神に属する存在だと仮定する。邪魔になりそうな神の力を削ぐにはどうしたらいいか。神とは信仰があってこそ神となる。ならば、信仰のシンボルを破壊し、信仰する者を消せばいい」


 エド君とギルドマスターがドン引きしていた。逆に、ユージェニス殿は納得したようだ。


「確かに、かなり有効な手段ですわ」


「さらに、この世界の教会は孤児院を併設している場合が多いと聞いたでござる。壊れた孤児院を直し、当面の生活費を寄付する代わりに改宗を求められたら……善良な神父様はどうするでござろうな」


「罰あたりな……だが、否定できねえ。似た手口で改宗させられた話を聞いたことがある。さらに、獣人の国であるモフルンダ国で大規模な改宗と宗教弾圧があると聞いている。こちらも手を打つ必要があるな」


 まあ、なんでもかんでも拙者ができるわけじゃないから、その辺りは冒険者ギルドに丸投げしよう。


「とりあえず、その改宗した神様の絵姿と名前が欲しいでござる」


「わかった。確か……これだ。こちらもこの教団が怪しいと調べていたところだ。やはり『真の魔王の剣』と繋がっていたか」


 某ボスキャラ様みたいな絵姿には、ディスピシャーロと書かれていた。名前も惜しいね。デスピサ□様に似てるわ。なんとなくだけど。六本の立派な角、左右口角には牙、立派な尻尾。目は三つだった。腹にも顔がある。毛はなく、どこか昆虫やトカゲを思わせるフォルムに悪魔のような翼。


「できた!」


 角と牙を追加。ハゲさせて腹には腹踊りが出来そうな顔。見る人が見れば原型がわかるだろうね。それからエド君、ギルドマスターと布教する内容について話し合った。



 クッソ弱いおっさんなんだぜ(あいつの名前はなんだっけ?)

 ハゲチビデブで臭いんだぜ(うんうん知ってる。ディスピなんっか)

 真の魔王って最悪なんだぜ(うんうん知ってる。モテないよね)

 勇者にいつも負けちゃうんだぜ(うんうん知ってる。勝てないんだよね。むしろ勇者が強すぎる)


 さあ、皆で歌おうぜ!


 ディスピーなんて怖くない。怖くないったら怖くない。

 (真の)魔王のくせにクソ弱い。クソ弱いったらクソ弱い。

 ディスピーなんて滅んじゃえ。滅んじゃえったら滅んじゃえ。

 ディスピーなんかブッ飛ばせ!ブッ飛ばせ!ブッ飛ばせ!!

 イエエエエエエエエ!!(最後はサンシャin池崎さんのノリでお願いします)


「無駄にいい声で歌いましたが……歌にすると覚えやすいですね。最後のイエエエエエエエエは要るんですか?」


「うむ。さらに、この紙に呪いを刻むでござるよ。ディスピーの力をじわじわ削いでやるでござる。イエエエエエエエエは必須でござる。魂のシャウトなのでござるよ。出所がわからぬよう、タイミングは冒険者ギルドに任せるでござるが一斉に開始するようにしてくだされ」


「わかった」


「それから、秘密裏に各教会へ通達を。神も馬鹿じゃないから、なんらかの対策をするでござろう」


 念のため、真魔王(笑)が勇者ポーンと勇者エルシィにぼろ負けるバージョンも作っておいた。


「はあ……面倒だが、俺達が奴等に反撃するいい機会だ。やれるだけの事はやるさ」


 ギルドマスターはそう約束すると部屋から出ていった。拙者はこの絵を量産しなくてはならない。思案していたら、ヘロヘロのソーネ君が戻ってきた。


【マスター、酷いです】


「ソーネ君、いいところに!これカラーコピーできないでござるか?」


肯定(ポジティブ)。可能です。マスター、酷いです】


「じゃ、カラーコピーよろしく」


了解(ラジャー)。マスター、酷いです。ワタクシの扱いが酷いです】


「両面コピーはできるでござるかな?」


肯定(ポジティブ)。可能です。マスター、酷いで……す?ま、まさかこのような方法で………に対抗するとは。マスター、ワタクシがマスターを選んだのは正しかったようです。早急に任務(ミッション)を遂行します。ただ、魔術の模倣は不可能です】


「それは大丈夫。カラーコピーだけ頼むでござるよ」


【マスターは何故このような裏技を思いつくのでしょうか】


「ラノベが好きだったからと、戦いたくないから戦わなくて済むやり方を探すからでは?昔の軍師は、戦いに勝つだけが戦略ではなく、戦う前から勝負は始まっている。戦わずして勝つが上策であると言っていたでござる」


肯定(ポジティブ)。確かに、戦わずして勝てるならば、それは至上の策と言えましょう。マスターは、戦わずして勝つおつもりで?】


「まあ、可能なら。神に抗うなら、正攻法で行くのは下策にござる。人間の最大の武器は、知恵。だてにオタクはやってないでござるよ」


 ふふふ、怒り狂うディスピー(笑)が目に浮かぶでござる。拙者はせっせとカラーコピーに術式を施してギルドマスターに渡した。早すぎると驚愕された。試しにやったら、一気に術がかけられたんだもん。まだまだ仕事があるでござる。

 ぐふふ、オタクの報復は、時にタチが悪いという事を思い知らせてやるでござる!

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