表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/169

なんとかしてみた

前話の貴文視点になります。

 騎士はでかい。そして重そうだ。象よりでかいかな?そんな大きさなのに、素早く力も強い。ていうか、生身でこんなデカブツに勝てるはずがない。銃を得て、ちょっと調子こいてました。無理よ、あんなのに勝てないアルよ。


「総員、退避~!!」


 かくなる上は、戦略的撤退でござるよ。エド君の装備に細工をして、多少耐えていただこうかと考えていた自分を殴りたい。生身の人間がアレと戦うのは無理でござるよ!

 とにかく逃げながら対処を考えるしかない!ハッキング自体は成功したので、建物の構造と罠の位置を把握する。時間稼ぎにと、落とし穴を発動。うまく落ちた。


「ソーネ君!敵の活動限界時間は!?」


【マスターに残念なお知らせです。あの騎士はレーザー系を所持していない前衛タイプです】


「………………つまり?」


【つまり、長く活動できます。少なくとも……あと一時間】


「長あああい!!」


 本当に残念なお知らせでござるわああああああ!!


「ご主人様、俺の奴隷契約を解除してください」

「あ、アタクシもお願いしますわ」


 ラウビウ達と並走しても息を乱さぬ二人。何か考えあってのことでござろう。


「悪しき呪いを破棄せよ!【解呪(ディスペル)!!】」


【盾の勇者・エドアルドと契約が可能になりました】

【風の勇者・ユージェニスと契約が可能になりました】


 いや、ユージェニスさんてどなた?契約ってなに??


【盾の勇者との絆値が規定値を越えています。契約(エンゲージ)することで、複合スキルが使えます】


 契約??盾の勇者って……エド君??


【盾の勇者、契約をしました。契約スキル『盾の勇者のたて直し』が可能になります。承認しますか?】


 声と共に、騎士が出てきた。飛べるのござるか!?とりあえず、承認しておいた。スキルがエド君の助けになるかもしれないし。それにしても、某ラノベタイトルみたいなスキルでござるな。


「エド、どうにか時間を稼ぎなさい!アタクシに考えがあるわ!!」


 恐らくエド君の姉君であるモフユニ様は賢者の石に仕込んだ術式を使うつもりでござろう。動力はモフユニ様の命と魔力………ひらめいた!!


「エド君、ここでは足場が崩れる危険があるでござる!拙者達についてくるでござるよ!!」



 ラウビウ達に頑張ってもらいたどり着いた先は、騎士の格納庫。ここが一番造りがしっかりしている。邪魔な作業員らしき男達を拘束してもらい、拙者はひたすら騎士を収納していく。


「アイテムボックスうううう!!」


 ガンガン騎士を吸い上げ、スペースを作っていく。作業員と警備員を縛り上げたところで、騎士が来た。あんなのとエド君達を戦わせるのは申し訳ないが、これ以外には思いつかなかった。モフユニ様も作戦に賛成してくれた。二人の命が、拙者の指にかかっている。必死に集中していたら、腹とか股間を揉まれていた。悲鳴をあげようとしたら、エド君が魔力回復薬(瓶ごと)を投げてくれた。助かったでござるよ!


 エド君達は予想外に善戦していた。奴隷になっていたせいでステータスに何か影響があったのかもしれない。とはいえ、少しは助力すべきだ。幸い、武器もある。


「エド君、退避!!」


「わ」


 エド君が拙者の声に反応して跳んだ瞬間、騎士に大量の騎士をぶつけてやった。さらに、移動の邪魔になっている。作戦成功!頭とアイテムボックスは使いようでござるな!


「下等な人間どもがああああああ!!」


 騎士はともかく中の人間にはそれなりの衝撃だったらしく、キレてしまった。必死に指を動かす。間に合え、間に合え!!

 手持ちの賢者の石に『同調』と『書き換え』を刻み、騎士に接続させる。モフユニ様はその補助をしてくれている。あと少し……焦るな!!エド君とフェリチータたんが命懸けで稼いでいる時間を、一秒たりとも無駄にするな!!


「ぐっう………!」


 ついにエド君が攻撃を受けて倒れた。


「ははははははは!死ねぇ!!」


「うあっ!」


 騎士の容赦ない攻撃で、壁に叩きつけられたエド君。ギリギリで結界が間に合ったから、生きている。


高等治癒(ハイヒール)!エド君、フェリチータたん、逃げて!アイテムボックスうううう!!」


 騎士をぶつけて時間を稼く。間に合え、間に合え!!フェリチータたんは逃げてくれない。このままじゃ、フェリチータたんが殺される!集中しろ!本当にあと少しなんだ!!


【条件が満たされました。盾の勇者のたて直しが使用可能になりました。補助しますか?】


 はい??どっかのラノベタイトルみたいなスキルでござる。よくわからぬスキルだが、もうそれに賭けるしかない。迷うことなく補助すると選択した。少し魔力が吸われる感覚があった。


 エド君も逃げてくれなかった。ボロボロの盾をもって、真っ直ぐこちらに駆けてきた。


「スキル『盾の勇者のたて直し!!』」


 エド君が叫ぶと、障害物と化した騎士一体を盾が呑みこみ……一回り大きくなった。エド君の盾は能力が上がったのか、先程より楽に攻撃をさばいている。たてなおし……盾直し!?ダジャレかよ!


「何故だ!?何故倒れない!?まさか、騎士の能力まで得たのか!??な、ならば……消耗が早いから使いたくなかったが……くらええええ!!」


「うああああああああああ!!」


 これならしばらくどうにかなると思ったが、敵がレーザー的な攻撃をしかけてきた。


「飛び道具は……レーザーは無いって言わなかったでござるか!?」


【……敵も馬鹿ではないので温存していたようですね】


 節制、コノヤロウ。あとで、絶対卵を割ってやる。プリンにしてやると心に決めつつ、ひたすらキーボードを叩き続ける。


「……なんて美しい……無駄のない魔法ですの………」


 もはやウットリくねくねしているモフユニ様に返事をする余裕もない。エド君に念のため余剰魔力を吸出して結晶化するアクセサリーを持たせておいて良かった。即死さえしなければ、ダメージは盾が癒してくれる。


「効かねぇよ」


 強がりだろうが、エド君は笑っていた。ナニソレ、超カッコいいんですけど!!

 さて、プログラム構築完了!起動!!最後の仕上げに、エンターキーを押した。


「ば、化け物が!お前から倒して…………動かない!?おい、動け、動けよおおお!!」


 拙者は賢者の石と魔力の主であるモフユニ様を媒介にして動力である賢者の石に接続し、元からモフユニ様が刻んでいた自爆の魔法を全て『強制供給停止』に書き換えたのだ。動力が無ければ、騎士はたたの頑丈なガラクタだ。ちなみに自爆をそのまま起動してしまうと、町はおろかこの国がぶっ飛んでしまいます。モフユニ様、怖い。自爆テロとかよくない。


「………機械は『説得』が楽でいい……きゃああ!?乳を揉むのはダンメエエ!!」


 カッコよすぎたエド君に対抗すべく、某白書の薔薇が似合うイケメンの名台詞をパクろうとして失敗した。まさか、推定Bカップを揉まれる日が来るとは思いませんでした。お婿にいけません。


「はぁはぁ………うふふ、よいではありませんの………でゅふふふふ」

「いいわけあるか、この痴女姉が!」


 エド君がハァハァしていたモフユニ様を止めてくれた。ありがとう、エド君。エド君は拙者の貞操の大恩人でござるよ。うっかり新たな扉を開きそうだったでござる………。


「ごしゅじん、さま。しょうどく、うわがき、する」


「へ?」


 フェリチータたんが、拙者をペロペロしていらっしゃるうぅ!?


「ん………いいにおい……」


 ちょ、エロ可愛い!しかも、力が抜けて抵抗できないぃぃ!??く、くすぐったい!!フェリチータたんを突き飛ばすわけにはいかないってか、密着しすぎ!!どうしたらいいの!?


「エド君、ヘルプ!」


「あ、すんません。痴女姉だけで手一杯っす。こいつ、隙を見て魔法使いやがるんすよ。フェリチータは自力で頑張ってください」


「い、いやああああああああん!!」


 手一杯と言いつつ、エド君は下半身を脱がされる手前で助けてくれました。地味に首とか胸とか少し歯形とキスマークをつけられたよ……ヒリヒリするよ……。しかも少し…だいぶ……かなり気持ち良かったとか、救われないよ。拙者、どMだったの?痛いの嫌いなのに………ヤバい扉を開けちゃったの??


「うう…………お婿に行けない……」


「フェル、せきにん、とる。ごしゅじん、さま、こづくり、する?」


 首を傾げてナニ言ってるの!?くっそ可愛いんですけど!!え?ナニナニ?お婿にもらうって??拙者もらわれちゃうの??いやいや、流されたらあかん!!


「自分大事に!作らないからあああああああ!!」


 頬を赤らめたフェリチータたんに、うっかり少し頷きそうになったのは秘密でござる。異世界には、肉食女子しか居ないのでござろうか。というか、うちのフェリチータたんが何を考えているのかわかりません。誰か教えてください。


 とりあえず、騎士の中身はここのトップでした。全員浄化してやり、拘束してからラッキーと合流した。敵をひきつけるってか、全滅させていた。殺さなかったから、ほめろと尻尾を振っていた。可愛かったので全力で褒めて撫でた。ふかモフに癒された。ラウビウ達とフェリチータたんにもねだられたが、エド君じいじ達の援護!とエド君に叱られた。忘れていたとは言えなかった。

 それからエド君じいじ達を助けに……行ったはずなんだ。エド君じいじ達は時間稼ぎどころか、結界から弾かれた残党を狩っていたよ。予想していたより、ずっとアグレッシブなじいじだったよ。いい笑顔だったよ。


 追伸・モフユニ様は絶対オススメしないからやめとけとエド君に言われました。弟にそこまで言わせるモフユニ様はなんなんでござろうか。気になるけど本当にあった怖い話をされそうで、聞きたくないでござる。

盾の勇者はね……いいダジャレが浮かばなかったんすよ、と言い訳しておきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「槍の勇者は殺リまくる」「タテの勇者が横倒し」「勇者と魔王が漫才コンビ「器用貧乏」結成」とか考えてみました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ