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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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奪還してみた

 さて、戦いの前に、皆の状態を万全にせねばならないでござる。


「怪我人はあらかじめ申し出てくだされ!!」


「…………そういうお前はナニをしてんだ?」


「え?料理でござるが」


 腹が減っては戦はできぬ!簡単に食べられるよう、スープとパンという簡易的な食事ではあるが、ないよりはマシでござろう。


「………その大量の食材はどっから出した?」


「拙者、アイテムボックスの魔法持ちでござるゆえ。作戦を話ながら食事にするでござるよ。戦には万全の状態で挑むべきでござろう?」


「………そうだな」


 皆に作戦を説明をしようとしたが、なんて説明しよう。ハッキングってなんと言えば通じるんだろう。

 作戦は前回同様拙者が遺跡にハッキングして一網打尽にする予定だったのでござるが、ここで大幅な計画変更をする羽目になった。


【マスター、ご命令を】


「ソーネ君?」


【敵が動き出しました。こちらに向かっています】


「………ふむ」


 できれば不意打ちをしたかったのだが、仕方ない。皆慌てて食べだした。あっという間に料理はなくなる。


「計画を変更する。ここで敵を迎え撃つ囮班と、敵内部に侵入する潜入班に分かれる!!」


 エド君じいじとレジスタンスの皆さんに囮をお願いした。拙者の能力はあんまり見せたくないし、どうやら相手も斥候らしく、さほど出撃していない。さらに非戦闘員の安全確保をするため、拙者は町で結界を張ってから潜入することにした。人質に取られると困るからね。


「時間がない!作戦開始!!」


 特に皆異議はなかったらしく、それぞれが走り出した。拙者の機動力は低いので、ラビルビに乗っているから拙者だけ走ってないけど。


(ゴッド)聖域(サンクチュアリ)!!」


 町全体にかけようとしたら、謎の声からアナウンスが流れた。


【悪しき者が多数いる区画では、使用できません】


 その区画を避けて発動した。人質を取らせないことが目的なので、特に問題はない。時間経過と共に、間違いなくこちらが不利になる。施設内にも人質は居るのだ。


「このまま、基地に突撃する!」


「「はい!」」


 とはいえ、真正面から突破すれば拙者らが数で負ける可能性がある。ラッキーに基地入り口で暴れていただき、侵入する事にした。ドラゴン様は耐久力に優れているので人間が百人いようと敵ではないそうだ。


「エド君、フェリチータ殿、拙者はこれよりこの基地を掌握する。その作業に集中するゆえ、護衛は任せた」


「はい!」

「まか、された!」


「ラビルビ。すまぬが、万が一の時は頼むでござるよ」


「まかせるみう!」


 ラビルビに生きた縄で自分をくくりつけ、Wi-Fiを起動して接続する。どうやらこちらには、多少プログラミングを理解できる輩がいるようだ。とはいえ、現代の複雑なセキュリティソフトとは比べるべくもない。難なく突破した瞬間、頭に声が響いた。


「!??」


【我の邪魔をするのは、誰だ!?】


 体温が一気に下がり、心臓が早鐘を打つ。怖い。圧倒的な恐怖感に襲われた。


「拙者は誰の邪魔もしていない!邪魔なモノを排除しているだけでござる!【清浄化(クリーニング)!!】」


 どうにか気力を振り絞り、叫んだ。ほとんど反射的に清浄化を使ったが、それがよかったのか声はしなくなった。


【流石です、マスター】


 何がよ。何か知っていたなら教えなさいよ。そう言いたいが、ガチガチと歯を鳴らすばかりで声がでない。怖かった。本当に怖かったのだ。


「ごしゅじん、さま。よしよし。フェル、いる。だいじょうぶ」

「ボクもいるみう!」


 温かいフェリチータたんとラビルビ、ラウビウ達のおかげで、身体の震えがおさまってきた。


「フェリチータは俺を援護しろよ!」


「むう。仕方ない」


 フェリチータたんの魔力矢が一斉に敵を攻撃した。いくら敵が来ようと、この二人の敵ではないようだ。


「き、貴様ら!これを見ろ!!」


「姉貴!?」


 あれがエド君のお姉さん…敵に捕まった美女………視界にそれを認識して、拙者の思考は停止した。




 気高くも美しき、白き妖精。清純を好む存在。




「モフユニ様ああああああああ!!!」




 魔法少女モフモフモフルンのお色気枠、モフユニコーンこと、モフユニ様。そのボンキュッバーンなナイスバディに、セクシー泣きぼくろがチャームポイント。ユニコーンなので額には角がある。その生き写しが、眼前にいらっしゃった。ああああありがたやあああああああ!!

 いきなり拝みだした拙者に、呆れたご様子のエド君。首を傾げるフェリチータたん。


「また発作が……」

「ライバル、しゅつげん?」


「貴様ああああ!!モフユニ様を放すのだああああああ!!」


 オタクは、普段非力で無害でのんびりと生きる存在である。しかし、萌えのためならば驚異の身体能力を発揮することがある。

 熱き夏の宴で鍛えられた脚力は驚異の敏捷性を見せた。そう、目当ての同人誌(おたから)を手に入れるため、オタクは走るのだ。その時、オタクは正に神速の走りを見せる!


【マスター、加勢します。モード【物理攻撃補助】兵装選択【巨人(ギガント)剛腕(ハードアーム)】さらに【武装最適化】を実施】


 そして、モフユニ様を不当に拘束した不届きものは拙者にブッ飛ばされた。


「ぎゃあああああああああああ!?」


「モフユニ様!お怪我は!?」


「…………ありませんわ。アタクシを助けに来てくださいましたの?素敵なお方……お名前は?好きな女性のタイプは?この出会いは運命だと思いませんこと?」

「弟の目の前で、うちのご主人様を口説くなよ!この初物フェチが!!ご主人様が穢れるわ!!」

「けいかいけいほー!けいかいけいほー!ごしゅじん、さま、あげない!!」

「じゃあくみう!ごしゅじんさまがたべられるみう!!」


 よくわからないが、エド君、フェリチータたん、ラビルビがモフユニ様を引き離した。まあ、目立った怪我はないみたいだし……いいかな?いやいや、衰弱してる。


「………神よ、この者に神の慈悲を。高等治癒(ハイヒール)!!」


 離れていたので、クラスチェンジして新たに覚えた治癒魔法をかけた。さらに清浄化をかけ、とりあえずフェリチータたんの着替えを着せた。ボロボロワンピでは見えたらイヤンな部分が見えそうだからだ。しかし……。


「隠した方が卑猥とはこれいかに……」


「…………はれんち…………」


「俺のも着ておけ」


 フェリチータたんの着替えでは、胸とお尻が足りなかったらしく、ムッチムチでさらに強調してしまうという結果に。ある程度補正が入るはずが、フェリチータたん専用にしたせいで、補正が効かなくなっていた。なんという罠。

 しかもこう……隠しておいてほしい突起もくっきりで、目の毒です。エド君、ナイス判断。ナイスジェントル。拙者のは横に広いから、無理なのよ。


「んふふ………気になる?ちょっとなら見ても」

「だめ」

「今非常時なんだよ!空気を読めや、このビッチ姉!!」


「なんですって!?この貧弱弟!!」


 長くなりそうな兄弟喧嘩は、轟音により強制終了した。


「うわあ………」


 昔見たアニメの、パイロットが乗る奴。リアルロボットじゃなくて………リューナ□ト!あれだ!

 そんな騎士が、こちらを向いた。こっち生身よ!メカは反則だと思うの!!どうしろってのよ!!

動揺しすぎてオネエ言葉になっちゃう貴文でした(笑)



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[一言] 走らず!順番に!並んで!くだされ!
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