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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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拙者の武器を作ってみた

 拙者の仮説が正しいのか検証するために、ミスリルで簡易魔法銃を作ってみた。そう、銃。ガンアクションが大得意だった拙者。魔法銃は問題なく作動した。試しにオリハルコンで簡易の的を作って、最低威力で撃ってみたが、武器に弾かれることもなかった。

 しかし、問題点も見つかった。ミスリルだと拙者の魔力を活かしきれず、無駄が多い。これなら普通に魔法を使うのと変わらない。複数の属性を使いたいから、浄化の聖銀はダメ。そもそも、フェリチータたんの弓で使いきってしまった。


「なんだ、オマエ。まだやってんのか」


 ドワーフのおじさんがいいタイミングで来てくれた。


「はい。高額でもかまわないので、ミスリルより魔力伝導率が高い金属はありませんか?」


「……ミスリルよりってぇと……とんでもなく高ぇぞ」


「構わぬでござるよ。できたら属性に偏りがない素材がいいでござる」


「あるにはある、が……まぁ、待っとれ」


 ドワーフのおじさんは不思議な金属を二つ持ってきた。白い方はオパールのような感じだが、金属だとわかる。黒い方はラブラドライトのように光が当たると違う色の光を反射する。金色の光が見えた。


「これは、どちらもイノセントという金属だ。精霊が眠る金属とも呼ばれている。この二つはその中でもレア中のレアで、無属性だった。売るかどうか以前の問題がある。加工しようとしてみろ」


「?」


 金属はどちらもぐにゃぐにゃと形を変えた。ふむ、ミスリルよりも拙者の魔力によく馴染む。これは買いでござるな。


「うおお……」


「?」


 おじさんから絞り出すような『うおお』いただきました。やれって言っといて、変なおじさんでござるな。


「おいくらでござるか?」


「ひ、一つ二千万リルだ。払えなきゃ別の「はい」


 四千万リルを出したら、おじさんが固まった。


「ちゃんとあるか確認していただけますかな?」


「お…………おう。確かに、ある」


「では、こちらは買ったってことで」


 早速加工して………おじさんが出ていかない。


「ええと……」


「オマエが何を作るのか、見てみてぇ」


 出ていかない理由は納得した。


「『誓約・ここで見聞きした事は他言無用。再現不可』」


「こりゃまた慎重だな。いいぜ『契約成立』」


 イノセントは他と混ぜることが出来ないらしく、外側に強度のある素材をつけることにした。引き金や握りの部位にイノセントを格子状にめぐらせ、魔力が伝わりやすくする。さらに内部のイノセントにしこたま魔法陣を刻む。どちらも片手銃とした。

 ただし、黒い方は物理特化。弾丸はその都度作るか、アイテムボックスから補給される。その形状はマシンピストルに酷似しており、連射も可能だ。白い方は魔法特化。魔法を打ち出す。魔法はシリンダーを回転させて切り替え。魔力を瞬時に圧縮するため、以前より発動スピード・威力ともに飛躍的に上昇する。シリンダーをつける必要があったので、こちらはリボルバーに似た形状となっている。

 黒い方は武骨に、白い方は優美に。装飾にも凝ってみた。普段は両ひとさし指の指輪になる。指輪の状態だと、魔力増幅と指向性の補助がつく。本当に拙者の魔力によく馴染む。指輪の違和感もない。


「こりゃすげぇ……見たことがない武器だ。こんなに緻密で繊細で強力な武器は初めて見た。あんた、何者だ?まさか、クレバーの一族か?」


「捨てられた異世界人でござるな」


「……は?」


 簡単に身の上を語ると、ドワーフのおじさんは城に対して怒っていた。おじさんもやや拙者と似た状況となり、ここにたどり着いたそうな。

 簡単に言うと、鍛冶師として招かれたがクソ姫が汚らわしいドワーフを城に入れるなんてとか暴言を吐いたので、短気な仲間がキレてしまった。流石に客として招いたものを処刑するわけにはいかず、彼らは追放処分となったわけだ。なんとか腕を買われて商人ギルドで仕事しているが、帰るための旅費を稼ぐには数年がかりになるとのこと。


「ドワーフは皆大酒飲みだからなぁ。金が貯まらないんだわ」


「……では、これを」


 お金をそっと渡した。一千万あれば遠くても帰れるでござるよね?


「………は?」


「拙者は帰りたくとも帰れぬ。せめて貴殿だけでも……帰したいでござる。ただの自己満足でござる。いつか貴殿の国に来たら、おごってくだされ」


「い、いいのか?俺は嘘ついてるかもしれねぇぞ?」


「自己満足ゆえ、騙されたなら拙者が悪いんでござる」


「オマエ、名前は?」


「タカ=レイターでござる」


「俺はドンコだ!礼を言う!」


 ドンコさんは走り去った。さて、銃の試し撃ちをしよう。銃に黒陽(こくよう)月白(げっぱく)と名をつけた。その瞬間、銃は輝いて……にゃんこになった。


「「にゃ~ん」」


 モフモフでござる。フカフカでござる。綺麗で可愛いでござる。


「やっと出れたにゃ~」

「久しぶりのシャバだにゃ~」


 にゃんこが喋った!流石は異世界でござる!


「ど、どちら様でござるかな?」


「オイラは黒陽にゃ」

「アチシは月白にゃ」


「ですよね!!」


 二匹?によれば、イノセントの中で眠っていたが、精霊さんであるらしい。なんのかは内緒と言われた。


「これからよろしくにゃ~」

「お願いするのにゃ~」


 とても賑やかになりそうです。間違いなくエド君に説教される気がするでござるよ。とりあえず、エド君の前では指輪か銃でいるよう伝えてみた。あっさり了承してくれた。


 これで(多分)大丈夫!

確実に叱られルートを爆進する貴文なのであった。


別小説ですが、悪なりで重大発表があります。詳しくは活動報告をご覧ください。CMでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 黒猫と白猫…某美少女戦士の月に由来した名前のにゃんこを思い出すか、風の魔○機神の操者のファミリアを思い出すか、人によって別れそうですねww
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