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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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ド派手に引きこもってみた

 とりあえず周囲を確認したんだけどさ。入り口、1つしかない洞窟でした。袋小路ですね〜。逃げ道とか隠し通路なんてないだろうな。天然の洞窟だし。


 お家に帰りたい。久しぶりに引きこもりたい。


 いやまあ、こっちに引き込もれる部屋とか家とか無いけどさ……。


【条件を達成しました。オタク固有スキル『オタクの城』が使用可能になりました】


「んえ??」


 オタクの城……すなわち自室?それは確かにオタクっぽいな。ええと……スキル使用条件は………資材をいれるとランクアップとな?そういえば丁度いいモノあったよね。

 安藤くんを泣かせつつ引っ剥がした外壁とか……あ、この洞窟も使えたりしない?あらイケるのね。


 作成中に人魚が来ないように結界魔法。あ、水抜いちゃえ。それで空気を循環するような機構を組んで……。

 






 気がついたら立派なリアル城。和風の立派なお城だわぁ。立派な天守閣もあるの!







 いや、おかしいな?オタクの城ってこう……もっとささやかなコレクションルーム的なやつちゃうの??


【これはまた随分とまあご立派な城ですね?】


 作ってる途中で曽根くん達の前マスターが造ったであろう遺跡とか思い出しちゃったのが敗因です。あの遺跡さぁ、とあるバラエティ番組とゲームを彷彿とさせるのよね……。拙者もいつか造りてぇとか思ってはいたのよ今じゃないけどな!いつか!!


「何よ、コレ!」


 人魚たちが気がついたらしい。あ、卵は大丈夫そう。排水時にちゃんと流れたみたい。さて、これからどうしたもんか。


【とりあえず看板作りましょ、看板。風雲ハナタカ城とかどうです?目立ちますしきっとすぐ見つけてくれますよ】


「………ええ……まあ、それはそうかな」


 日本語で書いておけばアイリス殿がすぐ気づいてくれるだろう。エドくんに叱られるルートが確定したので、拙者楽しんじゃおうかな!捕まるわけにはいかないですしおすし!


【タカ様、こちらを使いますと入り口にアナウンスできますよ〜】


「そうなの?ふふふふふふふ!!今こそ!私の出番ですな!」






※一方その頃。貴文を拐った人魚たちは困惑していた。ソレもそのはず、洞窟が消えて見たこともない建造物がいきなり現れたのだ。そりゃあ驚くだろう。そして、巨大な男が現れた。皆さんお待ちかねの紳士である。いや、人魚さん達は知らんけど。


『ごきげんよう、人魚の皆様!私は紳士ジェントルハナタカ=ダッカー!君達に拐われた哀れな友人ミスター・タカを助けに来た者である!とはいえ、君達も苦労してさらってきた婿をみすみす奪われたくはないだろう。だから、私とゲームをしようじゃないか!』


 ハナタカ=ダッカーは語る。タカを取り戻したくばこの城の罠をくぐり抜け、自分のいるコントロールルームまで来てみせろと。見事クリアしたなら、タカを返してやろうと言った。


 人魚達は人の姿になり挑戦しようとしたのだが。


 常に深海で過ごしほぼ陸地に上がったことのない人魚達に、風雲ハナタカ城の難度は高すぎた。そもそも最近の貴文はフェルをはじめ人間離れした身体能力を持つ仲間たちに囲まれていたので、初期ステージから難易度は低ランク冒険者が挑んだとしてもウルトラハードモードだったのだ。

 幸いなことに貴文は相手を傷つける意図はなかったので今のところ怪我人すらでていないのが唯一の救い。




「誰もファーストステージすらクリアできない……ですって?!」


 あれから1時間ほど経過したが、ファーストステージのクリア者は出なかった。


【人魚達はそもそも陸慣れしてませんからね…】


「う〜ん、でもせっかく造ったのを修正するのもなぁ……。ここにフェルが居たらきっと華麗にクリアしてくれたのに……まあ、想定していた時間稼ぎにはなるからいいかな……」


 叱られるカウントダウンは間違いないが、せっかくなのでこのトラップ踏破してくれないかな〜。拙者はそんなことを考えつつ、ファイナルステージの準備に勤しむ。

 いや、違うのよ。拙者遊んでるわけじゃないの。ほら、人魚達に踏破されたら困るからさ?あと、拙者こういう罠設置とか好きなのよね。


 エドくん達、早く迎えに来てくれないかな。それでステージクリアしてくれないかな……。

 とりあえず魔改造を繰り返した結果、城は天守閣が海面から出るまでになった。


 早く迎えに来てくれないかな……。フェルがこのお城を見たらなんて言うかな?エド君は怒りながら心配したって言ってくれそう。きっとシーザ君は大泣きして、アイリス殿とゴルダ殿が慰めるんだ。


「あれ……?」


 寂しい。

 いつの間にか、彼らと居るのが当たり前になって……昔は一人でも平気だったのに………今、こんなにも寂しい。


【ええと、私の鳩胸貸しますか?】

「結構です」


 早くみんなに会いたい。心配させたお詫びにおいしいものをたくさん作るよ。だから早く来て!!拙者はいつの間にか暗くなっていた空に祈った。






最後はしんみりしていましたが、貴文君は大変楽しんでおりました。囚われの姫が築城するという新しいパターンです。

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― 新着の感想 ―
谷隊長「よくぞ生き残ってきた我が精鋭達よ」、そういえば後の筋肉番付やSASUKEにつながってたり繋がらなかったりしたんでしょうか。
誰と一体会話してんの?と思ってましたが、ぽのつく使徒さんでしたか…。やっと気がついたアホな私でございます(*´Д`*) タカ様が寂しがってるので、早くみんなと合流して欲しいものです。 例の鳩胸は何人い…
プー太郎の一夜城みたいに1日で撤去されたりして。
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