さらわれてみた
※若干の下ネタあり。
※話の展開上途中で視点交代あり。
なんとか人魚を振り切り、陸地へとたどり着いた。ここから樹海を越えて………………?
視界が一気に白濁して、すごい勢いで景色が動いている。
え??
もしかしなくても………?後ろを確認したところ、人魚達がニッコリしていた。
拙者、もしかしなくてもさらわれてる〜〜〜〜?!た、助けて〜〜〜〜〜!!!慌ててもがくけど、首根っこ掴まれてるし移動速度はまったく変わらない。水底へ高速移動してる!
「助けてええええええ!!」
声は出せるしなんでか水中呼吸できてるけど!
ど、どどどどうしよおおおおおお???!もがいても全然効果ない。すごい勢いで景色が動いてる。
フェルがすごい速さの犬かきを披露してたけど、どんどん離されていく〜〜〜!!
そして連れてこられた人魚の村?町??天然の洞窟を利用した風情ある住居で、何故か卵らしきものを女の人魚達が置いていく。これをどうしろと??そして離れたところからめっちゃニヤニヤしながら見てるんだが??
「あの………」
「あ!見てたら撒けないですよね?」
まく?何を??
「ごめんなさい、人間は裸が恥ずかしいんだものね!まくなら脱がないとだし!」
人魚達はクスクス笑いながら出て行った。え、なんか嫌な感じ……。
「?????」
卵らしいもの。まく。裸…………?
そして、拙者はひらめいた。ひらめいてしまった。わかりたくなかった。何をって?魚の生殖行為!
「いや、人間は卵生じゃないから!!!!」
そもそも浮気しないし!!というか、人魚の生殖行為ってそんなのなのね!
とりあえず何の罪もない卵達はそっと海藻でくるんでおくとして……………。ツッコミしても反応がないや。孤独ぅ……。まあ、これが人魚の卵じゃない可能性も微レ存……。
いや、マジでどうしよ。
せめてまだ陸地が近ければどうにかこうにかできたけど、かなーり深くまで連れ去られてしまった。しかも水中戦はおろか、支援職の拙者単体で人魚の大群から逃げおおせるとか無理。途中で捕まるし拘束されて無理矢理……とかは避けたい。
拙者これマジで詰んでない??
曽根くん達はどう考えても水中活動できそうにないし。黒陽と月白はいるけど、魔法弾が水中でどのように作用するか予想もできない。実弾は水中じゃ無理だし。そして向こうに悪意はないのでいきなりの武力行使はしたくないし、そもそもしくじったらシャレにならん。
とりあえず人魚達はいなくなったし………………自分なりの最善を尽くすことにした。きっと皆が来てくれる!それまでなんとか耐えてみせる!!
一方その頃……貴文が目の前で拐われたは、追おうとしたが人魚の超スピードに勝てるはずもなく見失ってしまった。
※ここからエド君視点となります。
「タカ様、貴文さまぁ〜〜〜〜!!ゲホッ」
「いや犬かきで無茶すんな………よくここまで泳いだわ。いや、狼かき………?語呂が悪いな」
フェリチータは超高速犬かきを駆使してご主人様を追ったが見失ってしまった。
いや、本当にどうしよ。こういうときはいつもご主人様がとんでもないアイデアを出してくれていたが……今は自分で考えてご主人様を救い出さねばならない。
「ゴボゴボ……」
「沈むなフェリチータ!とりあえず陸に戻るぞ!」
なんとかフェリチータを抱えて陸に。陸ではシーザが泣きじゃくっていた。
「えううううう……僕が……僕が1番近くにいたのにいいいいい」
「泳げもしないのに飛び込むなってば!」
「シーザ落ち着いて!あ、エド!シーザ止めて!!泳げないのにタカさんを助けるって聞かないのよ!」
なるほど。アイリスとゴルダはシーザを止めてたのか。
「シーザ」
「エドさん……ぼ、僕……ごめんにゃさーーーーーい!!」
「うう……ぐしゅ………うわーーーーーーーん!!」
「!?」
べそべそ泣き出したシーザに反応してフェリチータまで泣きだした。勘弁してくれ………。
「えっと………どうしよっか?」
「………さすがに俺の斧も水中だと威力が半減する」
この2人はまだ冷静で助かる。
「………とりあえず、フェリチータは泣きやめ!センスイテイでご主人様のいる場所をつきとめて、後のことはそれから考えるぞ!!お前が1番ご主人様と繋がってる!勘でもなんでもいい!とにかく探すぞ!!」
「あ、あの……センスイテイ……誰が操縦するんです……?」
場が静まり返った。確かに。ご主人様任せにしていたツケが………。
「オートパイロットモードならまあイケると思う。それから、そこのタマゴ達も当然協力するわよね?」
【肯定。はい。マスター・タカの安全を守る事が最優先です】
【当たり前だ!】
とりあえず今は追いかけることに専念する!到着までに助ける方法を考えつけばいいが………。無事でいてくださいよ、ご主人様!!
姫ポジなのにさらわれるのって今回が初めてかもしれない貴文。
ちょっと疲れてしまいましたがまた少しずつ更新していきます。




