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巻き込まれ召喚されたオタク氏の異世界珍道中  作者: 明。


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アレを使ってみた

 とりあえず、乱入した騎士達は立派な鎧の騎士達が連れ去っていった。


「わらわの茶会に鼠が紛れ込んだようだな。駆除、感謝するぞ」


 フェリス様が真っ赤なドレスで現れた。うーん、威厳たっぷり!カッコいい!


「いえ、僕も妻にたかる悪い虫を蹴散らしただけですので」


 獣人には力関係が大事ってゴルダ殿とアイリス殿からレクチャーされていたし、自分がどの程度戦えるかを知っておきたかったし、気にしていない。


「うむ。流石はわらわを袖にした御仁よ」

「ひえ」


 フェリス様!その情報はいらなかったというか、フェリス様が好きなのはハナタカ=ダッカーなのでは!?


「本来ならば、タカ殿はハーレムを作るべきだが……風習とフェリチータへの愛からフェリチータだけをつがいと定めた。本当に、フェリチータは幸せ者よ」


「はい!最高の夫です!」


 穏やかに微笑むフェリス様。はっ!フェリス様はフェルに加勢している!?もしや、このお茶会はフェルの元妹一家をシメるためのものなの!?


「ほほほ、妬けてしまうのう。さて、寛大なタカ殿が許したとて、次期女王たるわらわの茶会に鼠を送り込むような不届き者は捨て置けぬな。鼠共よ、そちらを唆した愚か者は誰ぞ?素直に明かせば罪を減じてやろう」


 多分だけどそうなんだろうな。なんか、フェリス様は公爵が犯人だと確信しているらしくチラチラと見てプレッシャーをかけている。


「う……」

「あ……」


「少なくとも、ここに潜り込ませることができるということは高位貴族であろうな。さらに武装させた状態でとなれば……限られてくる。隠しだてしても良いことはないぞ?少し調べればすぐわかること。調べる手間が減るか否かの差よ」


 フェリス様って本当に女王様の才能あるわ。カリスマっていうのかな。すげーわ。拙者に言ってるわけではないのに話したくなる。


「待ってください!我々はフェリチータ隊長を助けたかっただけです!その男は奴隷になったフェリチータ隊長を買い、無理やり手ごめにしたと聞きました!」


「真っ赤な嘘です!むしろ、私の方が誘いました!私のタカ様はそんな下劣な方ではない!むしろ、私を奴隷とするのではなく解放してくれた!自ら穢されるぐらいならと酸を被り見るも無惨な姿になった私に薬を与え、食事を与え、奴隷としてではなくあくまで雇った者として扱ってくれた!そんな底抜けの善人なのですよ!」


 底抜け?いや、普通のオタクでござーるよ。まあ、最初からフェルもエド君も奴隷として扱うつもりはなかったけど。


「なんと……では、公爵様は我々に嘘を……?」


 あ、やっぱりフェルの元父が原因なのね。ふーん。そうなんだ?ここはアレの出番かしら?


「ふむ、この者は公爵に騙されたと申しておるようじゃが?」


「私はこのような下賤なものなど知りません。フェリス様の減刑という甘言に乗り、虚偽の証言をしているのでしょう」


「ほう……?嘘をついておるのはこの者らであると申すのか」


「ええ。その通りでございます」


 うわあ、平然と嘘ついてるぅ!最低!!さて、ここは拙者の出番でござるな?


「ほう……わらわはこの者らとそなたが話している所を見ておる。たまたまではあったがな。それでもしらを切る気かえ?それとも、わらわも嘘をついておると申すか?」


 おお!それが本当でも嘘でも回避不可な問答ですな!公爵詰んだ!フェリス様すごーい!!


「もしそうであったとしても、覚えておりませんな」


 おお!なかなかの回避!見ていただけで会話を聞いてはいないというところを突いてきた!敵もなかなかですな!あまり賢くはないようだが、馬鹿でもないらしい。


「減らず口を……!」


 フェリス様ったら、カードが尽きたみたいだから手伝っちゃおうかな!


「フェリス様」


「む?どうした?」


「僕の雑巾は、人の中の悪意を一時的に掃除してくれるスグレモノです。これで拭けば、誰が嘘をついているかすぐわかりますよ!」


「おお!流石はタカ殿!」


「先ずは騎士さん達をフキフキー」


「タカ殿!申し訳ありません!あまりにも不甲斐ない!」

「穴があったら入りたい!」

「こんな簡単に騙されてしまうとは……!いくらフェリチータ隊長の父上とはいえ、きちんと己で調べてから話に乗るべきでした!最悪、貴殿を殺せと言われていたのです!隊長を隷属の呪いから解放するために!!」


「………ほう?」


 あ、マズい。フェルがキレた。いやあのね、拙者そう簡単に殺されないわよ!


「フェル、落ち着いて……落ち着いて。フェリス様のお茶会を台無しにするつもり?」


「はぁ……すいません。そうですね。危うくフェリス様の顔に泥を塗るところでした。では……その雑巾を私にも貸していただけますか?」


「ハイドウゾ……」


 殺戮カーニバルは思いとどまっていただけたようだが、まだキレてらっしゃるうううう!!ビビりつつそっと雑巾を渡すと、フェルは力一杯元父である公爵に擦りつけた。頑固な汚れを落とすが如く、全力で擦りまくっている。


 そして、公爵のカツラが落ちた。


 それでもフェルは、止まりません。

 え?これ、どうなるの!?ええええええ!?

もはやある意味最終兵器な浄化する雑巾……!

結果は次回ですぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] この雑巾、効果だけ見れば神器クラスですよねえ。 でも雑巾w
[良い点] 更新をありがとうございます! [一言] 久々の浄化雑巾さんの出番!! 真っ白白なピュアへ矯正変化できるスグレモノ。 デスピーとのつながりが出てくるんですかね? 次回の更新をのんびりお待…
[一言] 落ちたヅラ拾って遠くのお山にぽーいってして来て良い?(笑) タカ謹製、浄化雑巾が唸りをあげる!ゴシゴシゴシゴシ!キュキュキュ!(←どこ拭いてんの?(笑)) さぁ盛大に吐けぇえええー!ククク…
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