決着をつけてみた
地下から地上に出た。なんだか、とても疲れたでござるよ。太陽が眩しいぜ!!それもこれもディスピーのせいでござる。あいつ、絶対泣かしてやる!!怒ったオタクは怖いんだからね!!
とりあえずラウビウとラッキーを召喚して一番近い味方陣営へ……エドくんが防衛する予定だった領地に移動した。モフルンダの王様が目覚めないからである。そのへんに置いとくわけにもいかないし、兵士たちをそのまま放置できないからね。
砦の一室をお借りして、王様はベッドで休んでいただいた。拙者も頑張って癒やしたけど、極限まで削られた生命力までは戻せない。安静と栄養が必要な状態だと判断した。
「父上……」
フェリス様は父君が心配そうだったが、きちんと今何をすべきか理解していた。
彼女は立ち上がり、砦のテラスへと出た。そこは呪いから開放された兵士達を見渡すことができる場所。フェリス様に気が付き、兵士達は手を止めてフェリス様を見上げていた。
「兵達よ、我がモフルンダは、滅亡の危機に晒されていた!敵は、邪神!!我が民達を生贄に、その力を増そうとしていたのだ!我らは奴らの策により、憎み合い、殺し合う所であった!だが、そうはならなかった!!なぜなら、ハナタカ=ダッカー氏が、奴らの策略を見抜いたからである!!」
拙者かーーーーーーーーーーーい!???
蚊帳の外だと思ってたからいきなり話を振られて超ビビるぅ!!オタクはアドリブに弱いから、話を振るなら計画的に!まだハナタカダッカー姿でよかったけどもぉぉう!!何を話したらあばばばば!!
動きがギクシャクしたのはご愛嬌。ハナタカ=ダッカーは、常に華麗で優雅でカッコよくあらねば!!脳みそをフル回転させる。うなれ、拙者の中二病!ハナタカ=ダッカー、発進!!
「プリンセスよりご紹介にあずかりました私が、ハナタカ=ダッカーでございます。諸悪の根源は、私と敵対せし邪神にございます。奴は、この国すべてを生贄にしようといたしました」
正直さー、フェリス様に比べると拙者じゃ説得力が微妙な気がするのよねぇ。まあ、やれるだけやるけどさー。フェリス様は、どういうつもりで………なんかめっちゃキラキラした瞳でこっちを見てらっしゃる。そういや、フェリス様はハナタカ=ダッカーがお好みでしたね……?だから??
まあいいや、思考を切り替え、伝えるべき事を伝えてから考えよう。
「皆様方、思考がはっきりしているとは思いませぬか?皆様方は邪神の呪いに侵されておりました。余計な事を考えず、命令を遂行するようにと。この戦いは、そもそもがおかしい。何故、貴殿らは争わねばならなかった!?貴殿らは、何のために剣を取った!?民を害するためではなかろう!今こそ、私は問おう!!貴殿らの剣は誰が為に在るのか!!愛する者が住む国を守る為ではないのか!?」
「そうじゃ……そなたらの守るべきはなんじゃ!?国か!?王族か!?否!!否じゃ!!そなたらが守るべきは、愛する者よ!!この国に住まう愛し子達よ!!そうであろう!?」
フェリス様の声に、兵士達が声をあげる。それこそが答えだろう。
「最後の敵は、モフルンダ城にあり!!さあ、最後の戦いですぞ!!」
そして、兵士達を連れてフェリス様とモフルンダ城へ。
「うわ……」
「おーほほほほほほほほほ!!」
「ふはははははははははは!!」
「わはははははははははは!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
もはや、弱いものいじめにしか見えぬ。圧倒的すぎる勇者の戦力よ。勇者の武器を取り戻した勇者達は強かった。リアルオーバーキルこあい。
ユージェニス殿の風が武器を吹き飛ばした上に服まで切り刻む。趣味も入ってませんかね!?
フェリス様の炎が武器を溶かし、服も焼く。不思議と体に傷はないので絶妙な火加減。たまに毛並みが焦げてるぐらい。
フェリチータたんの矢が、次々に兵士を痺れさせていく。すげええええ!一つの矢で複数の兵士を戦闘不能にするとか神業!!
そして、すべてを吹き飛ばすガイウス殿。手加減してえええええ!!!
「うわぁ……これまた弾けてますねぇ」
「やりすぎるなよー(棒読み)」
呆れた様子のシーザ君。とてもやる気なく暴走爆走勇者ーずを諌めるエド君。
この場をフェロモンで鎮圧できるアイリス殿はゴルダ殿とすぐ取っ組み合いをしてしまうエド君じいじとアイリス殿達のお師匠様を抑えるために留守番している。
「まあ、久々に武器が戻ったらああなりますねぇ……」
「そんなもんか?……そうだな、あの盾が戻ってきたならそうなるかもな……」
エド君は嫌そうに盾を見る。大事な盾パックンチョ事件は、エド君と勇者の盾に消えない溝を作ったようだ。盾が青くなって汁を滲み出している。いや、自業自得でござるからね?
「そんなに気に入ってくれたのは嬉しいのでござるが……拙者としてはエド君が無事ならあの盾でなくても良いかなと思うよ?拙者にとって大事なのは、盾ではなくエド君の安全でござるゆえ。盾は道具に過ぎぬよ。エド君を守るために壊れたのなら、それでいい。どんなに高価でもすごい盾でも、エド君自身の安全には代えられぬでござる」
「ぐふっ!」
「がはっ!」
「エド君!?シーザ君!?」
いきなり二人がブッ倒れたので慌てた。彼らは何でかプルプルしながら大丈夫でしゅと言っていた。いや、あんまり大丈夫じゃなくね!?
「終わりましたぁ!」
「あースッキリしましたわ!……愚弟は何をしているの?」
そんな感じでぐだぐだしているうちに、お城は無事奪還されましたとさ。
宰相は捕縛して投獄。洗脳されていた居残り組の兵士達は、オタ天使(仮名)の熱いチッスで正気に戻り、泣き叫んでいました。めでたしめでたし……??
決着がぐだぐだですが、もうこんなものかなと(笑)
エド君とシーザ君が、この後「貴文を護り隊」を作ったとか作らないとか(笑)
部下に愛される系ヒロイン、貴文です。




