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ネコは大事だが歌うたいはそうでもない  作者: ヤマノ ミィオ
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(81)地面が揺れる、ちょっと前の、オウラの話

81.地面が揺れる、ちょっと前の、オウラの話

 オウラはいつものように母親の夕飯の準備を手伝っていた。今日は少し特別なことがあったので、――サフソルムに会えて、雨も降った!――、知らず知らずに笑顔になった。ジャガイモをゆでて皮をむいて潰して、お皿を出して並べて、鍋のなかのスープをよそっていった。台所からの行き来を何度もしていたが、ふと夕暮れの窓に何かが動いているのが見えた。彼女は窓に近寄った。今日雨がどっさり降るのを見た窓と同じ場所だった。

 広い畑が延々と続いている、ずっと遠くの空に、鳥の大群みたいな何かの塊が飛んでいた。大きく広がってはまた細く長くなって、ずっと上のほうへ移動したかと思うと、また下に下ってきてあっちへ行ったり戻ったりを繰り返していた。時に、キツネがネズミを狙うように、何かの群れは上にジャンプして下へと着地した。しばらく何も見えなくなったと思ったら、また上へと舞い上がり、今度は別の方角へ行ってみては同じように上から下へと下りてきて、ここからは様子を知ることができなくなるのだった。そんなことが数回続いて、その不思議な塊がまた上から下へと移動して、それが次もまた同じように飛び上がるだろうとオウラは眺めていたが、それはなぜだかそのままになってしまった。さっきまで上へ下へと動き回っていたそれが下へ降りた後、ついにぱったりと見えなくなってしまったのだ。

 オウラはその方角をじっと見つめていた。母親が後ろからスープが冷めるよ、といった。パンの焼けた匂いが鼻をくすぐった。窓の外をそれ以上見るのは諦めて、スープのおいしい一口を食べるために椅子に座った。

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