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ネコは大事だが歌うたいはそうでもない  作者: ヤマノ ミィオ
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(21)マグナスとマリオンの話

21.マグナスとマリオンの話

 サフソルムたちの後ろ姿を長く見送っていたマリオンは少しため息をついたが、気を取り直し、上を見あげて薄くなった青い空と細く白い雲を眺めた。

 少し離れたところにマグナスがいて、彼女が行きましょうといったので二人は屋敷のなかに入った。

 端に高い塔が作られた屋敷は三階建てで、二階と三階の窓はいつからそうなっているのか、すべての鎧戸が閉められていた。マリオンは日が落ちたら一階の全ての窓と入口もしっかりと施錠するといった。

 二人はまた食堂のテーブルに座った。

 マリオンが口を開いた。「おかしな人たち」

 マグナスは小さく笑って、少しだけ肩をすくめた。

「私のこと、頑固だって聞こえたわ。私は耳がいいのよ」マリオンは続けた。「人間を二人も連れてきた。悪い人間には見えないけどきっとろくなことにはならないわ」

「悪かったよ。一度、本気で謝らなくてはとずっと思っていた」マグナスは一呼吸おいて、続けた。「おれが弟たちを結び付けなければ一族はこんなことにはならなかっただろうに」

 マリオンは黙ったままだった。

「その頃はそうするのがいちばんいいと思い込んでいた」

 彼女が口を開いた。「本当は、どこの世界に生きる者も互いに区別なく、共に生きられればいいのに。共に生きること以外選べない者どうしなら、なおさら」

 肩から少し力を抜いたマグナスは口元に小さく笑みを浮かべた。「ああ、本当に」

「あなたの話も聞かなくては。あなたの身に何が起こったのか」

「きみに話すのが恥ずかしいよ。自分で蒔いた種ということさ。当時はきみの弟たちがうまくいったと思っていたんだ。……そして十日前までは、おれと違ってきみの弟たちはうまくいってるものだと思っていた」

「どういうこと?」マリオンはそう問いかけた後で、ふと外を見た。「先に鎧戸を閉めてくるわ。私は屋敷内は慣れているけれど明るいほうがいい。あなたならなおさら。明かりをつけておいてくれるかしら」

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