ウサンクサー私立探偵事務所・ザ・バトル
今日もこの街「ニューアーク」には雨が降っていた。
「野菜を食べよ」というネオンの看板がゴースト・スト
リートを照らす。
そのストリートを小走りで駆ける者がいた。その者の
名は「イチウラ・ユカ」。その胸は鉄板である。容姿は
非常に恵まれている。彼女はボロボロのコートを着、フ
ードを被っている。
彼女はハイスクールに通う女学生だ。なぜこのような
格好をしているのであろうか。この服装をしていれば遠
くから見ると性別を判断できないく、合体を迫られる事
も少なくなるし、金目当ての犯罪者に襲われることも少
なくなるからだ。
「はあ、はあ、どこにあるんだろう…」
彼女は目指す場所があったのだ。ウサンクサー私立探
偵事務所である。彼女は超人になったばかりであり、自
分の身に何が起こったのかが分からなかったのだ。その
為そこの人なら何か知ってると思い目指していた。
「イーヒヒヒ!女学生発見!イーヒヒヒ!」
そして彼女は気づいていなかった。とある超人に尾行
されている事を。
・・・
「ああぁ。これでも見るか」
ウサンクサー私立探偵事務所の所長、「アカイロ・ヒ
トシ」はテレビで「イロイロ・ニュース」を見ていた。
『ニューアークのゴースト・ストリートでは度々、女
学生が殺害される事件が多発しております。皆さんお気
を付け下さい』
アカイロ・ヒトシの正体。それはマフィアの抗争に巻
き込まれ、妻子を失った者である。彼は封印していたは
ずの超能力が解放され、レッドマーダーとなったのだ。
そして彼は私立探偵をしている。この探偵事務所は超
人の情報を入手する為に作ったのだが、ごく稀にしか情
報は入ってこないし、自分で捜した方が早いのだ。
「すいません。ここはウサンクサー私立探偵事務所で
すか?」
「あぁ、そうだ」
事務所に入ってきたのは、ボロボロのコートを着、フ
ードをつけた少女だった。彼女がコートの下に制服を着
ている事を、アカイロは見抜いていた。
「その制服、ここら辺の野郎じゃないな」
「え、制服着てる事分かったんですか?」
「そんな事どうでもいい。要件を言え」
「えーっと、その…」
「早く言え。追い返すぞ」
彼女はアカイロの威圧感に少し恐怖を抱いていた。そ
もそもレッドマーダーことアカイロは「殺気を力にする」
というなんとも言えない能力の持ち主でもある。
きっとその能力が災いしてなんとも言えない威圧感を
出しているのだろう。それに彼は実際コワモテな顔であ
る。更に声も怖い。
「私、なんというかその…自分が操れるというか…」
「ああ、お前も超人なんだろう」
「超…人?」
「そうだ。常人の倍以上の身体能力を持ち、尚且つ超
能力がある者もいる…超人だよ」
・・・
「イーヒヒヒ!女学生!速攻合体!激しく合体!」
レッドマーダーとイチウラは気づいていなかった。事
務所の中を観察する不審者…いや超人を。彼の名はエキ
セントリック。彼の能力は感知能力であり、その能力を
利用して数十キロメートル内の女性を感知するのに使う
というとにかく変態な野郎である。
「男?男と一緒?俺の合体候補と会話している?男は
いらない!女学生!合体!イーヒヒヒ!」
その姿はまさに変人そのものだ!エキセントリックが
ウサンクサーの事務所に向かって飛び立つ!危ないぞ!
二人に変人が迫っている!
・・・
「まあ精々頑張る事だな。超人になったからにはそれ
なりの覚悟が必要だ」
「は、はい...」
その時!窓から何者かが飛び込んできた!その者は全
身黒タイツの上にボロ布を被っており、サイバーサング
ラスと右腕にガントレットをつけていた。
「誰だお前」
「イーヒヒヒ!エキセントリックです!まずアナタを
殺します。その後はそこの女学生と激しく合体!」
「ヒェ...」
「お前下がってろ。すぐ片づける」
「は...はい」
イチウラが事務所に奥に駆けて行った。レッドマーダ
ーはバトルロードの基本の構えをとる。
バトルロードとはこの世界の共通武術であり、この世界
で最も使われている武術だ。
この武術は最古の超人、エインシェントが作った。彼
は、超人が能力に頼るだけでは強くならないという理念
の元に超人たちがその身体能力を活かせる様な武術を作
ったのだ。
現在、超人たちの間では「いくら能力が強くても、バ
トルロードが強くなければ勝てない」「バトルロードを
極めた者が頂点を立つ」などという言葉が広まっており、
実際これは間違っていない。
「イヒ!?バトルロード!?俺もバトルロード使える
ぞ!ヘンタイファイツよ!イヒー!イーヒヒヒ!」
バトルロードにはいろんな流派がある。エインシェン
トがバトルロードを作った当初は数個の流派しか無かっ
たと言われているが、現在では似ているものやすでに無
くなったものを含めて数百個ほどの流派があると言われ
ている。
「ヘンタイファイツとは変な名前のバトロだな」
「イーヒヒヒ!そうだろう?俺のバトロを見よ!」
時計の針が9を指し、音が鳴ったの合図に戦いが始まっ
た!レッドマーダーの右ストレート!
「セイ!」
しかしエキセントリックは奇妙なブリッジでこれを回
避!ブリッジ姿勢から勢いをつけ、拳をレッドマーダー
にくらわせる!
「ヒェアアアア!」
「セイヤアアア!」
レッドマーダーは勢い良く後ろに下がりこれを回避。
しかし更なる追撃がレッドマーダーを襲う!だが間一髪
でこの追撃を逃れる!そして油断しているところにカウ
ンターパンチ!
「セイヤアアア!」
「グワー!?」
カウンターパンチはエキセントリックに命中!エキセ
ントリックがのけぞる。そこを見逃すサンシタではない!
レッドマーダーが更なる追撃をくらわす!
「セイヤアアア!」
「グワアアアアアアア!」
エキセントリックが壁に叩きつけられる!だがすぐに
体勢を直した!彼も変人であるがその腕は結構なものな
のだ!
「アナタヤリマスネェ...」
「セイヤアアア!」
レッドマーダーのダッシュ・ストレート!勢いをつけ
てストレートをくらわせるシンプルな技だ!
おお!だがしかしエキセントリックはガントレットか
ら電気を放ち、レッドマーダーに浴びせる!
「グワー!?」
「イーヒヒヒ!」
予想外の攻撃を受け、怯むレッドマーダー!そこにエ
キセントリックの右ストレート!レッドマーダーの腹に
命中!
「くそ」
「イーヒヒヒ!このガントレットから放たれる電気は
性感帯を刺激するだけでなく戦闘にも使えるんだよ!イ
ーヒヒヒ!」
「そろそろ終わりにしよう」
「イヒ!?」
レッドマーダーの拳に漂っていた赤いオーラが輝く!
エキセントリックはレッドマーダーの殺意が強くなって
いることを感じ取っていた!
「殺しの時間だ!」
「イーヒヒヒ...そろそろ決着だな!その後女学生と
激しく合体!電気を浴びせ、暴行し、奴隷にする!女
学生は俺のもの!イーヒヒヒ!」
「その後がくるかどうかだな」
エキセントリックはヘンタイファイツの必殺技の一つ
である「キミョーサツ」の構えをとる!一方レッドマー
ダーは歴史に消えていった筈のバトロの流派であるサツ
ガイ・ザ・ファイトの必殺技の一つ「アサッシン」の構
えをとった!
「イヒ!?アサッシン!?」
「なんだお前も知ってるのか。こんな変態野郎は知ら
ないと思ったが」
「ヘンタイファイツの歴史を調べたら失われた流派の
必殺技を見つけた!その名もアサッシン!ナンデ!?何
でアンタがそれを!?」
「ちょっと師匠に会ってな」
「イヒ!?シショウ!?」
「行くぞ!」
「イヒ!キミョーサツ!」
両者が一斉に飛び立つ!エキセントリックが奇妙な動
きで迫る!そして右腕を勢い良く突き出す!が、レッド
マーダーはそこにはいない!
「イヒ!?」
レッドマーダーはエキセントリックの後ろにいたのだ!
そして肘に殺意の力を集中させ、エキセントリックの背中
に突き刺した!
「セイ!」
「グワアアアアアア!」
そしてエキセントリックに回し蹴りをくらわし、事務所
の外に吹っ飛ばした!
「イヒイイイイ!合体したい!最後に合体したい!」
しかしエキセントリックはもう瀕死である!さらに右腕
のガントレットが暴走を始める!
「がった...」
そして見事にエキセントリックは爆発四散した。
・・・
「まあ、今日はこれまでで」
「は、はい」
レッドマーダーはイチウラと事務所で話をしていた。そ
してイチウラはレッドマーダーことアカイロとエキセント
リックの戦闘を見ていたのだ。
「また来い。俺は疲れた」
「分かりました」
「そうだ。ゴースト・ストリートは通るな。今みたいな
野郎が多分いるからな。遠回りかもしれないがアイアン・
ストリート通ってこい」
「分かりました。では、またお願いします...」
「はい、また」
イチウラはこれからが不安だった。この人から色々教え
てもらえそうだが、自分は大変な事に巻き込まれてしまっ
た気がするのだった。
・エキセントリック
ゴーストストリートで女性と合体行為をしては殺してきた
凶悪で変態な超人であるが、結構戦闘能力は高い。
感知能力で範囲数十キロメートルの女性を感知したりする。
感知能力は女性を捜すためだけに使い、戦闘時には使用しない。
実は組織に入っており、結構な位置にいたという。
右腕につけているガントレットは電気を放つ事ができ、性感
帯を刺激させたり、戦闘時に相手を怯ませたりする。