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酒と枠なしザルと男と女  作者: カサハリ職人
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方向性、おかしくない?

仕事の話を書いてみたかった、だけです。


カサハリ妄想劇場、始まり、始まり~☆

散々な飲み会から暫く経ったある日のこと。

いつものように早苗はウィルスチェックをしていた。

営業の仕事上、不正にアクセスやらハッキングやらなんちゃらなんちゃらが高頻度でくる。大抵は、言うなら9割9分9厘位は叩き落とされ、時にしつこければ突き止めて警告し、悪質であればやり返すことも暫し。潰したことも暫し。暫し。

そんなシステムに、何だか妙な引っ掛かりがあった。


・・・いつもより処理速度が遅くて、まごついてる?


持っていたコーヒーを置いて、同僚に声を掛ける。


「木嶋さん。」

「ああ。わかってるよ。今やってる。」


木嶋徳仁。営業課の若手で成績はまあまあ。目標は越えるけど、それ以上は出来ない。

彼はこの会社のシステムメンテナンスも担っているからだ。

会社の取引上、国内に留まらず、海外も多い。そのなかには大手企業も名を連ねる。その為、ライバル企業やら、あちこちから熱烈アピールを受けまくっている。

木嶋が入社する前は、システムメンテナンス企業に委託していたのだが、度々ハッキングの被害にあったり、システムのトラブルでパソコンが使えなくなったり、それの原因究明まで時間がかかり取引に支障が出たりして、ヤキモキしていた。

木嶋が入社して直ぐ、顧客情報や、取引内容が漏洩する危険にさらされた。それに気付いた木嶋が咄嗟に応戦。情報をひとつも漏らすことなく済んだ。そればかりか木嶋は相手を特定。その裏にいた"依頼主"を暴き、そのやり取りを各々のパソコンやスマートフォンの中から復元、保存、バックアップをして取り押さえた。その後警察が介入したのは言うまでもない。

このときの活躍で会社のシステムメンテナンスは彼が担っている。以来、目に見えた被害がなくなった。


「始業まで15分か。・・・杉原さん、手伝ってくれる?」


木嶋の笑顔に何やら黒いものが見え隠れしたが、見なかったことにする。

木嶋はノートパソコンを持ってさっさと早苗の隣に来た。空いてるスペースに陣取ると適当に椅子を持ってくる。


「杉原さんは俺ので火消し。そっちの2台貸してくれる?」


直ぐに席を変わると、作業を始める。

ウィルスの他にダミーのメールが大量に来ている。あと仕事のメール。それらをサクサク分けて、削って棄てて。時々ウィルスに感染して勝手にウィンドウが開いたり、消されそうになったり、転送されそうになったり、マウスが使えなくなったり、治ったと思ったらキーボードが使えなくなったり。

これらは全て、木嶋のプログラムのお陰で簡単操作で直ぐに対処できる。


・・・もぐら叩きみたい。


「あと1分頑張って。余計な情報、来ないようになるから。」


違うアドレスに流すらしい。

物凄い速さで叩かれているキーボード。

画面には目で追いかけられない速さでプログラムが流れていく。

ここで木嶋が鼻歌を歌っていることに気がついた。

早苗の方に来るメールが急になくなった。


「シロにシステムチェックさせてる。何か見つけたらそっちに来ると思う。」


シロは防御のプログラムで、ウィルスを撃退、浸入したウィルスを殲滅、壊されたプログラムの復元など、内部に関するもの。


「・・・クロが見つけた。いくつもサーバー経てるみたいだけど、まだまだだね。」


クロは攻撃のプログラムで、出所の探索、浸入、殲滅など、外部に対するものだ。

木嶋の鼻歌がかわった。


「ベートーベンですか?」

「ああ、ごめん。久々に楽しくなってつい。この間テレビで第9流れててさ。今そんな気分。」


そういえば某アニメで流れてたなぁ。と呟く。


「クロにお土産持たせた。子どもぐらいまで被害に遭うかも。即席で作ったから、攻撃性重視。こっちは解らないかも知れないけど、向こうは調べられたらヤバイだろうねぇ。」


黒い笑みが広がる。

おそらくクロに持たせたのは破壊プログラムだろう。浸入したパソコンのメール履歴を検索して、その先のパソコン、スマートフォンまで浸入、破壊する。全ての機能を破壊されるので、当然それらは使い物にならなくなる。


「調べたらうちのライバル会社のパソコンみたいだから、ホストコンピューターもダメだろうねぇ。」


今日の日替わり何かなぁ、ぐらいの気安さで話す。

早苗の方の火消しが一段落した頃、時計を見ると始業1分前だった。


「いぇーい。ギリギリセーフ。やっぱ2人でパソコン3台だと分担できて早いね。お疲れ様。」


最後に報告書書くのメンドクサイとぼやいて席に戻って行った。


度々思うが、


方向性、おかしくない?


・・・書いておいて何ですが、木嶋さんが凄すぎるだけです。物語だから出来ることです。実際は物凄く時間がかかると思います。

パソコンはよくわかりません。


この物語はフィクションです。


・・・逃げました。ごめんなさい。


ちなみに、作中に出てくるクロとシロは木嶋さん家の猫の名前です。

木嶋さんは猫派です。


読んで頂きありがとうございました。


また土曜日に。

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