起;・・・は?なんですと?
佳境でございます。
なので、『起』でございます。
これは、ワタクシの戒めでございます。
・・・酒飲まないための?
とにもかくにも、カサハリ妄想劇場、始まり、始まり~☆
空港の出発ロビーでぼんやりとしていた。
・・・は?なんですと?
ついさっきまでのやり取りが頭の中で何度も繰り返される。
あの子憎たらしい男は、いつものムカツク笑顔で、何の気なしに言ったのだ。
そう、笑顔で。
さらに、別れ際に物凄いキスをかましていった。
そのせいでへたれて、顔は赤くて、目は潤んで。また、帰り道とんでもない目に遭いそうだ。
例えば、ナンパされたり、絡まれたり、連れ込まれそうになったり、襲われそうになったり、ナンダリカンダリ。
さっきからチラチラこっち見てる男性の目が居たたまれない。というか、身の危険。本能が警鐘を鳴らしまくってる。
ここから立ち去ればいいのだ。自宅に向かうでもいい、インダスドリームに向かうでもいい。とにかく安全な所へ。
でも、動けない。
下を向き、顔を覆う。
程無くして話しかけられる。
顔をあげると、ぎょっとされる。そして、憐れみの目。
その時初めて気が付いた。
・・・泣くほどショックだったのか。
ある日のオフィス。
何やら、ピリピリした雰囲気てあった。
大きな契約があるわけではない。仕事が滞ってるわけではない。誰かが大ポカやらかしたわけではない。
そう、全く問題は起きていない筈なのだ。
「松永さん、会議の資料出来ました。そちらにプリントアウトするのでチェックお願いします。」
「はい、只今!」
「阿部さん、契約更新の資料と新規契約予定の会社の資料出来てます。プリントアウトするのでチェックお願いします。」
「はい、畏まりました‼」
主に、早苗を中心に。
いつも通り、仕事はキチキチやってる。いや、いつも以上に早い。早すぎる。
「斎藤課長、入力完了しました。チェックお願いします。」
「お?早いな。」
「前園さん、遠山産業の株価の推移と過去の取引について、今後の方針など、纏めました。」
「助かる。ありがとう。」
「備品が足りなくなったので総務に行ってきます。何かありますか?」
早苗の問いかけに各々首を振ったり、間に合ってると伝えたりする。
早苗はさっさと出ていった。
廊下を歩いていると、考えないようにしている問題がにょきにょき頭をあげる。もぐらたたきのように叩いても叩いてもそれはちょっとした隙に大きくなり頭を占める。それに引きずられるように心もどんよりと堕ちていき、動けなくなる。
俯き加減に歩いているため、何の気なしにヒールをぼんやりと見ていた。
・・・頭を真っ白に。考えるな。カンガエルナ。
総務課に備品庫の鍵を借りる。
チラリと目があった菜々美が、それまでの仕事をほったらかして目を剥くのが見える。
・・・美人はどんな顔でも絵になるって、いいなぁ。
急にあの男の影が頭の片隅に出てきそうになる。
今もっていかれたら、戻れる自信がない。
ほぼ自棄っぱちで踵を返すと、その場に置き去りにするように歩き出す。
ヒールの音がちょっと響く。無言で歩くと一人だけのような妙な気分になる。
何か変なスイッチが入ってきた。
カツカツ響かせながら黙々と歩く。正に無心。無我の境地。
雑念とオサラバ!なんて思ったら備品庫に着いた。
必要な物を持って、再び総務課に向かう。鍵を返して、そのまま営業課に向かう。
・・・コピー用紙1箱は思ったより無謀だった。
昼食でA定食を持つ手が震えて気が付いた。
「・・・早苗、あなたひどい顔してる。能面より恐い。」
「・・・あ。眉間にシワ。般若みたいよ。」
いつの間にか静流と菜々美が座っていた。
またあの男がチラつく。
ぎっと眉間のシワが濃くなる。
そろそろ鉛筆が挟めるかもしれない。
2人は聞きたいが早苗から言い出すのを待つつもりらしい。
3人は無言で食べていく。
食器の音しか聞こえない。
人が沢山いるのに不思議だ。
食べ終わって手を合わせる。
2人の目を見て告げる。
「私、フラれたの。」
2人の驚いた顔に、早苗は思わず笑ってしまう。
この2人を出し抜けるなんて、思っても見なかった。
先に、と告げ、食器を片付ける。
営業課に向かう。
食堂に残された2人はその姿を見送った。
「・・・はい?」
伏せながら書くのは、ふわふわ浮かんだ文章のようで落ち着きません。
・・・推理もの、書けませんね。
某ルパン三世の映画で、弾き飛ばされた車がガードレールの上を片輪走行で切り抜けるシーンがあるのですが、そんなギリギリで、スリリングな文章を書いてみたいものです。
え?書いたらそのまま海にダイプしそう?
いやいや、空中分解ですな。
空中分解な作者、カサハリより。
読んでいただきありがとうございました。
ではまた、土曜日に。




