僕の報告
楓は椅子に座り本を読んでいた。
本を読んでいる時の楓は話しかけても反応は返ってこない。
彼女に近づくと読んでいる本がこの世界のものだと気づいた。
僕は楓を揺さぶって話しかける。
「その本は?」
「そこを歩いていたメイドさんに文字が知りたいから、そういう本が欲しいって言ったらくれた。」
「そうなんだ、で、どう?」
「うん、問題なく読める。というより昔から知っていたかのように感じるくらい」
僕は楓から本を受け取り中を確かめる。たしかにスラスラ読める。
「多分、召喚の時に出来るようになったんじゃない」
不思議に思っていたが、楓からこんな意見が出てきた。
「だって、召喚されたけど、意思疎通出来ません、じゃ大変だろうし」
「それもそうだね」
話が一段落すると僕は楓の手を掴む。
「聞いて、僕ね魔法が使えるようになったんだ。見てて」
僕は楓の手に治療魔法をしようとした。
だけど、楓の手にアカギレなどの傷は無い。そりゃそうだ、楓の食事も洗濯も食器洗いも全て僕がやっているんだから、スキンケアも完璧、大事な部分は知らないよだってまだそういうことはしてないし
僕の手も魔法の練習の時に治してしまった。
楓の髪も綺麗に整っている。
あまり効果は無いが、見せる為に、僕は楓の髪に魔法をかけた。
淡い光が楓の髪を覆った。
「それが魔法?」
「うん」
「じゃあ、薫の手から出た光の粒が魔力なの?」
「え?粒?」
「うん、薫の手から光の粒が出て、変な形になって、光の束になって私の頭に降り注いだ。」
「ごめんよくわからない」
「多分こんな感じ」
楓は右手を上げてじっと手を見た。
「形はこんな感じだったかな」
楓の右手から淡い光が放出され僕の髪を覆った。
僕は僕の髪が今日一日分のダメージを回復しているのに気づいた。
「すごいよ楓僕と同じ魔法が使えたんだね」
「うん、薫と一緒の魔法が使えた。」
二人は喜びあった。
僕は次にフレデリカになる魔法を使うと、胸の部分をもみもみされた。少し気持ちよかったのがなんかいやだ。
楓はこの魔法は何が起きているのかわからないといって出来なかった。楓は少しがっかりしていた。
その後、僕と楓はハクレンさんと一緒に食事をして、部屋に戻りすぐに寝た。
ハクレンさんは光の粒に関しては知らないと言っていた。明日姫にお願いして、魔法に関して詳しい人に会わせてくれると約束してくれた。
今日は一日が濃かったと感じながら僕は目を閉じた。