僕の混乱
目の前には、僕の顔があった。
何度も見た顔だ。
後ろには、なんかローブをした人が沢山いる。
僕は、後ろを向いた。
しかし、誰もいない
僕は前を向いて確認する。
あれ?この鏡僕の動きについてきてない。
あれ?でもこの顔は毎日鏡で見ている僕の顔だ。
僕は手を伸ばして鏡に触れようとした。
しかしそこには隔たるものがなく直接頬に触れた。
「ひょわ!!なにをするのじゃ」
やわらかくすべすべした肌、出したことのないような高い声
その声は、鏡から発せられた。
僕は驚きその場で尻餅をついた。
「見よ、この者を、見よ」
目の前にいる僕は大はしゃぎで後ろにいる人たちに話しかけた。
最初は気づかなかったが、今更ながら服が全然違うことに気づいた。
僕は学校指定のブレザー、目の前の僕は黒いドレスを着ていた。
そして胸の部分には、僕にはないふくらみがあった。
どうして気づかなかったのか数分前の僕に聞きたい。
チラッと横を見ると楓と亮がなにが起きたかわからない目で呆けていた。
はしゃいでいた僕が周りの人達になだめられると、一度コホンと咳払いをした。
「御見苦しいところを見せてしまってすまない
妾はリスタ王国第一王女のフレデリカ・リスタじゃ
此度はいきなりそなた達を召還してしまい申し訳ない
だが、お願いする。この国を、いや人類を救ってくれ」
僕…じゃなかったフレデリカは僕たち三人に向かって頭を下げた。
周りの人達は姫の行動に度肝を抜かれてしまった。
僕たちは、わけがわからなかった。
「そうじゃのここじゃ落ち着けない詳しい話は場所を移して話そう」
そう言ってフレデリカは歩き出した。
それにつられて驚き動けなかったローブの人達はあわててフレデリカについて行った。
いまだ動けない僕を含めた三人は互いを見合った。
「あの…」
声のするほうを向くとメイドさんがいた。
少し地味ながらも落ち着いた雰囲気のメイドさんだ。
年齢は僕らより少し上ぐらいか
「ご案内します。ついて来てもらえますか?」
三人はうなづきあいメイドさんについていった。