僕のいちゃいちゃ
僕は、もう一度楓を見ると、楓は潤んだ熱い目で僕を見ていた。
しばらく互いに見合った後、楓は目をつぶった。
僕は抗えなかった。
楓の唇に僕は口を近づけた。
「ふむ、色っぽいのぉ」
僕の側にフレデリカが椅子に座っていた。
「妾も好いた男に抱かれる時はあのような顔になるのかの、まぁその前に死ぬかもしれんがの」
明るい声で恐ろしい事を言った。
フレデリカには一日半ほど会わなかっただけなのに、ずいぶん久しぶりな気がする。
僕と楓は離れてフレデリカに向かい合った。
あの後ちゃんと訓練はしたか、とフレデリカに確認された。
僕は大丈夫という意味を込めて無言で頷いた。
そして、あの後何をしていたかを話し合った。
僕は肉体変化の魔法で完璧にフレデリカと見た目を合わせる事が出来るようになったことを報告した。
フレデリカは目を輝かせて見せて欲しいと、おねだりしてきた。
僕は目の前のフレデリカを見て魔法を発動させる。
体が変わってゆく感覚がある。やり慣れたからなのか体がスムーズに変わっていく感覚がある。
妾はフレデリカと同じ体と声になった。
フレデリカは右の胸を本物かどうかもみもみした。楓は左の胸をいつものようにもみもみした。
楓が上手になってきている。気持ちいいのがいやだ。
「おお、この感触本物じゃ」
自分の胸を揉みながらフレデリカは驚いていた。
妾と同じ顔の人物が自分と他人の胸を揉みながら恍惚の表情をしているのを見るのは、とても恥ずかしかったので早々に辞めさせた。
フレデリカが落ち着いたところで妾は肉体変化の魔法を解いた。
フレデリカは寂しそうな顔をしていたが、それを無視して僕は話を続けた。
次の日つまり今日、魔法省に行き魔法についての講義を聞いたこと、そこで楓が魔法史に残るような大発見をしたかもしれないこと話した。
フレデリカは「よくやった、えらいぞ」と言いながら楓の頭を撫でた。
僕は信じられなかった。
楓が僕以外に頭を触らせるなんて
フレデリカが楓の頭を触ろうと、手を伸ばした時いきなりで動けなかった。
楓が暴れると思っていたが、楓はフレデリカのなでなでを受け入れていた。
きっと僕と顔が同じだからだと勝手に納得した。
僕はフレデリカが何をしていたのか聞いた。
フレデリカは僕と別れた後、最前線の砦に送られる兵士の訓練所に慰問したらしい。
そこには、亮もいて必死に剣を振り、槍を突き、矢を射っていたらしい。
今日は、午前は町の視察、午後は訓練所の慰問に行ったらしい。
亮は訓練二日ですでに訓練生の中で一番の強さになっていたらしい。
剣を一回振るたびに鋭さが増し、矢は百発百中どころか六人弓(弦を張るのに六人分の力を必要とする弓)を引いていたらしい。
後は前線の砦で集団戦訓練をすればいいらしい。
亮も楓もなんかずるい。
それぞれの二日間を話すと、廊下からハクレンさんがフレデリカを呼びに来ていた。
フレデリカは立ち上がり僕を見た。
「明日から前線の砦に慰問に行く。それについて来るのじゃ、それがフレデリカの最初の仕事じゃ、ではお休み」
フレデリカは楓の部屋から出て行った。
隣を見ると楓が頭を揺らしながらこくんこくんと、今にも眠りそうにしていた。
僕は楓を抱っこしてベットに寝かして部屋に戻った。
楓とは別の時にチャンスがあると自分に言い聞かせながらなんとか眠った。