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43話

「やはり……やはり貴様は『魔女』だった! あの時殺しておくべきだった! 許さん! 一度ならず二度までも! 貴様は私から仕える主を奪ったのだ!」


「…………」


「少しでも、ほんの少しでも十年前の貴様とは違うのではと思った私は、私を殺したい……! 死に値する愚行だ! 故に私は死ぬ!」


「…………」


「王族に仇為す貴様もまた――」


 いっそ、殺してくれたなら。

 士門は楽になれるだろうか。


「ここで死――が、ふ……な……あ、ぅあ?」


「……ぇ」


 またも、突然の出来事。

 マームの心臓のある辺りから――剣が這い出した。


 見れば、マームの後ろに人影が一つ。

 侵入者。


 そこまで考えたところで、しかし士門の思考は怒涛の連続に停止した。

 マームもまた、痛みと突然を前に一瞬動きが止まる。


 その隙を見逃さず、突き刺した剣を抜き、流れるように首に一閃。


 飛ぶは、マームの首。

 くるりくるりと数度回転し、ぐちゃりと音を立てて地面に落ちた。

 自然、司令塔を失い倒れ伏す胴体。


 落ちた首が浮かべていた表情は、背後の人影への呆気と士門への憤怒に彩られていた。


 その光景もまた、士門は見ることしか出来ず。


 マームが倒れたことで姿を見せた侵入者の続く言葉に、ようやく士門は動くことが叶う。


「第十皇子は仕留めた! 征け、征け! 奴らが動き始めるより前に! 殺せ殺せ殺せ! 我らの力を見せつけよ! 玉座に座り続ける皇帝を地に堕とせ!」


 マームを殺した侵入者は、手に持つ剣を高く掲げ、まるで周りにいる他の仲間に知らせるように叫んだ。


「――『反乱軍』、ここにあり!」


「あ……ぁ」


 一歩、足が前に出た。

 それに気づいた侵入者は、『反乱軍』の一人は、士門を視界に入れると、殺気を押し当て告げる。


「この城にいるのなら、貴様もまた殺害対象だ。ただ残酷に、死んでいけ」


 同時に振るわれる、一振りの剣。


 迫る凶器を前に士門は――


「――『適応』」


 『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』『適応』――


「――死ね」


 『魔女』の赤い瞳が、殺意に満ちて、開かれた。

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