プロローグ 『適応』
本作の今後の投稿について、活動報告にて説明しております。気になった方はご確認いただけますと幸いです。
本日のみ3話投稿、以降2話投稿。全71話です。
まさにここは地獄で。
「はぁ……はぁ……はぁ……!」
感じるのは疲労で。
「はっ、ぁ……あ!」
出来ることは逃亡で。
「うぅ……はっ、はっ、はっ!」
追ってきているのは絶望で。
「あぅ! ……ふ、ぁ」
望むのは生存で。
「はぁ……は、は、はぁ、はぁ」
上がったのは体の悲鳴で。
「……ぁ、はー、はー、はー」
止まった者を即座に襲うのは極寒で。
「あ、ぁあ……つい」
すぐさまそれは酷暑に。
「も……や、だぁ」
遂に迎えたのは限界で。
後ろには絶望で。
「――ぁ」
けれど、少女がふと見つけたのは一筋の希望で。
「あ……ぅ、くっ、ぁあ」
なりふり構わず少女は捕まえて。
「……はぁ、ぐ」
選んだのは捕食で。
「…………が、ぁ!」
訪れたのは激痛で。
「ふ、ぅ……あ、おええぇぇぇぇ」
余りのそれに少女が願ったのは適応で。
「おうぅ、ぶぇ……あぁ、あ……あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で適応で――
「――美味、しい?」
少女は適応を果たした。
それはただの始まり。
この瞬間を以て始まる物語のプロローグ。
けれど、間違いなく、覆しようもなく、少女はその瞬間、生を受けた。生まれた。この場所に。
アレーナと言うこの世界に。
――生まれてしまった。