23話
羊の見た目をしたカートゥーンキャラが現れる。
50年以上昔の作品のキャラみたいだ。
外見は眠たそうな目をしており、白い毛、ベルは赤色をしている。
マイクは羊に対して話す。誰の味方か探っているみたい。
「なんだお前は! バイトさんの仲間か?」
「あぁそうだ。だったらどうする?」
「なにって、お前も正す対象に決まっているだろ!」
マイクはいきなり殴りかかる。
羊のキャラは冷静だった。
相手の握り拳をつかみ、前後左右、床を叩きつけるよう投げる。
歯を食いしばるマイク、目がぎらつく。
だが、徐々にまぶたが落ちてゆく。
マイクは羊のキャラに向かって攻撃するも、逆に攻撃されてしまったのだ。
「な、なんで」
そのまま意識を失うマイク。
羊はその隙に廿月達を心配するように口を開く。
「大丈夫か?」
「ええ、なんとか。あなたは」
「私の名前は……いまのところ『スリーピィー』と名乗っておく」
羊のキャラはスリーピィーという名前だった。
キャラの言葉にハッとする悠輝。
「スリーピィー……! 確かクラシックカートゥーンの!」
「そうだ。あの有名なジャイアントマウスとリトルライオンの姉妹作品。羊のスリーピィーだ」
「ここで会えるなんて感激だぜ」
悠輝は嬉しそうにスリーピィーと握手する。廿月は彼女達を見ていた、彼はピンと来てないイラスト。
「スリーピィー? 一ノ瀬さん、それは……」
「あぁ、マイナー作品だが、カートゥーンを見ている人は知っている作品だね。よくDVDを借りて見ていたぜ」
「そうなんですね!」
理解はしたが、敵のことが気になっている廿月。
「あっ! はやくしないと次の攻撃が」
廿月は戦闘体制を整えようとするも、スリーピィーは優しく声をかける。
「大丈夫だ。しばらくは動けない。二分ぐらいしかないが」
「二分……短い。でもなんで俺たちを助けたんです?」
「理由は簡潔に話す。お前達の活動は知っている。だから恩返しとしてやったんだ」
「え? 君みたいなアニメキャラ知らないよ……」
スリーピィーは口を抑えながら微笑む。
「裏で助けられた……とでも言っておこう。こうみえて私は幻想鼠の使い手だ。この姿もスリーピィーの体を借りている」
スリーピィーの発言に、はてなマークを浮かべる二人。
「……よくわからない」
廿月は理解不能だ。
「まるで濃厚なSF小説のオーディオブックを聞いているみたいだ」
悠輝も本人なりに洒落たことを言う。
「難しいですよね」
廿月は相手に向かって口を動かした。スリーピィーは申し訳なさそうだ。
「説明が多くてすまない。つまり私自身、君たちよりも能力について熟知している。今から覚えてほしい技がある。これを使えば、あのアニメに勝てる」
「それはなんです?」
「君たちに髑髏奇譚を覚えさせたい」
スリーピィーは鋭い目で二人に話した。銀髪の彼は聞いたことない技で気になっている。
「ご、髑髏奇譚?」
「簡潔に言えば、この技はアニメキャラと能力者が入れ替わる技だ」
羊のキャラは分かりやすく説明する。
廿月は強くうなずいていた。悠輝は興味深そうに質問してみる。
「入れ替わる技か……夢があるな。でもどうして、あのくまさんに勝てるんだ」
「あぁ、あの形態はアニメキャラじゃないと攻撃を与えられないんだ」
「つまり、能力者は能力者同士、アニメキャラはアニメキャラ同士じゃないといけないのか」
「そういうこと。だけど、ただ能力を使ってもジリ貧になるだけ。だったらアニメキャラになった方が強いんじゃないかなと思わないか?」
「そうだね……。でもどうすれば」
「なに簡単だよ。アニメキャラとリンクする意識を持てば……。まぁ、そこが難しいんだけどね」
「説明は簡単だが、意識することが難しいわけか。オレちゃんたちできるかな?」
「大丈夫。私がなんとか時間稼ぐから、君たちは意識するだけでも良い」
悠輝は理解したのか、サムズアップをする。
「それは助かるな。ただ意識すれば良い?」
「あぁ、あとはそのキャラに対する愛があれば。そろそろ相手起き上がるな」
スリーピィーの話したとおり、マイクはゆっくりと起き上がる。
獲物を見つけたように目が光った。
首を切り、肉をそぐ、食う。
ひたすら、狩る、狩る、狩る……! と本能のままにマイクは考えていると察する。
「くっ、お前ら許さんからな!」
鼓膜が機能しなくなるぐらい叫ぶマイク。
「戎具奇譚。それじゃ、私が戦っている間に髑髏奇譚覚えてね」
スリーピィー、武器を持ち、前線を張り、ドンドン攻撃する。
「……はっきー。そのわざを急いで覚えよう」
「ええ、一ノ瀬さん」




