COIN―幸あれかしと願う―

　違和感があった。
自分をがんじがらめにしてくるような、そんな違和感。
その違和感に蓋をしてしまえば、どうなるのだろうか。逆に、頭を突っ込んで覗いたならば、何か変化があったのだろうか。

　主人公・桜庭悠然はバドミントンに生きるスポーツ少年。小学校の頃に出会った”あの子”との関係にずっと悩まされてきた。高校生になった今、彼は”あの子”とどう向き合うのか。また桜庭だけでなく、彼の友人たちもそれぞれの悩みを抱えている。ひとつひとつをしっかり見据えることができるか、できないか。それが彼らに引かれた境界線である。果たして彼らは乗り越えられるのか。

　一人の少年の、周囲と織りなす日常。記憶にこびりついた泥を忘れるよう努める彼に、幸せは訪れるのか。
学童期、青年期、成人期という大人になる上でのプロセスで起こりうること。
他人事ではないかもしれません。


　非常に不快と捉えられる描写があります。精神的に気持ち悪いと感じたり、重たい感情を持ってしまったりすることがあれば、読了はお勧めしません。すぐに引き返して、忘れてください。
お読みの際はどうかお気をつけて。
一切の責任は負うことができませんので、ご了承いただけると幸いです。