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プロローグ

「やっぱ人体より声帯っしょ!」


 昼休みの時間。

 今日も教室内に東雲(しののめ)さんの声が響き渡る。


 長くて綺麗な金髪。スラッと伸びた手足。耳にはピアスで爪はカラフル。多分化粧もしてる。派手な外見の彼女はこのクラスの中心人物である。


「顔なんて皮剥いだら全部一緒じゃん?」


 その猟奇的な発言は母親の口癖だそうだ。これは僕だけが知っていることではない。多分、クラス全員が知っている。


 彼女の声は、とても良く通る。

 だから嫌でも耳に入ってしまうのだ。


 素直に尊敬する。

 僕は自分のことなんて話せない。恥ずかしいからだ。


「あたし人間の本質は声帯に現れると思うんだよね」


 その言葉にこっそり頷いた。

 彼女の声は、何事も恐れない人間性を体現している。


 正直、憧れる。

 もしも願いが叶うなら僕もあんな風になりたい。


 ……友達になれたりしたら、何か変わるのかな?


 ありえない妄想に苦笑する。

 彼女との共通点は、同じ高校に通っていることだけ。それ以外は何もかも違う。友達になるどころか、卒業まで一度も会話する機会が無いかもしれない。


 ほんの少し前まで、そう思っていた。

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