vsエミール2
「クラヴィス学院で何が起きてんだ!?」
「あの黒い箱はなんだ!?今も大きくなってる、この辺りは大丈夫なんだよな!?」
「落ち着いて下さい!!誘導に従って避難して下さい」
騎士達の動きと黒い箱から感じられる不気味な魔力に学院周辺の住民達が騒ぎ始める。騎士達が避難誘導しながら学院に向かう。
「おいどうした!何故入らん!?」
「それが、結界に阻まれて侵入できません」
「なんだと…?」
クラヴィス学院に張られた結界は許可された者しか通過する事は出来ない。非常事態でもこの結界は機能し続ける。
「幸い結界の外には広がっていないようですが……」
「中の人間が危険な事に変わりはない!!中の者に連絡はつかないのか!学院長は何をしている!?」
騎士達は結界内で拡がっていく箱を歯痒い思いで見ている事しかできず、避難誘導に回らざるをえなかった。
____________________
「どうした?さっきまでの威勢が見る影も無いぞ!躱してばかりじゃ勝てないぞっ!!!」
風を纏い、剣圧を受け流しながらも躱し続けるショウ。
『斬り落とした腕もくっついたし、他のリビングアーマーと同じくこれも核を破壊しないと倒せないのか?』
ショウが斬り落とした腕部分は繋ぎ目すら残っていない。
『リビングアーマーとの違いと言うなら、取り込まれた生き物自身が核になる事かな。手っ取り早いのはエミールを殺す事だよ?』
『出来れば殺したくないな、他の方法が何か……』
躱しながらイブと話している間もエミールの力は更に強まっていく。
「負ける事はないといったが現実はどうだ?お前は俺に手も足も出ず、他の連中ももうやられてしまいそうだぞ?」
「………」
「口だけの信頼じゃ誰も勝てはしないんだよ!!」
大剣を受けてコレットの傍まで飛ばされる。ダメージは無いが、疲労は溜まる一方であり、魔力も無限ではない。
「あの硬さに攻撃力が加わると手がつけられないな。どうするか……」
「……ショウ、聞いて」
「ん?」
コレットの言葉に耳を傾けているとエミールが悠然と歩いてくる。
「なんだ相談事か?王女様の助言がどれ程役に立つことやら」
「……少なくとも、貴方に勝てるくらいには役に立つさ」
そう言ってショウは白銀の鎧を解除した。
「何?勝負を捨てたか?ハッハッハッ!これが助言だったんじゃないだろうな!」
「あの鎧は魔力消費が激しいんだ。今後の為に魔力は温存しないとならない。でも、今の貴方ならどうとでもなる」
笑い声を上げるエミールに余裕を持って言葉を返す。
「先程まででも避けてばかりだったお前が…?どうとでもなるだと……」
踏み出そうとした足の下の床を凍らせるとツルッと滑り、大きな音を立てて鎧が転ぶ。
「ほらな?」
「貴様ァァァァァァァァァァァ!!!!!」
キレたエミールががむしゃらに剣を振り回すがショウにはかすりもしない。
「さっき貴方は他もやられそうだと言っていたけれど、まだ終わっていないという事ですね。なら、まだわからないですよ?」
速度が増していく剣撃の中で尚、ショウの顔から余裕は無くならない。
「戦いは終わってみるまでわからない、あいつらはあれでしぶといですよ」
デモニックメイル
Aランクモンスター
鎧型の寄生モンスター。装着した生物の生命力を吸収し、代わりに再生と身体能力を向上していく。光以外への魔法耐性と元々の頑丈さが相まって魔法では倒せないと言われるほど魔法には強い。今回は装着者の代わりに魔道具で徴収した生命力を使っている。




