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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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それぞれの敵

「ここはあの黒い箱の中ですか」


 目の前でこの箱の説明をしていたエミールを睨みつけるコレット。


「意外と冷静ですね、王女殿下。こちらとしても騒がれるよりは有り難いですよ、話がしやすい」

「私と話す事があるのかしら?私には無いけれど」


 エミールの表情は変わらない。常に余裕の笑みを浮かべている。ただ、その目は全く笑っていない。


「私にも特に話す事はありません。1つだけ伝えておく事があるだけです。力を授かる代わりに頼まれましてね、貴方には死んでもらいますよ」


 数十体ものリビングアーマーが召喚された。その姿は以前のものと違い、禍々しく変形していた。


「貴方に私は殺せませんよ」

「あの平民はここにはいない、貴方を守る者はいないのだ!奴がここに辿り着く頃まで貴方が生きている事は……無い!!」


 リビングアーマー達が一斉に動き出し、コレットに襲いかかっていった。

____________________


「モンスター自体は弱いけど、数が多いな!それに生命力を奪うって、量はたいしたことねえけど時間かけ過ぎると不味いぜ……」


 ライガがモンスターを倒しながら次々と部屋を駆け抜けていく。


「鍵持ってる奴は何処にいるんだ?」

『片っ端から開けていくしかないのぅ。今の所人っ子一人見かけんからな』

「次の扉は……これだ!」


 入ってきた扉以外の3つの扉をランダムに開けていってると、何人もの生徒が倒れている部屋に出た。


「なっ!?おい大丈夫か!」


 話しかけても返事が無いが、気を失っているだけのようだ。


「次の相手はお前か?チビ」


 部屋の奥には大剣を持った男がいた。


「ん?お前確か……やっぱりそうだ!お前、討伐対象の一人だな!!」


 胸元から取り出した紙を見て男がそう叫ぶ。


「討伐対象?なんの事か知らねーが、これをやったのがお前なら、お前は敵なんだろうな!」

「そういうことになるな。お前らの目的である鍵の1つは俺が持ってる。ここから出たけりゃ俺を倒すんだな!」


 大剣を構える男は鍵を見せつけ、胸元に仕舞う。


「俺の名前はロダン、お前の名前は?」

「ライガだ」

「ライガ!!俺はお前を殺さなきゃならねぇ。せめて死ぬまで俺を楽しませてくれよぉ!!」

「殺されるか馬鹿!」


 ロダンの剣とライガの拳がぶつかり合う。

____________________


「フローヴァ、どこに敵がいるのかわからないのかい?」

『私に索敵能力はない。相手が私に殺意を持っているなら別だが』


 鬱陶しそうにモンスターを凍らせながら歩いていくレイが次の扉を開けると、いきなり液体が飛んでくる。


「随分な出迎えだね」


 液体を凍らせ、散らせると、部屋中に高笑いが響く。


「ヒィーヒッヒッヒッ!!私なりの歓迎なんだがね、お気に召さなかったかな?」


 高笑いの主である白衣の男の手には球体状の液体が浮かんでいた。


「生憎、出会い頭に謎の液体をかけられて喜ぶ趣味はないんだよ」


 再び飛んでくる液体を凍らせるが、飛んできた水滴が服に付着すると服が溶けた。


「これは酸か」


 見ると白衣の男の足元には何人かの生徒が転がっていた。


「美しいと思わないかね?この爛れた顔。私は酸で爛れた顔を見るのが堪らなく好きなのだ。苦しみに歪む表情が堪らない!元が美形と評される者程、自身の顔の落差に絶望してくれる」


 転がっているうちの1人を持ち上げ、見せつけてくる。その顔は見るも無惨な程に爛れていた。


「ころ……て…れ」

「ん?なんだって?」

「ころし…て……くれ……」


 泣きながら嘆願する男子生徒に、白衣の男は恍惚の表情を浮かべる。


「い〜いとも!素晴らしい表情を見せてくれたお礼に君は安らかに死なせてあげよう!」


 頭サイズの酸の球体を浮かべる男だったが、氷の棘が球体を貫き、酸の飛沫が男の顔にかかる。


「ヒィッ!!顔が、焼けっ!何をする貴様!」


 驚きのあまり男子生徒を床に落として喚く男をレイは冷めた目を向ける。


「下衆が、それの何処が美しいと言うんだ。自分の顔が焼けるのは嫌がるのに、人には嬉々として行う貴方とはとてもじゃないが分かり合えないね。貴方に美しさという物を教えてあげるよ」

「君の顔も爛れさせてやるよぉ!!」


 宙に幾つもの水球が浮かび、レイへと放たれていった。

____________________


「くっ……!!」


 現在、ロウダスは敵と戦っていた。


「どうした!?貴様の力はこの程度か!!」


 相手の姿は黄と黒と白の体毛入り混じる、力強さを思わせる姿だった。


「ワータイガー……虎人族か」


 虎人間と呼ぶべき姿の男がロウダスに飛びかかる。


擬似猛獣(アバタービースト)・猛牛!」


 突進していく牛の角を掴み、若干後ろに押し下げられた虎男が牛を持ち上げ、地面に叩きつける。


「この程度では俺は止められんぞっ!!」


 叫ぶ男の腹にロウダスの拳がめり込む。


「猿人の剛拳!!」

「ゴフッ!!!」


 壁まで吹き飛ばされた虎男が笑いながら立ち上がる。


「今のは効いたぞ!!だがこのガウル・サベールを倒すには全く足りん!!」

「……面倒な奴だ」


 突撃してくるガウルを見てそう呟くと、狼の群れを突っ込ませるロウダスだった。

(語り部)

「大剣の男、ロダンが20歳くらいの筋肉質な傭兵風の男、白衣サイコ野郎は30代前半くらいの不健康そうな痩せこけた男、虎男は年齢は不明だけど、2mを越える大男。大抵変身すると巨体化するから元はもう少し縮むと思うけど」

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