生徒会長と王女
「アタシはアニー、この学院の現生徒会長さんだよ!」
目の前に立つ少女、アニーは正面の席に腰掛けながら自己紹介してくれた。快活で、賑やかな食堂でも聞こえやすい良く通る声だった。
「生徒会長だったんですか…!一新入生の俺の事を良く覚えてましたね」
「君を忘れるなんてそう出来ないよ〜。魔力障壁と身体強化を同時に発動しながら受付しにくる子なんてそういないもの!入学前から両方使える子なんてあまりいないよ?」
「そうですか?割といる気が…」
ライガとレイの顔が思い浮かぶ。
「君の周りにはいるのかもしれないけどね。それに入学式の日の試合はアタシも見てたし、スタンピードの時も噂になってたよね?君は結構有名人なんだよ?」
自覚ないの?と聞いてくるアニー。当然自覚してる筈が無い。注目されるような事をしているつもりはショウにはなかった。だが現在も生徒会長であるアニーと話している事で注目を集めていた。
「それより、なぜ俺に声をかけたんですか?」
「あっ、そうそう!君に伝言があるんだった。今日の放課後、学院長室に来て欲しいって学院長が言ってた!」
「学院長が?なんだろう…?」
「それを伝えに来ただけなんだ!それじゃ、これからも頑張ってね?白銀の騎士様〜♪」
手を振りながら立ち去っていった。
『俺、なんか呼ばれるような事したっけ?』
『さぁ〜?』
呼ばれる理由を考えながらイブとデザートのりんごをかじっていた。
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食堂を出たショウは試合場に向かっていた。
「そこの銀髪の君、少しよろしいですか?」
後ろから呼び止められる。
(今日は良く話しかけられるな…)
振り向くと美少女が立っていた。制服では無く、高級そうなドレスを着ていて、首には水晶の様な物のついたネックレスをしている。だがそれらより…真っ黒い眼鏡が特徴的だった。
「貴方がショウ・シュヴァルツで合っていますか?」
「確かに俺の名前はショウ・シュヴァルツで合ってますが…何か用ですか、お姫様?」
「なっ!?まさか私の正体に…!?」
「正体…バレるとまずい正体があるんですか?」
「あ…いや、気づいてないならいいのです。と言っても今から名乗りますが。私の名前はコレット・フォン・アヴァンテンド、この国の第二王女です」
サングラスを外しながら名乗る目の前の少女の肩書きに少しばかり驚きを感じる。
「王女様だったんですか……」
「反応薄っ!もっと驚いてくれていいのよ!?もっとこう……なんかあるでしょ!」
「十分驚いてますよ?……あーでもさっき知った、前に会った受付のお姉さんが生徒会長だった事の方が驚きだったかもしれないです」
「自分のとこの生徒会長くらい知っといてよ!う〜ん…似たような状況が被ってしまったなんて…」
「何がしたかったんです?」
「ドッキリをしてみたかったの!ただの少女かと思ったら実は王女だったやつ!立場あってのドッキリね!」
「あとコレット様、口調変わってますよ?」
「あ、あら?……オホホホ、気のせいじゃないかしら?ずっとこんな口調でしてよ…?」
明らかに猫被りだが、そこに触れても話が進まない。
『この国のお姫様、なんだか面白そうな子だね!』
「それでコレット様、俺を呼び止めて何か用ですか?」
「そうですよ、本題がまだでした。ショウ・シュヴァルツ、貴方に私の騎士になって欲しいのです」
「……お断りします」
(語り部)
「受付やってたのはただのボランティアであって生徒会の仕事ではないよ。因みに彼女は7学年、最高学年だね。あと姫様がサングラスをしてたのは変装のつもりらしいけど、通りがかった人の大半にはバレてたらしいよ」




