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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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vsキメラ2

 時は遡る。ブラックワイバーンが倒される少し前、全属性の魔法を同時に叩き込んだにもかかわらず、土煙の中からは傷が再生していくキメラの姿があった。


「複数のモンスターを合成して属性に耐性をつけている上にすぐに再生するな。だけど…」

「今、人間の胸の部分にスライムの核のような物が見えた。あの再生力はスライムの物のようだ」


 すぐに再生したが、再生する前に胸の中に球体状の核が見えた。

 ローウェルが正面から直線に走り出す。獅子の頭の放つ衝撃波を切り裂き、噛み付こうと伸びてきた蛇の首を斬り落とす。再び聖剣の力で速度を上げたローウェルの剣からは逃げられない。


地平は光り輝く(ホライズンシャイン)!」


 光を纏った聖剣がキメラの胸部を水平に切り裂くと断面が光り、爆発する。その際に確かに核も両断されるのが見えた。だが、馬の部分から無数の触手が生え、ローウェルを襲う。

 触手がローウェルに届く前にショウの魔剣が全て斬り落とすと、地面に落ちた触手が地面を溶かした。


「油断した、助かったよ」

「無事なら構いません。それより、あれは思ったより厄介ですよ」


 目の前には失った上半身を再生させたキメラがいた。


「なっ!?どういうことだ、核は確かに斬ったぞ!!」

『核が馬の胴体の方にもあるね。どちらか片方を失っても、もう片方が再生させる。やるなら同時じゃないと』

「核が馬の部分にもあるようです。それが再生させてる。倒すには同時に破壊しないといけないみたいですよ」

「つくづく厄介だな」


 上半身を吹き飛ばされて怒ったのか、無数の触手を伸ばしながらすごい勢いで駆けてくる。


「ガァアアッ!!」


 自身の顔の前に伸ばした触手を衝撃波で散弾銃のように飛び散らす。


「燃えろ!」


 炎と風の魔剣で巨大な炎を生み出し、飛んできた触手の破片を燃やしていく。

 炎の中から飛び出してきたキメラが蟹の腕を叩きつける。地面は砕けたがその下には誰もおらず、魔剣達に脚を斬り落とされる。


「これですぐには動けないだろ」


 脚が生えるのは一瞬で終わる。だがそれでも生えるには僅かな時間がかかっている。それだけの時間があれば十分だった。


星過ぎ去りし光の轍(スターライトロード)!!」


 魔力と気、聖剣の力で強化、加速したローウェルの斬撃は正しく光のようだった。馬の胴体をバラバラに斬り刻み、その勢いのまま後ろから人間部分の胸部も切り裂く、筈だった。


「ウッ…!!」

「副団長!!」


 人間部分の背中に現れた無数の目玉がローウェルの姿を捉え、光線でローウェルの体を撃ち抜く。

 ローウェルの剣は核を斬れず、馬部分が再生される。状況の悪化は更に加速する。


 ウオォォォォォォォォォォォッ!!!


 モンスターの群れ達が全て討伐され、歓声が上がる。そこへ触手が伸びていく。


疾風迅雷(しっぷうじんらい)!」


 回り込んで冒険者達へと伸ばされた触手を斬り落としたが、触手はモンスター達の死体を呑み込んでいく。いくつかの死体を吸収し、本体の見た目が変わっていく。

 体中が岩で覆われ、蝙蝠のような形の巨大な翼が馬の胴体から生え、人間の脇腹辺りから巨人の両腕が生え、獅子の頭には双角が生えていた。体のサイズも一回り大きくなった。


『食べた物を吸収して強化されるならその内もっと怪物っぽくなりそうだねこれ』

「言ってる場合か、そうなる前にここで倒さないとだろ」


 ショウが風と雷を纏い再び駆け出す。

キメラ素材


アシッドイータースライム

B⁻モンスター

高い再生力と食べた物の性質を吸収する能力を持つ。強い酸で何でも溶かし、何でも食べる。

バイコーン

B⁺モンスター

双角の馬。ユニコーンが乙女しか乗せないのに対し、決して乙女を乗せようとしない。素早く野を駆け、角で標的を貫く。

インティミデイトレオ

B⁺モンスター

巨大なライオン。咆哮で獲物の動きを止め、捕らえる。縄張りに入った侵入者を衝撃波でバラバラにする。

イービルアイ

C⁻モンスター

空飛ぶ目玉。目から光線を放つ。キメラの目玉は飛ぶ機能を無くし視力、動体視力を上げている。

人間

どこの誰かは不明。

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