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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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誘いと自主練

「あいつ速すぎるんだけどっ!」

「結局触れなかったな」


 放課後の教室、4人で先程の授業を振り返っていた。

 結局ショウ達は時間になってもレジルに触る事は出来なかった。4人共肩で息をしているにも関わらず、レジルは一切息を切らしていなかった。


「安心しろよ、触れると思ってないから。ちゃんと評価はするぞ、触れれば最高評価にしてやるがな。まぁ頑張れ」


 そう言ってその場を立ち去っていった。


「魔法使えればもっと楽なんだがなぁ」

「普段どれだけ魔法に頼ってるかがよくわかるね」

「魔力操作の練度が違う。それに元々の身体能力も向こうの方が上だからな、上手く立ち回らないと難しいだろうな」


 帰ったら魔力操作を練習するつもりで家に帰ると鍵が開いていた。


「あれ、鍵開いてる」

「なんだ鍵閉め忘れたのか?」

「不用心だぞ」


 イブが中の様子を見てくると…


「中にロイドがいたよ」

「ロイドさんが?なんで?」

「とりあえず中入ろうぜ」


 中では酒盛りが始まっていた。


「よぉお前ら、おかえりさん!ロウダスは無事学院入れてよかったな」

「ああ」

「いや、なんで人の家に勝手に入って酒飲んでんだよ!」

「そもそも良く鍵開けられましたね」


 胸元から鍵を出して見せてくる。


「合鍵をお前の親父から渡されてるからな」

「そういえば父さん達の師匠でしたね。それで、今日は何をしに?」

「泊まらせてくれ」

「いいですよ」

「即答!?」

「いや、ロイドさんだしいいだろ。というか、合鍵があるなら好きに出入りしてもらって構いませんよ。客間もロイドさん達の為にあるようなものだし」

「いつでも泊まれるように作らせたからな」

「と言うことで今日の夕食は1人分追加で頼むなライガ」

「つまみも作ってくれ」

「まぁいいけどよ……」


 ライガは荷物を置いて夕食の支度をしにキッチンへ消えていった。


「ところでお前ら、次の休日ダンジョン行かねえ?」


 酒盛りを再開しながら聞いてくる。


「ダンジョンですか。行きたいですけど、まだ許可出てないですよ?」


 ダンジョンとは魔力が溜まり、モンスターが自然発生する場所。特に規制されているわけではなく、入ろうと思えば誰でも入れるが、学園の生徒は立ち入りを許可されるまで入らないように言われている。


「お前達の許可ならとっくに出てるわ。ヴィンセントに聞いたらOKって言ってた」

「ヴィンセントって誰の事だ?」

「学院長の事だよ」

「ああ、そんな名前だった」

「お前らの実力は十分実戦でやっていけるレベルだ、まだ魔力量に対して技術が追いついていないがな。そもそも狼王森林も立派なダンジョンだしよ、Cランクくらいのモンスターに余裕持って戦えるなら問題ないだろう」


 喋りながらも酒を呑む手が止まらない。 


「行くのはいいが、俺達を連れて行く理由はなんだ?」

「お前らを連れて行ったほうが良いっていう、ただの勘だ。だが、俺の勘はよく当たるんだぜ~?」


 酒を呷りながら自慢気に言い張る。


「ところで…飲み過ぎじゃないですか?」


 床には酒瓶が数本転がっていた。


「まだまだイケるぜ!」


(酒臭いな……)


 ロウダスは他者よりも利く鼻にうんざりとし、酒気のせいかオネイロスの眠りは更に深くなっていった。


 夕食を終え、ショウは外で魔力を循環させていた。徐々に魔力量を増やし、速めていく。体は熱くなり、身体能力が向上していく。いつもの身体強化ならそこまでだが、更に魔力を込め、速めていく。


「やってんなー、ショウ」


 外に出てきたロイドの顔はまだ赤い。ショウが魔力の循環を止めると汗が吹き出す。


「まだ実戦では使えないですけれどね」

「出来なくてもやらなきゃならねえのが戦場の辛いところだが、ここは戦場じゃあ無え。気楽にやれ。1つ言っておくが、ずっと力を込めておくのは疲れるぞ」

「……そうですね、気に留めておきます」

「それとよ、お前に見せておきたい魔法がある」


 手を前に突き出すと魔力が刀の形に集まっていく。その刀を掴むと魔力の粒子が消え、本物の刀と見紛う程の刀がロイドの手に握られていた。と言うよりロイドの刀と瓜ふたつである。


「これが複製兵装(イマジナリーウェポン)、お前の親父が得意だった魔法だ」


 刀は魔力へと戻り、消えていった。


「父さんがこの魔法を……便利で良い魔法ですね」

「複数の武器を使うお前とは相性の良い魔法だし、覚えておいて損はないだろ。時間があったら試してみるといい」

「ありがとうございます。やってみます」


 早速試しに見様見真似でやり始めるショウ。それを見て戻ろうとするロイドにイブが声をかける。


「あの魔法を教えたのは何か意図でもあるの?」

「いや?ただ、教えといた方がいいと思っただけだ」

「それはただの勘かな?」

「ああ。……ただの勘だ」


 ロイドはイブに笑いかけ、家へと入っていった。複製兵装(イマジナリーウェポン)

(語り部)

「普通に不法侵入なんだよね。帰ってきたら鍵が開いてて人がいるって怖いよね。……そういえば権限無くここに来た君もある意味不法侵入者なのか。まぁだからって何かある訳でもないんだけど。因みに複製兵装イマジナリーウェポンは自分が見た事のある兵器を複製出来る魔法だけど、構造の複雑な物は詳しい構造が分かっていないと複製出来ないし、形状を維持できるのも数秒程で上手く作れなければ全く効果を発揮しない割と使いにくい魔法だよ。手が空いてないと使えないし。主に武器を使い捨てにする為に使う魔法だね」

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