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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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狼王森林

「ここから四日で王都って無理があるよね」


 現在、一番近くの村の宿でレイとライガが今後のスケジュールの話をしていた。


「そうなのか?」

「この村から馬車を使えば四日どころか三日でつけるかもしれないさ。でも歩きじゃあ倍以上かかるよ」

「あのおっさんが計算間違ってんのか?」

「間違えてねえよ!それは普通の道を行った場合だろうが!」

「ただいま」

「ショウお兄ちゃんおかえりなさい!」


 買い出しから帰ってきたロイドに怒鳴られた。


「もしかして、狼王森林を抜けるんですか?ユナちゃんもいるんですよ。流石に危ないと思います」


 狼王森林は王都の東に広がる森林であり、かつて狼王と呼ばれたモンスターがいたと言われている。今は王国冒険者の主な狩場の一つである。


「ユナは俺が守るから問題ない。それより自分達の心配をしろよ。弱くはねえぞ、あそこのモンスター達」


 モンスターの平均ランクはC、昨日倒したオークも同じCランクであるとはいえ、平地と森の中では勝手が違う。何より、Bランクのモンスターも生息している。


「わかってます。ベテランの冒険者だってやられることのある場所ですからね」

「心配しなくても油断はしねえ」

「虫が多そうなのが嫌だなぁ」

「今日はこの宿に泊まり、明日森林に乗り込むぞ。野営じゃしっかり休めなかっただろうからな、せいぜい休め。因みに今後はずっと野営だからな」

 __________


「ここが狼王森林か」

「ショウ、気をつけてね」

(何か嫌な予感がする。誰かが余計なことしてないといいけど…)



 ―???―


 ()()は横になりながら宙を眺めていた。


「彼等はまだ幼い。あまりにも未熟だ。来たる時、彼等には今より強くなっていてもらわなくてはならない。──少し手を加えようか」


 それが空中を指差すと、指先から何かを飛ばす。


「多少他にも影響はあるかもしれないけれど、それもいい試練と言えるだろう。余興は多い方がいい、何も起きない旅路を眺めてもつまらない」


 それは再び宙を眺め始める。


 __________



 ショウ達は森林の中でフォレストウルフの群れに襲われていた。


「数が多いな!だが相手が悪い」


 飛びかかったフォレストウルフ達全てが刀に貫かれる。


「ナイス、ショウ!」

「ああ。レイの方は……」


 レイを見ると氷柱に貫かれたフォレストウルフが数匹倒れていた。


「こっちも終わったよ。思っていたより手強かったね、この狼達」

「まぁこれくらいならどうにかなるんだがよ。あんまエンカウントせずに抜けたいな」


(確かに、いつもより力も強く、動きも速い。狂暴性も上がっているし、何より何体かやられても襲いかかってきた。狼は賢い、格上と分かれば撤退するもんだ。何があった?)


 フォレストウルフの事が気にかかるロイドだったが、イブ達も気になる事があるらしい。


『この雰囲気、本当に誰かがバフでもかけたのかもしれんのぅ』

『難易度ノーマルからハードになった程度であろう。さして問題あるまい』

『ただ強くなっただけであればな。きな臭くなってきたぞ』


 本日の狼王森林はとても静か。鳥の囀りと動物の鳴き声、木々の揺れる音が良く聞こえる。他には何も聞こえてこない。

 王国冒険者の主な狩場の一つであるにも関わらず。

フォレストウルフ


C⁻ランクのモンスターだが群れで行動する為、討伐難易度はワンランク上がる。森の中で生きている為、森の中での戦闘が得意。毛色は灰色に緑が混ざり、目の色が緑。

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