森からの脱出後
「はっ!?俺のわにゃんこコレクションは一体どこに……」
「おはようライガ。残念ながら全部夢だからここには無いぞ」
森から脱出した後、少し離れた場所にライガ達が転がされているのを見つけた。
「夢……じゃあショウに勝ったのも?」
「リベンジマッチなら受けるけどな」
目に見えて落ち込む。
「あれも夢か~……」
「目が覚めたか坊主」
「誰だおっさん!さては虚無感の仲間か!」
「虚無感の仲間と俺が一緒にいるわけ無いだろう。この人は……」
「……あれ、ここは……僕の家が荒野に……?」
「レイも起きたか!お前の家は王都にちゃんとあるしここはただの荒野だ、お前の家じゃ無い」
「そうか……敵の罠にかかったってことかな?ところでここは……待ってなんでその人がここにいるのさ?」
ロイドを見たレイは驚きを隠せなかった。
「このおっさん有名人なのか?」
「勿論だとも。ロイド・グレイサー、多くの戦場を勝ち抜き、ドラゴン達の侵攻を食い止め、Dの侵攻でも敵幹部を何体も討ちとった英雄、世界最強の剣士と名高い方だよ」
「へ~、こんなおっさんが……」
「よろしくな、坊主共!」
「それで、ワープした後の記憶が無いんだけど、何があった?」
「ああ、あの後……」
「ああーーー!!僕の服が土まみれに!なんでこんな所に寝かせてたのさ!せめて布を敷いておいて欲しかった!」
『話が進まんのぅ』
『起きると途端に騒がしくなるものだな』
その後の事をライガ達に軽く説明した。
「つまり、ワープしたあとから俺達は幸福の能力にやられていて、ショウは幸福本体にやられかけたところをこのおっさんに助けられた訳か。おっさん、ありがとうございます」
「おう、俺がいて良かったな。運がいいぜお前ら」
「本当に助かりました。改めて、ありがとうございます。ところでロイドさんはあの森になんでいたんです?」
「それはな、一応あの森の管理者でもあるからだ。幸福は厄介な能力と固有魔法は強力、討伐しようとすれば相応の被害が出るし、討伐したとしても次にどこで現れるかがわからない。幸いにも幸福はこの森から離れようとしないし森の範囲も拡大させる気配が無いからな、監視をつけて様子見してる訳だ。とはいえ、あそこに入る自殺志願者もたまにいるし、その人攫いみたいに人を処分する場所として利用しようとする奴らもいる。勝手に入って幸福を刺激されて厄介事起こされても困るからたまに見回りもしてるんだよ」
「そうだったんですか。」
「それよりお前ら、王都からワープしてきたんだよな。ここから王都まで歩いて五日はかかるぞ。さっきヴィンセントの奴には連絡したし、王都まで俺が送ってやるよ」
「いいんですか?」
「俺も王都に行くつもりだったしな。という訳で、とりあえずここから離れるぞ。森からそう離れてないから森を視界に入れるとまた影響を受けるだろうし、戻るのは早いに越したことは無いだろう」
全員が頷き、立ち上がって歩き始める。
「因みに食料は自分達で調達しろよ。五人分も無いからな」
「まじかよ……」
ライガは荒れ果てた荒野を見渡し、げんなりとしていた。




