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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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ネガティブシードの条件

「これで全く関係なかったら俺達無駄足だな」

「無駄足ならそれでも構わない。関係ある可能性の方が高いしな」

「そもそも連れてかれたのが昨日の夕方ならもう手遅れなんじゃないかな?」

「だとしてもだ。生きている可能性にかける。それにネガティブシードになったとしてもだ、虚無感を見る限り理性はあるみたいだし」

『それは違うよ。それは虚無感がネガティブシードを御し切れるだけの精神力があったからってだけ。本来なら本人の意志なんて関係無く周りに被害が及ぶ災害なんだよ』

「でも御し切れればいいんだろ?」

『楽観視するならね』

「ところでネガティブシードになったら戻る手段はあるのかい?」

「現状見つかってなかったと思うけど。イブ達は知らないか?」

『儂ゃ知らんぞ』

『私もだ。さしてそのモンスターに興味がなかった』

『私は知ってるよ』

「本当か!」

『でも完全じゃない。一度寄生されれば体はモンスターの影響を少なからず受ける。それ以上影響を受けなくなるだけ』

「それでもいい。方法があるならな」

「そもそもネガティブシードにする方法もわからねえんだがそれも知ってるんだよな?」

『ネガティブシードにする条件は三つ。魔力が高い事。でもこれはなった後の力がより強くなるってだけであまり関係無い。二つ目は激しい感情の動き。感情が激しく揺れた時、そこに適応したネガティブシードが寄生しようとする。そして三つ目は魔力暴走を起こす事』

「魔力暴走ってなんだっけ?」


 ライガが首を傾げる。


「そんな事も知らないのかい君?魔力暴走は自身の魔力が制御しきれず、魔力の器から溢れ出て周りへと影響を及ぼす魔力災害さ。暴走した子も当然無事では無いし、街一つ消滅した事もあった筈。滅多に起きる事ではないけれど、一年に何度かはニュースになってるよ。その性質上魔力の器が出来上がっていない子供によく見られるケースだ。特に魔力が多い子なんかにね」


 魔力の器とは人それぞれに存在する魔力を貯める器官であり、魔力を使う事で拡張されていく。魔力を使えば使うほど魔力量も増えるが器の方がより大きく拡張する為に成長すれば魔力暴走を引き起こす可能性は下がる。


「なるほど。だからユナちゃん達が連れてかれたのか」

「うん。ユナちゃんの魔力は確かに周りと比べたら高いからね」

「となると俺達がスカウトされたのも同じ理由からか」

『そうじゃろうのぅ。だからこれから行く場所で何が起きても冷静でいるんじゃぞ。怒り、恐怖、憎悪、何に飲まれてネガティブシードが発現するかわからん。魔力暴走を起こした時点で発現するかもしれんぞ』


 西門を抜け、森へと入り、話している間に地図のマーカーの場所へと到着した。


「何もねえな?」


 周りは木が生い茂るばかり。特に何もないように見えた。しかし…


「ここ、隠蔽の結界が張ってあるね。地下に続く入り口がある。」


 足元を調べると土と草で隠れていたが取っ手があり、開けてみると地下へと続く階段があった。


『ここから先は命の保証が無い。引き返すならこれが最後かもしれないよ』

「ずっと引き止めてるな。そんなに心配か?」

「心配と言うより、事実だよ。行けば死ぬ。それだけ実力差があるんだから」

「安心しろ、俺は死なない」

『何を根拠に……』

「あのお婆さんが見せてくれたろ?待ち人だって」

『あんなの、確定した未来なわけでもない。根拠になんてならないよ』

「根拠なんて無いけど、あの映像を見てからきっと出会うって確信があるんだ。だから、俺は死なない。会ってみたいんだよ、その子に」

『だったらこんな危険な橋渡らなくても……』

「それはそれ、これはこれだ。答えは変わらないんだ、とっとと行こう」


 足早に階段を降りていくショウ達。


『あまりしつこいと嫌われるぞい』

『おじいちゃんみたいに?それはやだなぁ』

『儂みたいに!?どういう意味じゃそれ!』

『女性陣でお前を好いている者などそうはいないぞ。しつこくつきまとうというより、執拗に牢獄の中まで追いかける程だものな』

『身から出た錆か……』


 ゼウスはその場でしばらくうなだれていた。

ゼウスはいつだって平常運転。

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