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STORY ~白銀の物語~  作者: 黒羽カウンター
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夜廻り

「それで、様子見に行くんだろ?どうするんだ?」

「……よくわかったな、俺が夜見廻りに行くつもりだって」

「ああいう話を聞いて放置できる性格じゃ無いだろお前。んでどうせ行くなら家で待ってるのもなんだから俺もついていこうかなと」

「もしかしてその為に授業中爆睡してたのか?」

「いや、あれは全員寝てただろ……」

「まぁいい。それより、どうやるかだったな」

「そうだよ、流石に子供だけじゃ見つかったらすぐに止められちまうからな。何かしら手があるのか?」

「それなら問題無い。こいつを使う」


 闇の魔剣を取り出し、影になっている場所に立つ。


「影迷彩」


 ショウの姿が黒く染まり、影と同化する。


「おお、凄え!目の前にいても殆ど分からねえ」

「周りの影と近い色になっているだけだからよく見るとバレる可能性はあるけど」


 姿を元に戻す。


「取り敢えず、今日は西区域に行ってみようと思う。最初に行方不明者が出たのが西区域らしい」

「了解。ところでよ、俺達が門通らなかったら心配されないか?ショウが通らなかったら門番のおっちゃん達気にすると思うんだけど」

「その時はライガの家に泊まっていたことにしてくれ」

「元から俺は協力しないといけなかったわけな」


 夜になると街の雰囲気は大きく変わる。子供は見かけなくなり、クエスト帰りの冒険者が増え、酒場が騒がしくなる。


「夜の街って新鮮だよな。いつもと違って見える」

「いつもの東区域と違って西区域だからじゃないか?」

「それもあるけどよ……」

『しかし、見廻りなどしても無意味な気がするがのぅ。仮に見つけたとしてもお主らに捕まえられるとも限らんしのぅ』

「まぁジジイの言うとおりでもあるな。王都には有名ギルドが多くあるし、高ランク冒険者も多い。それでも手がかり無しっていうなら見つけるのも難しいだろうしな」

「相手がそういう隠密特化の魔法でも使えるのか、忍者みたいな隠密の実力者なのか。現場に手がかりが何もなかったのなら相当の実力者なんだろうし、単独犯だと思いたいところだな」

「忍者、一度見てみてーな」

『犯行が行われる近くにいるなら割とすぐに見つけられるかもしれないけどね。姿を消しても気配を消しても私には問題なくわかるし、転移魔法だとしても近くで行われればすぐに気づけ……』

「なんでこんな夜中に子供が二人だけで出歩いてるのかなー?」

「「「「!?」」」」


 そこにはショウたち以外誰もいなかったはずだった。だがショウ達の後ろには全身を黒い装束に身を包んだ男が一人、闇に紛れるように立っていた。


(私が気配に気づかないなんて……!)

『気配消してもわかるんじゃなかったかの?』

『おじいちゃんだって気づかなかったくせに』

『仕方無いじゃろ、なんせ目の前にいても存在を感じられんのじゃから』

「もしかしてこいつが人攫いの犯人かよ?」

「この異常さ、間違いないと思う」

(何だこいつは……目の前にいるのにあいつのいるところだけ空間にぽっかり穴が空いているみたいだ。)

「君達も俺を探してたのかな?姿を隠してさ。しかも、なんかついてるよね君たち。」

「な!?テメー見えてるのか!?」

「いや、なんかがいるのはわかるけどそれが何かは分からなくてね、興味が湧いて思わず話しかけちゃったよ。その正体不明もそうだし、君達にも興味あるけど……っと」


 不意打ちに空中から飛ばした刀による刺突も、難なく回避される。


「お前が人攫いなのはあってるみたいだしな、捕まえさせて思うぞ」

「唐突に刀で襲うのはどうかと思うな俺は。それに君達じゃ俺は捕まえられないと思うな」

「それはやってみないとわからないぜ!雷鳴拳!」

「なかなか速いなー、でもかすりもしないぜー?」

 

 ライガの拳もさらりと躱す。ショウとライガの攻撃を躱し続ける男はまだ一度も攻撃してきていない。


「その年で魔力障壁も張れるし身体強化も出来るなんて、優秀だね~」

「なんで攻めてこねーんだ、余裕かましてると痛い目いるぞ!」

「当ててみてから言えよなー」


 ショウ達の戦いを見ながらも、イブは謎の男の事を分析していた。


(確かに人間ではあるけど、これは……今のショウ達じゃこいつを捕まえる事は出来なそうだね。相手が本気ならもう既にやられてる。それでも様子見に徹しているのは……)


「こんだけ騒がしくしてるとすぐにでも衛兵さん達が来ちゃうだろうな」

「そうなったらもう逃げられないだろう、諦めて捕まってもいいんじゃないか?」

「そうはいかない。たとえ囲まれても逃げ切れるけどね。それよりさ、やっぱり君達はいいね。君達さ、俺の仲間にならない?」


 男はそう切り出した。

この男は一体何者なのか……正体は次回?

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