氷の女神
事情聴取を終え、ショウ達が解放された頃には日が沈みかけていた。
「やっと帰れるぜ。しっかし、滅茶苦茶叱られたな」
「まあ危険があったのは事実だからな」
「被害者がいなかったから注意だけで済んだけど本来なら停学沙汰だからね」
「まぁあいつ賞金首だったらしいから褒賞金も出たし、結果オーライだな!早く帰ってパーティしようぜ。折角だからお前も来いよ」
「僕は家でパーティがあるからね、主役が帰らないわけにもいかない。悪いけど遠慮させてもらうよ」
「貴族のパーティか。堅苦しそうだなぁ」
そこで何かが飛んでくるのが目に入った。
「あれは……」
「迎えに来てくれたのか」
それは白い肌に短めの水色の髪の美女だった。
『私が戻ってもいないと思っていたらどうやら騒動に巻き込まれていたようだな』
「やぁ、フローヴァ。迎えに来てくれたのかい?色々あったからね、いい土産話が出来そうだよ」
「なんで皆美女美少女で俺だけジジイなんだよぉ……」
「この女性がレイについてる神霊なのか」
「ああ、紹介しよう。この麗しき女性こそ僕についてくれている女神、氷の女帝 フローヴァさ」
氷の女帝フローヴァ、それはかつて遥か南に位置する永久凍土の大地にて君臨していた魔人の名。その肌は白く、永久凍土に住む生物すら凍りつかす冷気を纏っていたという、弱肉強食の世界で頂点に君臨していた女傑だったと伝えられている。
「フローヴァは普通の魔人だった筈だけど?」
『神々には三種類に分別される。元より神として生まれた者。生前の力が強く、強固な魂を持つ者が天へと召され神に昇格した者。何かしらの偉業などで神に近しい力を得て生きながら神になった者の三種。私は二つ目だったというだけだ。お前の連れているイブが三つ目に当てはまるな』
「なるほど」
『それより、お前達の戦いは見事だった。未成熟ながらも研磨された原石同士のぶつかり合い。今後を期待させる戦いぶりだった』
「お褒めに預かり光栄です、フローヴァ様」
『様はいらん。堅苦しいのは性に合わん』
「わかったよフローヴァ、それにレイ。改めてこれから宜しくな」
「こちらこそ、宜しく」
「俺も宜しくしてやるぜ!」
「君はどちらでも構わないな」
「んだとぉ!」
ショウ達が騒ぐ中、神霊達も密かに話し合う。
『もう3柱集まるとはのぅ。全員集まるのも時間の問題じゃな』
『今の時代にレイ達が生まれることはわかっていたことだろう。集まるのも必然』
『その時が来るまでにショウ達にはもっと強くなってもらわないとね』
『それよりフローヴァよ、久しぶりに会ったんじゃしその生脚を触らせて…クボォ!』
『変わらないな、煩悩塗れなのは』
『変わるわけないよ~、おじいちゃんだもん♪』
ゼウスの顔面にフローヴァの膝がメリ込み、ゼウスの頭部は凍りつき、イブの笑い声が響いた。
レイの実家は伯爵家で、芸術品などを主に取り扱う商家です。




