3人目
「なんでこんなことになっているんだろうなぁ……」
「さぁ…?」
「僕らに聞かれてもわからないね」
ショウとライガ、そして青髪の少年の三人は現在、宝石店にて捕まっていた。
「そこの三人、何喋ってやがる!」
「本当に何でこんな事に……」
~1時間前~
「ショウといると色々起きるよな」
『ショウはね、そういう星の下に生まれたんだよ』
「どういう星の事を言っているんだそれは?」
「考えてもみろよ。学院からお前の家に向かうだけだっていうのによ、前を歩いてて転びかけた子供を支えて持ってた風船が飛ばされていくのを取ってあげて、歩いてる爺さんの上に建築作業中の建材が落ちてきたのを颯爽と救い出し、その建材の音で驚いた馬車の馬の暴走を飛び乗って落ち着かせる。正にヒーローだぜ?」
『馬は私が鎮静化させたんだけどね』
『見てて飽きないのう、お主』
学院を出て買い物をする一行は未だに街の門に辿り着けずにいた。買い物を済ませ後は帰るだけなのだが、事あるごとに何かしらの物事に巻き込まれていた。
「まあ後は帰るだけだしよ、流石にもう何も…」
「実に美しい!!!」
「――無いと思いたいな…」
そこには宝石店の前でショーウィンドウを見ながら高らかに声を上げる青髪の少年がいた。
「この色、輝き、フォルム、やはり素晴らしいな、このダイヤモンド…」
「――に映る僕は!!」
「いやダイヤ本体じゃねーのかよ!?」
「ん?誰だいって、何だ君達か。先程の戦いは実に美しかったよ。同年代でここまで上手く魔術を扱える者がいるとは思わなかった」
「さっきの模擬戦見てたんだな、ありがとう。俺の名前はショウ、ショウ・シュヴァルツだ。お前はレイ・フリーストで合ってたよな。確か同じクラスだったはず」
「そうだとも。僕の名前はレイ・フリースト、名前の響きまで美しいだろう?」
「いちいち鬱陶しい奴だな。どんだけ美しいって言うんだよ」
「君はライガと言ったね。名前はさっき聞いたけど、まずは名乗るべきだと思うね。美意識が足りない。それに君の魔力障壁や身体強化は中々に素晴らしかったけど、戦い方はなってないね。直情的で野蛮、あと顔が怖い」
「顔関係ないだろ!!それにあれが俺の戦い方だ、文句言われる筋合いはねえ」
「速度で翻弄すると言っても君に追いつけるのならあとは単純さが残るだけ。だからショウの誘いに乗って油断した所を突かれるのさ」
「うっ……」
「それに比べてショウは実にいいね。技量もある、魔力を多く持ちながらそれに見合う魔術の腕もある。それに君はいい眼をしている」
「眼?」
「ああ。決してブレない芯の強さを感じさせるその紫紺の眼」
そう言ってレイはショウの眼を覗き込む。
「うん、本当にいい眼だ。僕の顔がより美しく映る」
「結局そこなんだな」
「それに君には中々に美しい女神がついているだろう?」
「「!!」」
「イブ達が見えてるのか。と言う事はレイも神霊を連れているのか?姿が見えないけど」
「まあね。今は離れているけれど、その内戻ってくるだろうさ。それより同じ境遇のよしみだ、君達には楽しませてもらいもしたしお近づきの印に君たちにあった宝石でも贈るとしよう。ついてくるといい」
「お前さ、初対面で宝石贈るってヤバイと思ったほうがいいぞ。」
「流石に安めの物を選ぶとも」
「値段の話じゃねーよ……」
店に入って宝石を選ぼうとして早々に事件は起きた。銃声が鳴り響き、複数人の覆面の男達が入ってきた。
「テメーら動くな!!ここにある宝石は全て俺等が貰ってくぜ!!」
「……不味いな」
「何がだよ?こんな奴ら魔法ですぐに……」
「ここでは使えないよ。ここは王都でもランクは上の方、当然警備も厳重で魔術の類は結界で封じられている。」
「厳重なら銃とかにも対応できるようになってないのか?」
「その為に結界の効果を受けない警備兵がいるはずなんだけど……」
同じ警備兵の格好をしていた者が他の警備兵を気絶させていく。
「どうやら警備兵にも紛れてたらしい」
「本当に厳重なのかよ?」
強盗団達によってショウ達と店内にいた人達は縄で縛られ一か所に集められていた。
「なんでこんな事になっているんだろうなぁ……」
「さぁ…?」
「僕らに聞かれてもわからないね」
「本当になんでこんな事に……」
「いくら言っても仕方ないだろう。それより、銃を持った強盗団が5人に警備兵に混ざってた奴が2人か」
「魔法が使えるなら話は早いんだけれどね」
『それならもう結界の装置壊したから大丈夫だよ?』
「マジかよイブ。なら余裕じゃねーか」
「とっとと捕まえて入学祝いのパーティといこうか」
ショウ達の反撃が始まる。
魔術は魔力戦闘術の略です。




