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ダブルデート

しばらく短くなるかもです。

すみません……

 翌日。

 俺と優奈はハウォーレの時計台の近くにある椅子に座っていた。周辺は広場で人の往来が激しいため、ここは待ち合わせをするのにもちょうど良い場所である。俺たちが落ち合う場所もここだ。


「少し早く来すぎたかな?」


「そうかもしれませんね」


 時計台を見ると九時四十五分を指している。

 斗真が言っていた集合時間よりも十五分早く来てしまった。まぁ遅刻するよりはマシか。

 それにしても、


 (優奈はここでも注目の的になるんだなぁ)


 通り過ぎる人たちがチラッとこちらに目を向けている。主に優奈。そして男性陣からの羨ましさと妬ましさを交えた視線が俺に集中して、肩をすくめつつ彼女の方を見た。


 黒レースのブラウスに無骨なデニムパンツを合わせている。ウエストの高い位置で履いているため、ゆったりとしつつも足元がチラッと覗いていた。パフスリーブが可愛い黒ブラウスによって、優奈の可愛らしさをさらに高めていた。

 どうやら母さんと買い物に行ったときに買ってもらったものらしい。シンプルなメイクをしていていつもの姿よりも色っぽく映ってしまう。


 俺はカーキカーゴパンツにグレーの半袖カットソーに黒のポロシャツを羽織っていた。隣を歩く以上は恥ずかしくない格好でいたいと思い、結構悩んで選んだ。


「その服。優奈に凄く似合っているな」


「その言葉。さっきも聞きましたよ」


「改めて言いたくなった」


 本当によく似合っている。

 女の子らしさは出しつつも極端な露出は避けている。優奈は恥ずかしさと嬉しさが混じった笑みを見せる。


「良くんも……凄くかっこいいですよ」


「ありがとう……でもそれ二回目だし」


「改めて言いたくなっちゃいました」


 さっきのお返しと言わんばかりに優奈は言ってきた。尚のこと視線の圧が強くなったというのは気のせいということにしておこう。


 五分後に、斗真と瀬尾さんもこの時計台に訪れた。


「お待たせー。待った?」


「いや、それほど。それにしても焼けたなー」


「風呂入る時なんて地獄よ」


 斗真は笑いながら言った。


 チノパンに白のTシャツ、そして紺色のシャツを羽織っていてカジュアルな格好だ。斗真の顔や首周り、肘から下の部分は見事に日焼けをしていてthe・運動部というのを表していた。


 瀬尾さんはコンパクトなブラウンのシャツにストライプ柄のスカート。そして肌を見せるサンダルを履いていた。


「天ちゃん会いたかったー!今日も可愛いね!」


「お久しぶりです。梨花さんもとても似合っていますよ」


 二人も久々の再会に喜んでいるようだった。

 瀬尾さんは優奈と話すときだけ普段のキャラじゃなくなるんだよな。


「それで斗真。ダブルデートとは言っていたが、予定とかあるのか?」


「んー特に考えてない。普通にショッピングして飯食ってゲーセンで遊ぶって感じでいいかなーって。ほら、最近良介と全然遊べていないし、梨花も天野さんと遊びたいって言ってたし、ちょうどいいかなって」


 斗真は爽やかな笑みを見せる。

 何こいつイケメンすぎるんですけど。しかもそれを狙ってではなく素でやっているのだ。


「それじゃあ基本は天野さんと瀬尾さんの二人が主導で動くって感じか」


「まぁな。俺たちは女の子二人がキャッキャはしゃいでいるところを後ろから見てんの」


「それ一歩間違えたら犯罪だからな」


 ニシシと笑う斗真に言葉を飛ばす。


「柿谷くん。斗真くん。早く行こう」


 瀬尾さんがこちらを見て言うと、優奈に視線を戻して楽しそうに談笑しつつ歩き始めた。


「良介。あれを見てどう思うよ」


「尊い」


「同じく」


 俺たちも二人のお姫様の後を追うように歩き始めた。

お読みいただきありがとうございます。

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