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半年後の約束

「凄く良かったな。プラネタリウム」


 プラネタリウムの観覧が終わり部屋を出ると、「んー……」と身体を伸ばす。優奈も満足したようで「はい」と笑顔を向ける。


 とても充実した時間を過ごすことができた。

 投影時間になると真っ白なドームが一瞬にして夜空へと姿を変えてドーム一帯に星々が浮かび上がる。限りなく本物に近い星空が映し出されていて、観覧客はその映像に目を奪われていた。


 ただ同じ映像というわけではなく、時間が経過していくにつれて星の色や輝き、月の満ち欠けなどこと細やかに再現されており、まるで本当に夜空を見上げているのではないかと思わされてプラネタリウムの世界に入り込んでしまっていた。


 また、座っていた雲シートも快適で全く疲れなかった。あまりの心地良さに眠っていた人も中にはいるだろう。


 俺たちはゆっくりとした足取りで科学館の展示物を見物する。


「今更だけどなんでプラネタリウム?優奈って星とかに興味あったっけ?」


 時々優奈と一緒に星々が輝く夜空を眺めたりすることはある。だがお互い星の詳しい名前を知っているわけでもなく、ただ綺麗だねーと感想を漏らす程度である。


「好きと言うか……わたしにとって星空は特別なんです」


「特別?」


「良くんと初めて話したときも、良くんが告白してくれたときも、プラネタリウムで見たような綺麗な星空が広がっていましたよね」


「そうだったな。てかもう一年も前の空のことも覚えてんだ」


「良くんが一人あの公園にいましたから。最初は本当に何やってるんだろ程度にしか思いませんでしたけど」


「あの日は父さんの命日だったからな。外の空気を吸いながらもの思いにふけってる内に感傷的になってたんだよ」


「そう……だったんですか……」


 途端に優奈が何か申し訳なさげな表情を覗かせる。そう言えばそんな話を優奈にしていなかったな。


「ごめんごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだ。でも確かに……言われてみればそうかもしれないな」


 俺と優奈の接するきっかけになったあの日も、優奈に告白をしたときも、満点の星が夜空を埋め尽くすように散っていた。そう考えると、俺たちと星空は何か特別な繋がりがあるのかもしれない。

 もしかすれば、天国で見ていた父さんが俺のあまりの出会いのなさに呆れて、星空の下優奈と話をする機会を設けてくれたのかもしれない。まぁ俺の勝手な想像ではあるのだが。


「なぁ。優奈が良かったらなんだけど、機会があれば星を観に行かないか?プラネタリウムとかじゃなくて本物の。今日みたいに寝っ転がって夜空を見上げてさ」


 今の時期からは暑くなるので、星を観に行くとなれば秋から冬にかけてになる。どこか近くの山にでも行ってレジャーシートでも広げながら二人で寝っ転がりながら夜空を見上げる。静かな場所から眺める満点の星はきっと幻想的で美しく見えるだろう。


「良くんと一緒に観たら……もっと綺麗に観れますよ」


「まぁ今から半年後とかになるだろうけど。寒い時期の方が星が綺麗に見えるって言うし」


「それでもいいです。良くんと一緒に、満点の星空を眺めたいです」


「おう。じゃあ約束な」


「はい。絶対に行きましょうね」


 半年後に星を観に行く約束を優奈と交わして、俺たちは科学館を歩いて回った。

お読みいただきありがとうございます。


7月中は忙しく、一日二日空いての投稿が増えて、また一話一話の文字数も少なくなると思います(あ、それは元々か)

本当にすみません。

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