表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/124

魔王の娘 エムル登場

挨拶するエムルは、見た目、立ち振る舞い、すべてが洗練されていて、カリスマ性すら感じた。

エムルか、

レベル103 固有スキル魔王か。


「4年前にセイラと一緒にいた、熊の時の子で合ってる?」


「そうだよ!覚えていてくれてうれしいよ!ウイン!」

そう言ってエムルは、当然のように俺の隣に座り、腕に絡みついた。


「ん?」


「どうしたんだい?すぐにアーサー王国へ行く話し合いをしようじゃないか。」


「エムル、普通魔王側に座るんじゃないか?」


「ウイン、僕たちは一緒にアーサー王国に行くんだ!親交は深めておくべきだよ!」


魔王は俺から目を逸らしながら、口を開いた。

「アーサー王国へ行く準備はこちらで進めておく。二人は気にせずくつろいでいてくれ。」

ん?魔王は何で俺から目を逸らしたんだ?


エムルは俺を覗き込むようにして話を始めるが、距離が異様に近い。


「それにしてもウインは素晴らしいよ。水晶球で四天王との戦いは見させてもらったよ。あの強さ、僕がどうあらがっても抵抗できない力を感じたよ!それにあそこまで四天王を屈服させるSっぷりも素晴らしいよ!特にセイラへの対応!セイラを全裸で拘束して正座プレイまで強要するんだから、僕は興奮してしまったよ!」

エムルの吐息が「はあっ!はあっ!」と激しくなる。

「もしかして馬鹿にしてない?俺馬鹿にされてるよな?」


「違うんだ!!僕は賞賛しているんだよ!人からの賞賛は素直に受け取るべきだよ!あんなことは、はあっ!はあっ!なかなか出来る事じゃないよ!」


「魔王、セイラ、説明を求めます!」

魔王だけじゃなく、セイラも俺から目を逸らした。


「ウイン!結論を先延ばしにして分かりにくくしてしまったね。結論を言うよ。ウイン、僕を奴隷にしてほしい!」


「ん?ん?どういう事?」


「聞こえなかったかな?僕を奴隷にしてほしいんだ。」


「そっちじゃない!言葉は聞こえてるけど、意味が分からなかったんだ!」


「僕は降参するよ!僕の心と体を差し出すから、僕を奴隷にしてほしいんだよ!魔王の娘は英雄に心も体も奪われるのが王道だよ!英雄は性欲を持て余して女を押し倒すのが王道だよ!押し倒される運命の魔王の娘!強力な性欲を秘めた英雄!点と点がつながって線になったよね?」


「いやちょっと、よく理解できなかった。アーサー王国に行くのはエムルじゃなくてセイラで良いんじゃないか?」


魔王は俺から目を逸らしたまま言った。

「エムルは、外交の場ではしっかりと役目を果たす!大丈夫だ。」

「見た目はかなり良い。」

「エムルの笑顔は外交時に相手を安心させることが出来る。」

「それにエムルは魔王の娘だ。相手に誠意を見せる必要がある」


あれ?魔王の様子がおかしいぞ、なんか頭をフル回転させて絞り出すようにエムルの事を褒めている感じがする。



「魔王、セイラ、さっきから何で目を逸らしてる?俺にやばいものを押し付けようとしてない?これ押し付けだよな!?」


「「違うって!」」


二人の口調がさっきと違う。・・・・わざとらしく感じる。


そこにエムルが割って入ってきた。

「ウインと僕たちは文化的な壁があるようだね。」


「これを文化的な壁で済ませるのか!」


エムルに俺の目が向いている隙にセイラが無言で部屋を出ようとした。

俺はセイラを素早く押さえつけて一緒のソファーに座らせた。

「セ・イ・ラ・逃げるな!」


「ひいいい!」


「ウイン、僕を奴隷にしたら、セイラも一緒に奴隷に出来るんだよ!」


「エムル様!勝手に決めないでください!」


「私は公務の時間だ!後は若い3人にお任せしよう。」

そう言って魔王は出て行った。

その動きは異常なほどにスムーズだった。

残像が見えるほどの洗練された動きだ。


「魔王様!置いていかないで下さい!」


ちょっとかわいそうになってきたのでセイラを解放した。


「し、失礼しました!」

セイラは走ってこの部屋を後にする。


エムルか。こいつ大丈夫か?なにかとてつもなくやばいものを感じるんだが・・・



最後までお読み頂きありがとうございます!

ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ