ディアブロ王国からの依頼
「セイラ、何があった?」
「戻ってからの方が良いかと。」
「ルナのレベルを上げたいんだけど、あと少しで100になりそうなんだ。」
「ウイン様、どうかお戻りください。」
「まず要件を言ってほしい。」
「お願いします。ここはお戻りください。」
怪しい。一切理由を言わない。
これはまさか!
「エムル関連か?」
セイラはそっと顔を下に向け、何もしゃべらなくなった。
「エムルの件なら、緊急でもないし俺が戻ることもないな!修行を再開しよう!」
「ま、待ってください!それだけではなく、内政でも色々な問題を抱えています!お願いします。戻ってください。」
「戻りましょう!セイラさんがかわいそうです。」
「うーん。納得は出来ないけど、ルナが言うなら戻るか。」
セイラはルナに何度もお礼を言いつつ、俺たちは西の町へと向かった。
「魔王!何の用だ!」
「ウイン、怒るな。まず最初にエムルを連れて行って欲しい。エムルはもう手に負えない。」
エムルがすごい勢いでこっちに走ってきた。
「ウインーーーー!」
エムルは俺に抱き着いた。
エムルは何かしゃべろうとしていたが、俺はエムルの口をふさいだ。
こいつにしゃべらせたら話が進まなくなる。
エムルは俺に口をふさがれるとおとなしくなった。
「他にもあるんだろ?」
「ああ、スピードホースをテイムしてきて欲しい。」
「セイラはたくさんあると言っていたぞ。正直小出しにされて何度も呼び出されるのは嫌だぞ。」
「だが、たくさん言われるとそれはそれでやる気がなくなるだろう?」
「その可能性もあるか。でもまず言って欲しい。出来れば箇条書きにしたメモを欲しい。」
「分かった。」
魔王は紙に書きだした。
「問題はこんなものだな。」
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解決したい問題点一覧
・スピードホースのテイム
・ディアブロ王国の港を復興したい
・ディアブロ王国南の魔の森を開拓して農地を作りたい。
・ディアブロ王国の株式をだれも買ってくれない。
・薬草を売ってほしい
・オガが教育している訓練者を手伝ってほしい。
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「6つか。多いな。スピードホースのテイムが優先で、他はどれからやっても大丈夫という考え方で良いか?」
「薬草はすぐに売ってほしい。」
「薬草か。ルナにスタミナポーションを作りたいから多くは出せないぞ。」
「アーサー王国からウインが魔物狩りに行った地点の薬草が激減しているという情報が入った。さらにディアブロ王国でも同じ報告を受けている。シー、マイン、クロノからウインが薬草を採取しているという情報もあるが詳しく聞くか?」
「いや、大丈夫だ。出すけど、スタミナポーションの分は取っておくぞ。」
情報が筒抜けだな。裏を取り、俺がノーと言えない状況になってる。
他に気になるのは。
「この株を買ってくれないってのは、俺が今まで交易や魔物の肉を出した分を株に変えて埋められないか?」
「元手がないと厳しい。今ウインが持っている魔物の肉と薬草を出してくれればそれは株式に変換可能だ。」
「薬草のほかに肉も売れるのか?全部出しても良いのか?」
「肉は買い取りたいが、買い取れる量は、ウインの持っている肉の量しだいだ。セイラ、今すぐにストレージスキル持ちを集めてくれ!全員だ!」
「分かりました。」
「馬はどこにいるんだ?」
「スピードホースだな。ここだ。」
魔王は地図のディアブロ王国南東のデイブックとの間部分を指さした。
森の中に草原地帯がある。その付近全域に生息しているようだ。
「デイブックに近いな。」
「だからウインにお願いしたい。被害を出したくないのだ。」
「あ、最後に1つ。馬は何体欲しいんだ?」
「スピードホースだ。テイムできるだけ欲しい。5000体までなら受け入れ可能だ。」
「後はエムルとかに聞きながらやってみるぞ。行ってくる。」
「待て!薬草と魔物の肉をもらいたい。」
ち!うまくごまかせなかったか。
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