ウイン、魔王城へ行ったら四天王と戦闘になった。
魔の森での修行に飽きた俺は、デイブック民主国の図書館に来ていた。
修行を開始してから2年以上経過し、斥候スキルで髪色を変えた。
さらに髪形や服も変えている。
変装効果で俺の事に気づく者は誰も居ない。
堂々と情報収集が出来る。
定期的に図書館に来て情報を集めているが、そんなある時俺は勇者パーティーの記事に目を止めた。
「勇者パーティー魔王城でぼろ負けか・・ 」
心がすっとしたけど、ベリーがまだ勇者パーティーに居るのを知って、素直に喜びきれなかった。
でも妙だな。四天王の一人と勇者が戦ってぼろ負けしたんだよな?
その気になったら勇者を殺すこともできたんじゃないのか?
・・・・魔王城か、面白そうだな。
◇
魔王城前
俺は勢いよく魔王城の扉を開ける。
「魔王と話がしたいんだ!誰かいるか?」
俺が声をかけると4人の美女が出てきた。
俺は斥候スキルでレベルをチェックした。
一番レベルが高いのは青い服の竜族のレベル160か。今の勇者パーティーを圧倒出来る力を持っている・・・・・
だとしたら勇者パーティーのレベルは低いな。
「我ら四天王、私は青竜のセイラ」
「赤鬼のアカ!」
「黒弓のチョコ!」
「黒き吸血鬼のバンピー!」
「こんにちは!俺はウインです。魔王と話をしたいのですが。」
俺は丁寧な言葉でお願いした。
「それは出来ない!」
「ちょっと話をしたいと思っただけなんです。」
「会わせる事は出来ない!」
うーん、どうしようか、あまり使いたくなかったけど、威圧してみよう。
レベル300程度の力で威圧を発動する。
チョコとバンピーが恐怖でその場に膝をついた。
四天王は全員汗をだらだらと流していた。
セイラは服を脱ぎ捨てた。セイラの固有スキルは【青竜】
竜になる気だな。
「ローズバインド!」
俺はセイラとアカをいばらで拘束した。
「その、すまない。暴れるととげが刺さるから動かないでくれ!後、セイラは戦うのをやめて体を隠してほしい。その恰好はとても恥ずかしいと思うんだ。」
「く!まだ私は戦える!」
アカとセイラはまだ戦意が残っていた。
しょうがない。手加減無しだ。
「威圧!」
四天王の中でセイラがレベル160で一番強い。
だがウインのトータルレベルは915。
圧倒的なレベル差だ!
ウインがその気になれば一瞬で四天王を倒せるほどの力量差だ。
「ひいいいい!」
「ば、化け物!」
四天王全員が戦意を失った。
◇
四天王は俺の前で正座する。
「で、話を聞く気になったか!」
「すいません、その前に。」
「ん?なに?」
「服を!服を着たいです!」
セイラは全裸で大事な部分を手で隠したまま正座していた。
俺は急いセイラに服を渡した。
俺はセイラの頭をなでた。
「すまなかったな。ハイヒール!」
俺はついでにセイラとアカの傷を治療した。
セイラの顔は真っ赤になる。
鬼族のアカは俺の事をジーっと見る。
残り二人は・・・
アカとセイラ以外の四天王は俺におびえて震えていた。
ここは場を和ませる必要があるな。
「所でセイラ、4年くらい前にもしかしたらデイブック民主国と魔王の領地の間の森で会ってるかもしれない。間違いだったらごめんだけど。」
「熊の魔物の時の少年ね!」
セイラの口調が素に戻っていた。
少しは心を開いたかな?
「確かあれだよな?裸になるのが性癖だという珍しいご趣味をお持ちだとか。」
四天王の残り3人が一斉にセイラの方を向いた。
「ちが!ちがうわよ!」
「え?でもさっきだって俺があんなに紳士的に注意したのにずっと全裸のまま拘束プレイを続けてたし、エムルだってそう言ってたからな。」
「ちがうわよ!違うからね!エムル様の言う事だから!!真に受けちゃダメよ!!!」
「そっか、勘違いだった。」
まだ二人おびえているな。
俺はストレージから机といす、お菓子を取り出した。
「その、正座させて悪かったね。みんなここに座ろう。」
そう言って四天王に椅子に座ってもらった。
「お菓子もあるから遠慮なく食べよう。」
俺は出来るだけ優しく言った。
バンピーはお菓子をパクパクと食べだした。
まだダークエルフのチョコがおびえていた。
「出来ればおびえないで欲しいんだ。何もしないよ。」
「その魔力・・怖いよ。」
威圧を解くのを忘れていた。
「そっかー。それじゃ、魔力を抑えるか。」
そう言ってウインは魔力を出来るだけ抑えた。
また四天王全員がおびえだした。
「魔力を抑えたのにそんなにおびえないで欲しい。」
ウインは魔力だけでは無く、気配までも消していた。
斥候レベルを100まで上げれば誰でも出来る事ではある。
ただ問題は、化け物のような魔力を持ったウインが急に気配を消したのだ。
圧倒的な力を持ったウインが気配を消した。もちろんウインの姿はある。だが気配が無いのだ。
実力を持つ四天王にとってはそれが異常に見えた。
レア固有スキルである忍者のジョブなら、強くても気配を消すことは出来る。
しかしウインの場合、圧倒的な力を持ち、しかも様々なスキルを駆使して見せた。
戦士スキルの威圧
魔法使いのローズバインド
治癒士のハイヒール
斥候の隠密
このことで、四天王から見たウインは【底が知れない化け物】
になってしまった。
四天王のおびえる様子を見てウインはアピールをあきらめた。
「所でセイラ、魔王に会いたいんだけど」
「魔王様に話をしてみるけど、どういう答えが返ってくるか分からないわよ。」
「それでいいから話をしてほしい」
「話をしてみるわよ。」そう言うとセイラは上に向かって行った。
バンピーが俺を見つめた。
お菓子のおかげか四天王の中でバンピーが一番俺を怖がっていないようだった。
お菓子効果か。
「ん?どうした?」
「お菓子、毒、入ってないよ。」
「入れるわけないだろ!え?なに?毒見してたのか?」
「お菓子、もう無いよ」
「あれ全部食ったのか!早すぎるだろ!」
俺はお菓子をストレージから出した。
「このお菓子」
「どうした?」
「みんなに持っていっても良いかな?」
「良いぞ。」
バンピーはお菓子を持つと、奥に消える。
バンピー自由過ぎるな!
四天王か、黒弓と黒き吸血鬼って、黒がかぶってるし、大体バンピーは黒い服着てるだけで肌が白いし、というかチョコ以外肌は白いしみんな肌がきれいだ。キャラづくりとか色々失敗してないか?みんなの顔も優しそうで四天王っぽくないし、突っ込みどころが満載なんだけど。
あんまり言うと、またおびえそうだから言わないけども・・・・・・
そこで後ろから気配がした。
気配のした男は、礼儀正しく礼をした。
「私が魔王、ガルゴンだ。要件は何かな?」
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