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ヘイトの最後

デイブック北部


「は、ははは!やっぱり大したことないな!みんな俺の経験値になれ!」

ブレイブは魔呼びの魔道具をすべて使い、大混乱の中、魔物と人の両方を狩っていた。


そこにありえない速度で人が近づいてきた。


「あいつは!ヘイトか!ブレイブタイム(戦闘力2倍)!

ブレイブは全力で北へと逃げた。



「勘の良い奴だ!近づく前に気づいたか!」


ブレイブは湿地帯を泥まみれになりながら全力で逃げた。


ヘイトは途中までブレイブを追いかけたが、泥まみれになるブレイブを見て追うのをやめた。

「ふむ!あいつの為に私が泥まみれになる必要もない。」

ヘイトがその気になればブレイブを簡単に倒すことが出来る。だが、汚れるのを嫌がり、追撃を止めたのだ。


そんなことには気づかず、ブレイブは全力でディアブロ王国へと逃げた。


ヘイトは目の前で魔物に襲われている人間を放置して急いで南へと向かった。




◇





ヘイトが南に着くと、デイブック対ゴブリンの戦いは、ゴブリンが勝利し、デイブック南部はゴブリンに支配されていた。


ヘイトは、北へと向かう冒険者に声をかけた。

「そこの君、ゴブリンとの戦いがどのような様子だったか教えてほしい。」


「ああ、ゴブリン3000対デイブック10000の戦いだった。始まる前はこっちが勝つと思ってたよ。でも、戦いが始まってからは一方的にこっちが殺され続けた。もちろんゴブリンにも被害は出た。だがあっちはまだ500のゴブリンが残っている。500だからって侮っちゃいけねえ。生き残ったやつらは、普通のゴブリンじゃないんだ!」


「ふむ、そうか。」


500の精鋭か、いくら私でも命の危険がある。

撤退だな。





ヘイトはマスコミギルドに戻ると、すぐに指示を飛ばした。


「部隊の再編成をしてゴブリンキングを倒す!戦えるものはすべて集めろ!ほかの防衛がどうなってもかまわん!すべての戦力を南へと集結させろ!」


「今は北部でも魔物の群れが暴れまわっており、軍部とギルドが説得に応じるかどうかわかりません。」


「説得ではない。命令しろ!」


「かしこまりました。」





◇





ゴブリン部隊500に対して、デイブックは15632人の人員を投入した。


ヘイトは戦いには参加しなかった。

ヘイトはあくまで目立たず、裏の存在としての地位にこだわった。



「よし、かかれ!!」


うおおお!!


ゴブリンは、奇襲を受ける形になり、一気に囲まれ、数を減らした。


「ははは!うまくいったな。」


「案外楽勝なんじゃないか?」


「ああ、こっちは30倍以上の人数で戦っているんだ!すぐに終わるさ。」




次の日

「かかれー!!」


ゴブリンは逃げ出した。




その夜


「俺たちに恐れをなして逃げ出したな!」


「ああ、このまま国の外まで追い出してやろう。」


「いや、その前に俺たちが全滅させる。」


「はははは。」


「があああ!」

「ん?なんの音だ?」

人間の悲鳴が聞こえた。


「殺す!ころす!」

「しね!しね!」


いつの間にか人間側はゴブリンに取り囲まれていた。


「ぐあああ!」




ゴブリンはまとまって攻撃を仕掛けようとすると撤退し、不意を突いて攻撃してきた。


向こうの柔軟な戦い方に人間側は手を焼いた。


ゴブリンとの戦いは当初の予想に反して一か月以上続いた。





「やっとだ、やっとゴブリンキング以外全滅させたぞ!」


「勝った気になるなよ!お前らなど一人で全滅させてやる!ぐおおおお!!」

ゴブリンキングの体を黒いオーラが包んだ。

ゴブリンキングの色が変わり、体の筋肉も肥大化していた。


「進化したのか!?」





◇





マスコミギルド


「ゴブリンキング以外は全滅しましたが、ゴブリンキングの討伐だけがうまくいっていません。」


「まだ倒していなかったのか。」


「それどころか、ポーションなどの補給も切れ、敗走中とのことです。」


「な!確か15000以上を投入したはずだ!」


「はい、ゴブリンキングを倒せるものがいないようです。どうかヘイト様のお力を!お願いします!」


「わかった。今すぐに向かおう!」


「ありがとうございます。」





◇





デイブック南部


「見つけたぞ!」


ゴブリンキングは剣を振りかざしヘイトに襲い掛かった。

「いきなりだな!」


お互いが両手持ちのソードで打ち合う。


「俺と互角に打ち合えるのか!」


ゴブリンキングは笑った。

「この俺、バグズ様と互角だと?笑わせるな!」


「貴様!名前持ちか!」

名前持ち、それはボスのさらに上位の存在だ。

ボスは体が大型化し、ステータスが跳ね上がるが、名前持ちはさらに固有のスキルを持つ。

個体によっては複数の固有スキルを持つ。


「本気の攻撃を見せてやる。」


ヘイトはバグズの一撃を剣で防ごうとしたが、後ろに吹き飛ばされた。


「ごほ、ごほ、こいつは危険だ。ブレイブタイム(戦闘力二倍)!」


「キングタイム!」


二人は剣で撃ち合うが、ヘイトの劣勢は変わらない。



「お前!速くなったのか!」


「速さだけではない!お前と同じ、戦闘力2倍のスキルだ!」


「うおおおお!ファイナルスラッシュ!」


「遅い!」

バグズは難なくかわした。


「終わりだな!」


ザン!


それがヘイトの最後だった。


その後、バグズはいったん後退し、ゴブリンを引き連れてデイブック南部を制圧し、デイブックとゴブリンの戦いは泥沼化を迎える。








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