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黒竜討伐

魔王城王城


魔物討伐を終え、数日経過したことで魔王達に余裕が出来た。

皆の疲れも回復した。

ウイン一行と四天王は、魔王とともに立食パーティーを開いていた。


「皆、ご苦労だった。これで街道の整備は進むだろう。食事を楽しんでくれ。」


目の前にはたくさんの料理が並んでいた。


ルナとバンピーはケーキを1ホール余裕で完食している。

連戦続きで、みんな少しやせていたから、たくさん食べるんだぞ。


ルナが俺の視線に気づいて顔が赤くなった。


「ルナ、気にせず食べてくれ。」


「ち、違うんです!いつもはこんなに食べないんです!」


「みんな連戦で瘦せてきてるからな。食べたほうがいいぞ。」


「ケーキを1ホール丸まる食べるのは、バンピーしかいないと思ってたぞ。」

アカが突っ込みを入れた。


ルナがまた赤くなった。

このままだと、ルナが食べなくなるな。しょうがない。フォローしておこう。

「ケーキが好きなら食べられるだろ。」


「うーん。納得できないぞ。」


「デイブックとアーサーだと、普通なんだ。」


まだアカは納得できていないようだった。


「今までディアブロ王国は、食べ物が少なくて、たくさん食べ物を食べられなかったから珍しく見えるんだ。でもこれからはみんなの頑張りで、食べ物が多く運ばれてくるようになる。そうすればケーキを1ホール食べる人も珍しくなくなるぞ。」


「わかったぞ!」

アカは納得して食事に戻った。


「ルナ、今まで連戦続きでちょっと痩せてる。食べられるうちに食べておいたほうが良い。」


「そ、その通りです!私は少し瘦せていました!いつもより多く食べます!」

ルナの顔はまだ赤かった。


「魔王、これで大きな問題は片付いたかな?」

「まだ残っていることがある。」


「ん?なんだ?」


「街道づくりに時間がかかる。出来ればウインのキングウッドゴーレムをこちらに回してほしい。」


「そんなことか。こっちにゴーレムを呼び出すと、交易路のゴーレムが消えるけど問題ないよな?」


「ああ、それで頼む。他には、うーむ。」


「ん?何かあったら言ってくれ。」


「実は、この国の山奥にドラゴンがいるのだ。しかも前に私が戦って、殺されかけた。」


「魔王より強いドラゴンか。軍を導入して駄目だったのか?」


「いや、私一人で戦いに行った。その時の私のレベルは200を超えていた。」


今の魔王のレベルが254か、今の魔王でも勝てないと考えて良いだろう。

楽観的に考えるのは良くない。厳しめに考えておく方が生き残りやすいのだ。


「ドラゴンのレベルとかはわかるか?」


「いや、わからない。ただ、闇系のブレス攻撃をしていた。」


もし、闇属性だとしたら、魔王の切り札、ブラックホールも効きにくいのかもしれないな。

それに魔王は集団せん滅が得意で、ボス単体との戦闘は苦手な気がする。


「場所を教えてくれないか?偵察しに行きたい。」


「危険だ!」


「戦うわけじゃない。俺斥候レベル100だから、いざとなったら気配を消して逃げられると思うし、逃げるときも人がいないほうに逃げる。大丈夫だ。」


「わかった。頼む!」


「場所はどこだ?」


「ここだ。」

魔王は部屋の壁に貼ってある地図の位置を示した。


「じゃ行ってくる。」


「今からか?もう日が暮れている。明日にするがよい。」


「今体力が回復して力が有り余っているんだ。行ってくるよ。」


「そうか、無理はするなよ!」


「ああ、行ってくる。」


俺はドラゴンのいる山へと向かった。







「着いたな。わかりやすく大きな反応がある。早速レベルをチェック。」

俺は定石通りステータスをチェックする。


黒竜 レベル350 スキル:鉄壁・闇のブレス・ブレス威力強化・ブレス消費MP半減・ブレス連射・ブレス命中率アップ



「今まで会った中で最強だな!」

ブレス特化か。

こんなに特化してるのは初めて見たぞ。

羽がない!飛ばないドラゴンは防御力が強いんだよな。その上で鉄壁か。

レアスキルを持たないウインは強力な攻撃を使えない。

防御力の高い相手との相性は悪かった。

特別な攻撃はキャンプファイヤだけだが、使っても倒しきれない気がする。

あまりにもでかすぎるのだ。


このまま帰るか?いや、レベルなら俺のほうが高い。ダメだったら逃げれば良いか・・・・・・・・

思ったより強くなさそうなんだよな。


「突撃だ!ミラクルアップ(強化魔法)」

俺はドラゴンに近づき、ショートソードで首を切り落とそうとするが、刃が途中で止まり切断できない。


ごおおおおおおおおお!

ドラゴンが怒ってブレスを吐いた。


「うおあ!あぶね!」

俺はぎりぎり回避してその場を逃げ出した。






久しぶりに逃げたな。まず反省をしよう。


逃げることは出来た。

俺の方が速さは上だ。


攻撃を当てることはできたけど、攻撃が効きにくい。

固いうろこに阻まれてドラゴンの肉に刃が届くかどうかのところで刃が止まる。


魔の森で修業した後に、速攻で倒せなかったのは奴が初めてだな。


キャンプファイヤを使うか?いや、でかいから倒しきれるか微妙だ。





・・・・・武器を変えるか。

俺はストレージから太刀を取り出した。


今までは軽さや携行性を考えてショートソードを使っていたが、あのドラゴンには通用しなかった。

逆に今まではショートソード一本あれば敵を倒すことが出来た。

それ程ウインは圧倒的なステータスを持っていたのだ。


こっちもガチで挑む!

俺は回れ後ろをして走り出す。







見つかったな。

俺は気配を消して近づいていたが、運悪く見つかってしまった。


「ミラクルアップ(強化魔法)!」


ドラゴンが連続でブレス攻撃をしてくる。


俺は避けながらドラゴンの腹を斬りつけた。


「ごおおおお!」


ドラゴンの腹に傷をつけるが、致命傷にはならない。


この感覚は久しぶりだった。

冒険者になって間もない頃の、一撃で倒せない感覚、敵の攻撃を食らう恐怖!


初心者の頃に戻ったようだ。


100回以上斬りつけた時、ウインは確信した。

「勝てる!」


その時、ドラゴンのブレスがウインにヒットした。

ドラゴンは自身の体もろともウインをブレス攻撃したのだ。


続いて、吹き飛ばされたウインに向かって全力のブレスを放った。


「ぐはあ!」


ウインは100Mほど吹き飛ばされた。


「く!あいつ、自爆攻撃か!」

いや、原因は俺の慢心だ!しばらくの間、格下としか戦ってこなかった。


さらにドラゴンは、ブレス攻撃を連発してきた。


「ハイヒール!ミラクルアップ!」


あいつ!俺を近づけないつもりか!


どごんどごんどごん!


ドラゴンのブレス攻撃で山の形が変わっていく。


ウインは必至で避けた。


「く、近づけない!」


土が舞い視界が悪くなってきた。


「あいつ!そんなにブレスを撃ったら地形が変わるぞ!」





だが、変化が訪れた。

ドラゴンのブレス攻撃が止まったのだ。

ブレスを撃とうとして撃てなくなっているようだった。




ウインはすかさず距離を詰めた。


瞬間!ドラゴンがブレス攻撃を再開した。

ブレスを撃てなくなったのは演技だったのだ。


「やると思ったよ!」

だが、引き寄せすぎたな!


ウインは全力で回避し、ドラゴンの懐に飛び込むと、下から首を斬りつけた。


「もう一発だ!」

さらに首を一回


「まだだ!」

またもう一回


計3回首を斬りつけた。


「キャンプファイヤ!キャンプファイヤ!」


ドラゴンの首に2回キャンプファイヤを使った。



「斬られてぱっくり傷ついた首にキャンプファイヤは苦しいだろ!」


ドラゴンが徐々に苦しみだした。


「ごおお!ごお!ごおおお!」


ドラゴンが暴れ回り、地面が揺れる。


ウイン「うおおおおおおおおおお!」

ウインは首を何度も何度も斬りつけた。


ドラゴンが地面にドスンと倒れる。





◇





魔王城前

「行ってきたぞ!」


「無事で何よりだ!」

魔王は本気で喜んでいるようだった。


「ところでプレゼントがあるんだ。」


「まさか!」


ウインはストレージからドラゴンを取り出した。


ドスンという音とともにドラゴンが出てきた。


魔王は驚いていたが、はっと我に返った。


「ウイン。本当に助かった!これで大きな問題はほぼ解決した!」


四天王とウイン一行も近づいてきた。


「信じられないわ!」


「ウイン!さすがです!」


「すごすぎます!」


「ウインはドラゴンすら超えているよ!後はそのドラゴンを超越した力をベッドの上で解き放つだけなんだよ!」


俺はエムルを無視して話を続ける。

「でも結構苦戦したぞ。レアスキルが無いから攻撃力不足でなかなか倒せなかった。」


「普通は倒せない!偉業だぞ!」


四天王は俺に礼をして頭を下げた。











最後までお読み頂きありがとうございます!


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