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英雄ウイン

ウインはドラゴンに目をやると、ショートソードを腰から引き抜き、ドラゴンの首に斬りつける。


時間差でドラゴンの首がドスンと落ちた。


ウォールは驚愕していた。

なんだあれは!


ウォールにはウインの剣の振りを認識できなかった。


ドラゴンに近づく時の速さ!


あっけなく落ちるドラゴンの首!


「化け物か!」


他の兵士もざわついていた。

「救世主だ!」

「神は我々を見捨てていなかったんだ!」


ウォールの所に、ルナ王女に匹敵するほどの美少女の魔族が近づいてきた。

なぜか体調が悪そうに見えた。


「君が隊長かな?もう大丈夫だよ。なんせ英雄が援軍に来たんだ。」


「君たちは一体何者なんだ?」


「僕はディアブロ王国の魔王の娘、エムルだよ。彼の名前はウイン、ディアブロ王国とアーサー王国を救うため、使者としてアーサー王国に来た英雄さ。」


「ウインは人間なのか?」


「人間だよ、ただ、数年間魔の森で修行して生き延びた人間だよ。」


奥に入ったら生きて戻れないと言われている魔の森で数年間生き延びたのか。英雄なんてものじゃない!


化け物クラスだ!


今は彼の戦いを見守ろう。


ウインは作業をするように2体目、3体目のドラゴンの首を確実に落としていった。


今までの苦戦が嘘のように感じられた。


4体目のドラゴンの首を落とした所で残り1体のドラゴンが飛び上がった。


「ハイウインド」


ウインは風の魔法を使い、ドラゴンの羽を切り裂いた。


落ちてくるドラゴンに剣を突き立てあっけなく倒した。


本当にあっけない。今まで俺たち精鋭1000人が束になってやっと1体をギリギリで倒したが、ウインはうさぎでも狩るように5体のドラゴンを倒したのだ。ウイン一人で少なくとも万の兵力と同等の力を持っている。ウォールは身震いした。


「英雄だよ。みんなに英雄の存在が広まり始めるんだ。」


圧倒的だった。


圧倒的なドラゴンをさらに圧倒的なウインが倒したのだ。


周りからは歓声が聞こえた。


兵士の中には、涙を流している者もいた。


「エムルと言ったか、ウインは別の大陸から来たのか?」


「違うよ、デイブック民主国が故郷だよ。」

ウインがウォールの所に歩いてきた。


「ドラゴン討伐の援軍をすることになってたウインだ。」


メアがウインに抱き着き、泣きながらお礼を言った。


「助かりました。死ぬかと思いましたよ。ありがとう!」


メアの胸がウインの顔をうずめるほど力強く抱きしめていた。


「ごほん、俺は騎士団の隊長ウォールだ、ドラゴン討伐の援軍、心より感謝する。随分余裕で倒していたようだな。」


「うーん。ドラゴンの中では小さい方だったからな。」


もっと大きなドラゴンを倒してきたようにも聞こえるな。いや、きっと倒してきたんだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます!


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