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エムル

アーサー王国の盗賊狩りが終わると、今度はディアブロ王国に向かう。


ルナはアーサー王国に仕事が溜まっている。


ベリーと俺、きゅうのみで向かう。


西の町はすっかり大きくなっており、完全にここが王都になっていた。


エムルはすぐに俺に抱き着いてきた。

匂いですぐにここにいるのが分かったらしい。


しばらく俺にすりすりしていたが、また言わないで良い事を言い出す。


「ベリー、お手柄だよ。ついに一線を越えたようだね。これですべての物事がすんなり進むんだ。」


「そういう言い方やめてよ!」


「そのモコっとしたのは何だい?ベリーの使い魔かな?」


「ウインにテイムの契約をしてもらったのよ。」


「僕に見せてくれないかい?」


きゅうがベリーの背中に隠れる。


あれ?懐かない?もしかして!


「エムルが嫌われてるんじゃないか?」


エムルがきゅうに近づくと、ベリーを盾にして隠れる。


エムルがベリーの周りをくるくる回るが、きゅうもべりーの周りをくるくる回る。

常にベリーを盾にしてエムルから隠れ続ける。


エムルはベリーに抱き着き、後ろにいるきゅうにタッチしようとするが、きゅうは俺の後ろに隠れる。


きゅうはエムルから距離を取り続けた。


食事の時間を突き、エムルはきゅうを捕獲するが、きゅうはエムルの指に嚙みついた。


「エムル止めろ。相当嫌われてるぞ。後、きゅうが噛みつくのはよっぽどだ。」

食事中に頬をつんつんしようとした時でも手でガードするだけだった。

噛みつくのを初めて見たぞ。


「どうして嬉しそうに言うんだい?」


「きゅうがエムルよりウインに懐いているのがうれしいのよ。」


「でもこれは、僕に懐いてるとも言えるんじゃないかな?」


「絶対違うだろ!」


「僕はウインときゅうに厳しく接してもらいたいんだ。それをきゅうは瞬時に見抜いたんじゃないかい?」


「絶対違う!」

「無いわね!」


「所でエムル。この国で困ってることは無いか?」


「ウインが居なくて夜さみしいんだよ。ベリーみたいに僕をめちゃくちゃにして欲しいんだ。」


「そういうのは良いから。何もなしってことで良いか?」


「こことフォックス民主国を繋ぐ『ウインロード』をもっと整備したいんだよ。」


「『ウインロード』ってなんだ?ウインってまさか俺の名前か?」


「その通りだよ。魔の森の周りを一周する長距離交易路さ。」


「なん・・・だと!」

これはなんとかせねば、銅像・絵本・劇・道・小説・色々おかしい。俺の名前は無しにしたい。作戦が必要だ。


ベリーがため息をついた。

「もう無理よ。英雄ウインになってしまったのよ。この流れは止められないわ。」


「ウインは本・劇・銅像・道、その他にウイン装備レプリカの売り上げも順調さ。」


「道の魔物狩りに行きましょう。」


「そうだな、ベリーと俺で行ってくる。」


エムルが信じられないという顔をした。

「ま、待ってくれないかい!僕も連れて行って欲しいんだよ。もう後はウインと一緒に寝るだけなんだ!あと少しじゃないか!」


俺はベリーを抱き寄せた。

「エムル、今までベリーは不遇だった。バグズを倒すまではベリーと一緒に居ようと思う。」


「バグズを倒したら、僕と寝てくれるのかい?」


「約束しよう。」

エムルは俺の顔をじっと見た。


「分かったよ。今回は後で後でと言ってごまかすことはしないと信じるよ。」


俺達はすぐに魔物狩りへと向かい、それが終わった後も、3国の手伝いを続けた。







エムルが走ってこちらに向かってきた。

「4国の戦闘準備が整ったよ。7日後までにフォックスに来て欲しいんだ。」


「分かった。」


エムルは珍しく急いで帰って行った。

本当に忙しいのだろう。



俺はベリーをおんぶして、空を走ってフォックスまで向かった。


フォックスに着くと、町には緊張感が漂う。


戦争の前の独特な雰囲気が支配していた。


ルナが俺たちを出迎える。


「私とベリーの剣が完成しました。受け取りに行きましょう。」

オロチを討伐した時の素材を使い、ルナとベリーの専用装備が作られていた。


ベリーは、真・レイバーティン

ルナが、真・月光


エクスカリバーはルナを選びはしたが,戦闘スタイルを考えると、ルナは月光を使った方が強い。


エムルの装備はこれ以上強くできないという事で、そのままとなった。


「それでは、すぐに出発しましょう。」


俺たちは船に乗り込む。


恐らくこれが最後の戦いになるだろう。










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