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戦の始まり

バグズ率いるゴブリン軍団は、数を減らし、ヤマト南西のミワクの領地に潜伏した。


バグズの炎は消え、バグズはがりがりにやせ細っていた。

体力を取り戻すために肉を食らい、当たり散らすようにゴブリンを数名斬り殺した。

「ウイン!殺す!殺す!殺す!」


グラブはバグズを無視して周りの村や町を調査し、目立たない程度に女を攫った。

ゴブリンキングと精鋭を引き連れ、魔物を狩り、自身とその周りのレベルを上げ、さらに武器を作り、軍団の強化を行う。


バグズが落ち着いたタイミングでグラブが話を始める。

「ばぐず。だいぶかいふくしたな。これからういんをころすためのさくせんをじっこうしたい。」

ウインを殺すと言う言葉にバグズが反応する。


「面白い!聞かせろ!」




・・・・・・・・・

「付き合ってやる!」

グラブの作戦にバグズは口角を釣り上げた。


バグズ・グラブ・ゴブリンキングを中心にとにかく魔物を狩りまくった。

その間に別動隊を組織し、女を攫いゴブリンの数を増やす。


ゴブリンキングの体が黒く光る。


「ついにきたか!」


「ナマエモチニナッタ。オレ、ナマエ『ビック』」


「これで3人目の名前持ちだ!どんどん魔物を狩るぞ!」






バグズの体が黒く光る。


新たな固有スキルを手に入れたのだ。




『魔石食い』

魔石を取り込むことで自身の経験値とする。




さらに、この島の領主が本土を攻めるために動き出したのだ。


グラブは口角を釣り上げる。

「ぐんがではらったら、いっきににんげんをおそう。」


「ついに来たか!」

グラブにとって好条件が揃った。


軍の人間が出払えば後は雑魚ばかりだ。

人間を襲い、女を簡単に奪える。

しかもバグズの『魔石食い』の能力。

人を殺した分と、魔石を食らった分で急速にバグズは力をつけている。

隠れる必要もなくなり、さらにバグズのレベルアップは勢いを増す!


早く人間同士で殺し合え!潰し合え!

バグズの軍団は急速に勢力を拡大する。











俺が本土に向かうと、城はあわただしく皆が動いていた。


俺はすぐにタケルの元へと案内される。


「南西と南東の軍が動き出しおった。シノの報告では、南の港が焼け落ちておる。」

俺が戻ったタイミングより少し早くシノが偵察を終えて戻ってきたようだ。


「俺が行ってくるぞ。」


「実はな。これは陽動だとおもうておる。本隊は恐らく東からくる。」


「そうか。軍を動かしにくいわけか。俺が行ってくるぞ。」


「待つんじゃ行くのは良いが、相手の情報を伝えるでの。」

タケルは紙を持ってこさせた。


・船の先端に魔石の球体が取り付けられていて、そこから光属性光の束を発射して攻撃する魔道兵器。数は少なくとも100以上。

・1000を超えるゴーレムの軍団。


この2つの兵器により、港は無差別に攻撃を受け、かなりの被害が出ているようだ。


俺は一人で南の港へと向かう。





想像以上の攻撃だった。


泣き叫ぶ子供を無慈悲に殺すゴーレム。


近づくと血と煙のにおいがする。


海からは先端に魔道具を取り付けた船が見張り、出航しようとする船を光の束が焼いていく。


皆を殺す気か!


城を落とさずに港を攻撃しておびき寄せようとしている!


人を殺して!?


俺はその場にいるゴーレムを斬り倒していく。


その間にもゴーレムは無慈悲に人を殺していく。


俺は空を駆け、急いでゴーレムを倒していく。


早く!


早く!


俺がゴーレムを倒し終わるころに、ウォールの部隊が到着する。


ベリーは周りの光景に唖然とした。


「ウォール!みんなを救助してくれ!俺はあの船を潰す!」


俺は空を走り、敵の船に乗り込む。

生きている者をすべて斬り殺し、船をストレージに収めていく。


敵は、高速で空を走るウインを中々補足できず、混乱に陥る。

それにより、すべての船が奪われ、海軍は全滅した。



俺はすぐに港へと戻り、みんなの救助活動を手伝う。

俺たちは3日間救助に専念する。


「なあ、ウォール。やっぱりここ以外から敵が攻めてくると思うか?」


「攻めてくるだろうな。ゴーレムと船の魔道具の製造には莫大な資金と製造時間がかかるはずだ。それを使ってこんなに暴れた。それに人が攻めてきていない。どう考えても陽動だ。」


「だよなあ。」


「ウイン、明日には城に戻る。明日まで我慢してくれ。」


俺たちは無事、タケルの元へと戻る。

皆の顔に疲れの色が見えていた。



「状況は良くないの。」

いきなりタケルが暗い話を始める。


「まず、東の港が奪われ、そこにおったワシの妹、ハナが人質に取られた。さらに東の港にはどんどん兵が運ばれてきておる。」


「兵の数は?」


「今は数万程度じゃが、おそらく50万を超えるじゃろう。」

ヤマトは大陸の国と比べ、人口が多い。

というより、大陸の人口が少ないのだ。昔大陸の中心部、魔の森で何体もの名前持ちが発生し大陸の人間を窮地に追い込んだ。その影響により、大陸の人口は少ないのだ。


「タケル側の兵数はいくらだ?」


「10万に届かん数じゃのう。」

本土の兵は、キュウビ・バグズ率いるゴブリン軍団との度重なる戦いで疲弊し、大きく数を減らしていた。


「ヨウザンの所から兵を持ってこれないか?」


「ヨウザンの周りに、兵は少ない。難しいじゃろうな。」

打てる手があまりないな。大陸からの援軍も呼んでいるうちに本土が全滅しそうだし、一番厄介なのは食料だ。こちらの食料が底をつく可能性もある。

それもあって多くの援軍を呼べなかったのだ。


「皆に頼みがある。ハナを救い出してくれんか?」









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