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9.逃げ撃ち

俺は理解した。

やはり身体の強さこそが正義だ。

男はタフネス。

力強さを求めるべきだったのだ。


俺はバーサーカーを選択した。

斧を構えた逞しいゴリラ。

「俺がいれば勝てるんだよ!」と吼えたける男の中の男。


思えば俺が最初に使ったキャラもこいつだった。

やはりゴリラなのだ。

このゲームにおいて筋肉こそ最強なのだ。




試合が開始された。


バーサーカーはタイマンの殴り合いにて真価を発揮する。

タンクも削り倒せるし、アサシンだって返り討ちにできる。


俺は一人でずんずんと進んだ。

味方は別方向から進軍している。

敵が固まっていれば挟撃できるという寸法だ。


敵がいた。一人だ。

ピストルを構えている。シューターだ。

なあに、敵が何であれ関係ない。

俺は最強だ。



バシュ!バシュ!



敵の鉛玉が俺の分身たるバーサーカーを削っていく。

お前、そこを動くなよ。

今すぐミンチにしてやる。


俺はシューターに向かって駆ける。

シューターは俊敏な動きでバシュ!バシュ!と逃げ撃ちする。


おいふざけるな。

攻撃が届かないだろ。

卑劣なことをしないで正々堂々とタイマンしろ。


追う俺。

逃げ撃ちするシューター。

シューターはどうやら一定距離を瞬時に移動するブリンクスキルを持っているようで、一向に距離が縮まならない。


そうこうしているうちに俺のHPが瀕死になる。

これはまずい。

慌てて逃げ出す。


すると何ということか。

卑怯なシューターが今度は追いかけてきて俺の背中に鉛玉を連射する。

くそが。

お前さっきまで逃げてただろ。

有利になったら接近してくるとか男の風上にも置けねえ野郎だ。


俺は反転して攻撃しようとする。

シューターはまた逃げ撃ちする。

俺は今にも死にそうなので戦略的撤退を計る。

シューターが追いかけてきてバシュ!バシュ!とされる。

俺は死んだ。



ああああああああああああああああ!!!



怒り狂った俺は復活してまたシューターに突撃し、一人で3デスして負けた。


ふざけるなよ。

このゲームは身体の強さが正義じゃなかったのか?

タイマン最強のゴリラが何で負けるんだよ。

あのシューターとかいうのおかしいだろ。


遠距離か?

遠距離キャラこそ最強なのか?

わかった、俺は遠距離キャラで全てを破壊してやる。

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