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13.ブースト行為

365日がエブリデイの俺は今日も堕天使ルシフェル5となり、アースレジェンドにログインする。


ランクマッチを選択する。

ちなみに俺はまだ最底辺のブロンズだ。

味方がゴミでなかなか上がれない。

このゲームはマシな味方を引くかどうかの運ゲーだ。


俺はアーチャーをピックする。

味方はバーサーカーとプリーストをピックした。


「俺がキャリーしてあげるからね。プリーストちゃんは後ろで回復だけしてれば大丈夫だよ」

「わあ~い、ありがとう~」


こいつらデュオかよ。

ランクマッチはソロで挑むこともできるが、フレンドと2人で組んでマッチングすることもできる。

今回のケースはソロの俺と、フレンドで組んだバーサーカー・プリーストってことだ。

そしてこのプリーストはどうやらリア女らしい。

俺は甚だ嫌な予感がした。




試合が始まった。


「プリーストちゃん、見ててね!」

「バーサーカーくんがんばれえ~」


頭が痛くなるような会話をしながらデュオが進軍する。

俺はあまり近づきたくなかったので距離を保ちながら進む。


敵がいた。

バーサーカーが大変滑らかでお上手な動きで敵を攻撃する。

やっぱりこいつもスマーフかよ!


プリーストは・・・・・・何もしてない。

たまにバーサーカーを回復する以外は棒立ちだ。

まるでアヒルの子のようにひょこひょことバーサーカーに付いていってるだけだ。


スマーフ野郎のバーサーカーがほぼ一人で敵を5キルして俺たちは勝利した。

プリーストは「バーサーカーくんすごぉい」と褒め称えていた。

俺は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


こういう行為をブーストという。

上級者がサブアカウントを作って、低ランクのフレンドと組んで高勝率でそのフレンドのランクを引き上げてやる行為だ。

規約違反ではない。

しかし嫌われる行為だ。


このプリーストはどう見てもブロンズ相当の実力しかないが、このままスマーフ野郎にブーストしてもらってさっさとゴールドあたりまで上がるだろう。

するとガワだけゴールドの中身ブロンズが誕生する。

本人はそれでいいんだが、マッチングした味方が大変迷惑する。

何せ味方がゴールドだと思ったらブロンズ並の動きしかできないんだからな。


だが違反ではないのでBANはされない。

かくて実力のないガワだけ高ランクのゴミが量産されるわけだ。

許しがたい行為だ。断じて許容できない。

俺もリア女に生まれたら適当な馬鹿男をたらしこんでブーストしたかった。




俺はネット掲示板のアースレジェンド晒しスレを開くと、このバーサーカーとプリーストの名前を書き込もうとした。

しかしすでに誰かによって晒されていた。

俺はそれをコピペして再度書き込むと、満足して就寝した。

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