1.民度最低のアースレジェンドへようこそ
※本作品はフィクションであり、実在のゲーム・団体・個人とは一切関係ありません。
俺は影山陽太。20歳。大学中退のニートだ。
ニートである以上、毎日がエブリデイなわけで、新しいゲームを始めてみることにした。
この前までやってたゲームは飽きたからな。
ゲームのタイトルは『アースレジェンド』。
ランダムなプレイヤーと組んで3対3で対戦するハーフダイブ型VRゲームだ。
世界で数千万人のプレイヤーがいるとも言われる大人気ゲームで、同時にプレイヤーの民度が最低という悪評も付きまとっている。
大人気なのに民度が低いというのが意味不明だがニートの俺に民度など関係ない。
面白ければいいのだ。
PCにアースレジェンドをインストールして、VRゴーグルを装着する。
作成したIDとパスワードを入力してログイン。
俺はヘビーゲーマーなのでチュートリアルを適当にこなせばルールは大体わかる。
事前にネットで情報収集もしたしな。
どうやらRPGのようにレベルを上げて強くなっていくタイプのゲームではなく、どちらかというとFPSに近いようだ。
一試合ごとにランダムなプレイヤーとマッチングして、味方3人と敵3人で対戦する。
敵を合計で5キルすれば勝ち、味方が合計で5デスしたら負けという至ってシンプルなルールだ。
そして一試合が終われば、アイテムなどは全てリセットされてまっさらな状態で次の試合が始まる。
試合モードはノーマルマッチとランクマッチがある。
ノーマルは練習用でランクは真剣勝負ということだ。
まあ始めたばかりだしとりあえずノーマルで練習してみるとするか。
【ゲーム内で使用するプレイヤーネームを入力してください】
俺は迷わずカタカタとキーボードを叩く。
『堕天使ルシフェル』
これでアースレジェンドにおける俺の名前は堕天使ルシフェルだ。
ではノーマルマッチの開始だ。
知らないプレイヤー2人とマッチングし、自動的に3人のチームが組まれる。
【キャラクターを選択してください】
このゲームは一試合ごとに、数十体のキャラクターから1人を選択して戦うゲームのようだ。
接近戦の殴り合いが強いバーサーカー、防御が強いナイト、他プレイヤーを回復できるプリースト、遠距離攻撃ができるアーチャーなど多岐にわたる。
まあ最初だからな。
使いやすそうなバーサーカーを選択してみよう。
でかい斧を持ったガチムキのゴリラみたいなキャラクターが、VRゴーグルの向こうでポージングしている。
「俺がいれば勝てるんだよ」と逞しいボイスで喋ってくれる。
わかりやすい脳筋キャラだ。
味方の2人は刀を下げたサムライと、でかい盾を構えた筋肉ダルマみたいなガーディアンを選択した。
遠距離攻撃が一人もいないように見えるがノーマルなので何でもいいだろう。
この試合における俺の分身、斧を構えたバーサーカーが試合マップに降り立つ。
ファンタジー世界のような土を踏み固めた道、森、川などが入り乱れるマップだ。
要は相手を5回キルしたら勝ちなわけで、敵を見つけて叩きのめせばいいのだ。
俺はずんずん道を進軍していく。
脳筋ゴリラに勝てるものならかかってこい。
突然、横合いの森から敵が3人飛び出してきた。
俺は斧を振り回すスキルを使ったが、3対1で勝てるはずもなく即死した。
「一人で突っ込んでんじゃねえぞ雑魚」
味方のサムライがチャットした。
「ノーマルでイキってんの草www」
俺もチャットした。
「マップの隅っこで大人しくしてろクソ雑魚」
サムライがチャットした。
「そうするわ」
俺はチャットして、言われた通りマップの隅っこでAFKした。
試合はサムライが4デスして負けた。
「ふざけんじゃねえぞカス」
「お前が大人しくしてろって言ったんだよなあ」
「運営にレポートしてやる」
「お前もな」
「Fuck you」
「uninstall plz」
俺はいったん風呂に入って、戻ってきて再度ログインした。
【あなたのアカウントは停止されました】
ふざけんじゃねえぞ。
uninstall plz=「下手クソはゲームをアンインストールしろ雑魚」という意味




